Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。Shoyan的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。 管理者∶No Name 七氏−1.0

2025/12    11« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  »01
今回は感動が凄まじ過ぎて抱えきれないので、それだけを先に書きたいと思う。メモも開かず曲目も書かず、ただ発せずにはいられない今の気持ち残しておきます。
(思い入れ爆発し過ぎていますがお許しを)

各曲やその時思ったことなどは
また後日改めて・・・。

・・・


今、下書きのファイル名に『2023』と言う数字を打って改めて思う。
凄い年月来たなと・・・

こんな数字を見ながら最新の最高のShoyanを聴くことが出来るなんて、、、これは伊勢正三ご本人とその音楽を愛する人たちの真心で、互いに丁寧に築き上げてきた現実の結果なのだ!と、深く感動している。

さて、今回思いがけず初めて経験した前方の席で、燃えるような今のShoyanのステージに添えたことは本当に貴重な経験だった。
(こんなこと一生に一度だと思う)

でも、そんな座席の位置など関係なく、
「もうこのままこの最高の状態で死んでしまいたい・絶頂の幸せのまま人生終らせたい」と思うほどのShoyanのパフォーマンスを感じることが出来た(涙)。それほど新しいShoyan・満ちているShoyan・活きているShoyanだった。

去年の軽井沢で昇られた新しい高みで、それを維持したまま更に堅固な足固めをされているのだ、と期待と安心も感じました。

Shoyan、今モノ凄くご自分と対峙されている。
かつてないほどに・・・。
自分の肉体を細部まで丁寧に物理的にケアして、
内なる精神はすべて結集させて練りあげて、
ご自分の根底のひと粒まで歌に捧げよう!
という真っ直ぐな情熱があったと思う。
会場の隅の隅までそれは届いて、一番後ろの席の聴者の人生何十年にまで食い込むほど強い想いだったと思う。そしてそれは宇宙を一周して伊勢正三ご自身をも背後から強くハグしたのではないかと感じました。

自分を抱きしめることがすべてを抱きしめることになるんだ、ということがよくわかったのです(涙)。

それに近いことは今までも何度もあったけれど、ここ何回かのライブの伊勢正三はもっと違う!
前代未聞のShoyanがキている。

今まで、、、きっと天才的な反射神経で魅せてくれていた神の領域な部分を、今のShoyanはちゃんと事前に吟味して、トレーニングしてストックして把握して、『絶対に確実に聴いている人に届けるぞ!』という"超能動"のもとでライブに臨まれているのではないだろうか。「気がする」とかじゃなくて、これは確信です。

その動機は、肉体的な残された時間だけではなく(そんなこと意識しないけどっ)、激しく哀しい自他の環境の変化、コロナ禍で失われた数々の機会、誰もみな何年も自分100%を生きられなかった・という辛かった日常の事実ではないだろうかと思う。

今まで普通にあったコンサートは本当に本当は凄く貴重な一期一会だったのだということが、演者も聴者も心の底から目が覚めたのかなと思う。

(もちろん普段から誰もが一期一会は大切とわかってはいたけれど)

一期一会を大切にしたものこそが辿り着ける永遠がある、そこに辿り着く扉をShoyanはとうとう開いたのだ、と想った。

今のShoyanは"更に目覚めた人"です。
(シン・ブッダ的な^^;)
この世の激しすぎる永き混沌を我が物にして、それを骨格にして新しい大きなご自分を堂々再生されたと思う。そしてその新しい伊勢正三がすでに歩き出している!と、今回のステージではそんな瞬間を自分の目や耳で感じることが出来て本当に本当に幸せでした。

やっぱり私の幸せはここでいいんだなと想い直して、無に還れた気がしています。

・・・

これだけのステージ、気力体力環境力、すべてにおいてShoyanご自身の影の努力・ケアは凄まじい量なのだと思います。後半、ある曲を弾いて歌い終わった後、肩で息をしていたShoyan、そして最後の曲最後の一音で唇が震えるほど命を振り絞ったShoyanを私は絶対忘れません。
死んでも忘れません。

こんなに熱く・深く・永く音楽を愛している人はいない。
そしてこんなにも聴き手から愛されているミュージシャンも他にいない。
そう想って真っ新な気持ちに完熟したこの日のステージでした。
本当に、私たちまたひとつ新しい日々が始まりましたね、と顔を挙げて澄み切った陽の光を浴びたようなコンサートでした。

パワフルを超越してSTRONG☆なShoyanに、まだまだこれからも逢いに行きたいと想いながらこの稀な興奮を置いてまずは一息♪

独りよがりの爆書きなぐり失礼いたしました。

※今書き終わって、なんだか安心して涙が出てきました・・・やっと・・・。今からひとしきり泣きたいと思います(涙)。
今回ラストに『俺たちの詩』があって良かった、しかもMartinD45で。ギブソンじゃなくMartinだったのが正やんの新しさにピッタリだった。 まだ胸の中で太く鳴っているような気がします(涙)。



・・・・・

※※ で、本当にこのまま死んでもいいと思いましたが、でもでも、ひとつだけ心残りがあるのでやっぱりまだ逝かないことにしました(笑)。

それは・・・ShoyanがMCで度々、前にも増して新曲をご自分で卑下?するフレーズを口にされることです。「新曲ばかりやったら次から聴きに来てくれない・新曲は我慢して聴いて」などと、何故そんな哀しいことを仰ってしまうのか。そんなにも「旧い歌だけ聴きたい・新しい曲要らない」という声が多いのだろうか?

現に終演後、混雑した通路階段で「かぐや姫や風の曲は知ってたけど伊勢正三の曲はよくわからなかったなぁ~」なんて話してる男女グループがいらっしゃいました。それが現実・スタンダードなのだろうか?それが「会場の総意」なのだろうか? でも、それもしょうがない・キャリア長いアーティストアルアルだとしても、、、

新曲(ソロ曲)を好い!と思うのはおかしいことなのか???
それをアーティストご本人が言ってしまう現実、Shoyanご本人が心の底の底の本心からそんな風に「新しい曲を聴いてもらうのは苦痛と我慢」と捉えておられるのだとしたら、なんて虚しくて哀しいことでしょうか。

どうかShoyanお得意のちょっと斜に構えた逆説トークであって欲しいと願うのです。現に私の横からは「そんなことないよー!」という小さな声が沢山聞こえていました。そんな声が届いていないのでしょうか。

Shoyanご自身が発する"お言葉"は、意味が重いのです。好きで聴きに来ているのに「我慢して聴いているのでしょう?苦痛だよね」と言われたらショックだし傷つきます(涙)。冗談だよねって受け流せない、不器用な想いを持っている聴き手もおるのです。

「好き/苦手」「知ってる/知らない」と「新/旧(懐)」は全然違うものです。

Shoyan、私たちは皆『好きな曲・好きな伊勢正三』を聴きに来ているんです。歌は"新しい懐かしい"では分けられないものだと思うので、どの曲も同じ愛でこれからも歌い続けてくれることを信じています。

ダカラ ソンナカナシイコト イワナイデ(祈)

この一つだけ今の私の願いです。

・・・

結局、何度も繰り返し同じようなことを言ってしまうのだけれど、私は『優しい目』にはなりたくないから、届かないとしてもしつこく自分の気持ち記したいと想います。

これまた蠍座的に(*´∀`)☆
※前前書きからつづく

☆伊勢正三 BIRTHDAY LIVE 2022
2022年11月12日(土)16:00開場 17:00開演
かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

※また全文一気に載せてしまいます。
今回時間も経って事情もありまして、いつにもましての誤字脱字・内容間違いがあるかもしれません。ご容赦ください(汗)。
☆まえがき

昨年は四ツ木の出口まで首都高で全部行ったので、今回は途中で降りて懐かしの下道で行くことにした。実は私の母は墨田区出身、今も大好きな伯母さんが元気でスカイツリーの真下で暮らしているのだ。昔は横浜から自分の運転で度々遊びに行ったものでした。

渋谷表参道の喧騒を抜けて皇居をぐるりと回ると、街路樹が黄色く色づいて、美しい秋の東京でした。神田や墨田川向島言問橋、、、意外に車は少なくて運転しやすく、懐かしく、非常に心躍るドライブでありました。Shoyanのおかげで懐かしい景色を走れたのは本当に嬉しく、トキメク時間でありました。

デッカいスカイツリーの下を通って四ツ木橋を渡ればすぐにかつしかのシンフォニーヒルズに着き、東京に住んでいる人はコンサートに行きやすくて本当に羨ましいと思いました。

シンフォニーヒルズでは一年ぶりの知人と合流し、開場も余裕があったのでエントランスで別の知人を探したり、一瞬コロナ禍を忘れそうなほど楽しい気持ちでした。でも、立ち話をしている人たちで「今のうちに伊勢正三を一回くらい観ておこうと思ってさ」的なことを話している人が何組かいて、いつもと違う客層を如実に感じました。昨年の久保やんの訃報で急に昔を懐かしむ気になった方たちがいらしてるのかな?同行の人が「そんなこと言うと他のお客さんたちが気を悪くするよ?」ってフォローしてくれていました。
でも、動機がどうであれ、聴く人・機会が増えたというのはいいことだ!と思うのでした。

「今の正やんスゴクイインだからネっ、フフ」
と内心ちびまる子ちゃんみたいにほくそ笑む七氏でありました。

・・・

☆開演 (セットリストは最後に)

細井さんのブルージーなピアノでミュージシャンが揃い、ステージが始まると意外にもすぐにShoyanご本人登場でギターで絡んでくる!いつものフレーズ♪で食い込んで・・・

うぁっ!髪が長い!!!!!!!
肩までかかるほどに長いっ!!
たまらん!(/ω\)イヤンもうカッコよすぐる。
赤面。Shoyanのおでこ好き。

もうここでビジュアルに釘付けな私は、ペンのインクが出ないことお構いなしにかすれた線でスケッチを始めるのでありました。

「ワン・トゥ・スリー」で『地平線の見える街』から始まった。めっちゃ軽やかで明るいShoyan。声はまだ開ききっていないけど、ノリは好くて軽快。幕開けにぴったりだった。軽やか過ぎてチョット歌詞があやういところもあった気がするけど?パァッっと舞台が煌めくようなオープニングでした。

そのまま跳ねた気分で
『男は明日はくためだけの靴を磨く』。
ギターは抱えたまま弾かず、マイクスタンドを抱えての歌。時折、諭すような自分に問うような"語り謡い"でリードする。マイクの音量やシールドの調子や音程も?まだ安定しないみたいで、軽井沢の時のラスト寄りのこなれた時間帯と、開演すぐの2曲目とではちょっと印象が違った。最初の3曲~5曲くらいはどうしてもまだクラッチのつながりがスムーズにいかない印象でもったいないっ。Shoyanの気合十分なのにっ!!と、何故か一人で焦って滝のような汗をかいていた私でした。(何故お前が汗をかく(笑))

と、そうしているうちに歌い終わってMCにて
「シンフォニーヒルズのコンサートも今回で13回目、いつの間にか僕のバースデイコンサートになっていて、、、そんなに長く出来て幸せと思っている、みなさんのおかげです」というようなことをおっしゃっていました。13てイイ数字じゃないですか☆

ここで突然誕生日の話題に併せて「次の曲は11月生まれの方のために歌おうと思います、11月生まれの人どれくらいいるかな?」とのこと。客席の挙手拍手で「1.3割くらいかな(笑)」とカウントされていたShoyan。
「ぅゎ、私も11月生まれです~」
と、心の中でめっちゃ興奮する私。
何イキナリ!?何!と七氏激喜!
(スミマセン、ほんとに個人的に嬉しすぎてしつこく書いちゃいます)
多分あの曲かな?とはわかったのだけど、その曲の時にそんなことおっしゃったことあったのかな?と、今年このお言葉の時に立ち会えて本当に嬉しかったです。
(珍しいような気がします)

この曲で使用するカホン(箱形の打楽器)は演奏時に腰にクルそうで、演奏者の春名さんと楽器の説明をし合ったり「先に腰を伸ばしたら?」などストレッチしてみたり、とても楽しい雰囲気の中で『11月・ロマンス』を歌ってくれることになりました。

カホンのスローで噛みしめるテンポに乗って岩井さんの艶っぽいエレキがちょっとオトナの雰囲気ですが、Shoyanは甘く甘くはにかみボーカルで可愛く歌ってくれました。
毎年の秋に何十年聴き続けてきているでしょうこの歌。HEARTBEATのアルバムは11月私の誕生日の3日後に発売でした。自分へのプレゼントとしてレコード屋さんに予約して、初めてリアルタイムで買えたアルバムでした。その11月のツアー渋谷公会堂で初めてShoyanのコンサートに行きました。
風やかぐや姫とほとんど関係ないところで始まった、"初めて逢った頃のLove Story"であります。今年はそんな頃のことをよく想うなぁ。
数年前にも軽井沢やかつしかで歌われたことがあった気がしますが、今年はまた違った気持ちで嬉しかったです。あの夜以来、ずっと海辺のドライブが続いているような気がしています。


今日のShoyanは紺地に多数スターの半袖開襟シャツ、カーキ色の短めのボトム、黒いブーツ?が素敵です。半袖なので腕がよく視えて萌えです。必死に14列目から双眼鏡を覗く私でした。

そのまま『あの唄はもう唄わないのですか』に。
終始ダウンストロークで無理なく、しっとりと唄ううちに声が落ち着いてきた。ジャラジャラとしたギターがノスタルジックで泣ける。
♪あ め が ふ る 日 は~
と、一音一音噛みしめる場面もあり、♪私にとっては想い出なのに・・でグッときてしまった。しかしこの歌を自分で作って自ら歌われるなんて、罪ですShoyan・・・(*´ω`)=3溜息。

椅子に座ってコップで水分補給。
「(ライブという場に)なんだか、、感動してます。こんな状況でだいぶ乾燥してきて、マスクをしたらいいけどやはり息苦しくて、、乾燥に出来ることは・・・雨を降らせてみたいと思いマス♪」と『雨の物語』。
キレのいいイントロはご自身で弾いてくれて安定のプレイでした。実は11月・ロマンスの余韻でまだボ~っとしたまま聴き流してしまいました。スミマセン(汗)

ここでステージのテーブルの上にShoyanの私物であろうマニッシュハットが置いてあるのに気付いた。フェルトではなく、ストローかペーパーブレードかわかりませんが、まだ真冬仕様ではなさそうな帽子。そういえばそのトップの長い髪は帽子を脱いだままみたいなシルエットだった。Shoyan、いっそ帽子を被ったお姿で演奏して欲しいかも・と妄想が膨らみました。Shoyanのお帽子大好きなんです***

『海岸通』を歌う頃にはすでに熱唱!客席からも大きな拍手で会場も湧きました。サングラスが少しだけ薄くなったような気がして、Shoyanの表情がよくわかったような気がします。渋谷軽井沢で見かけなかったMartinのD-45が復活したような?気がしてそれも嬉しかったです。("気がするだけ"のことが多くてスミマセン(笑))最近、高音の出し方に技があるなと思います。無理に伸ばそうとせず、短くても正確な音程をひと粒、確実に置いてくる感じと言うか、コンディションに合致する歌い方を実践されているなと感じました。

そのまま『星空』。これは特に記すことがなかったようで(安定という意味で)やたらShoyanの髪の長さを書いてある。耳は半分見えるがトップのレイヤーが長くて耳の下から肩までまた次のレイヤーが・など描いてある(笑)。

ここで立ち上がって刻みのイントロが始まり『冬京』。今年はこれは特別に沁みるなぁと(それは毎年のことながら)、今日半日のドライブ風景を想う。東京は何十年経っても東京だなぁと、東京を出たり入ったりしている自分なりの都会観を整理しながら聴いていました。Shoyanの入れ込み過ぎのチカラも抜けてきて、声もプレイもこなれてきてとても良かった。ギターソロも凄くまとまって、弾きながら会心のニヤリ♪な表情も見えた。今日は低フレットのリードソロが好くて、どっしりした愛を感じました。

岩井さんのギターも素晴らしく、ShoyanのD-45の音は琵琶のように「寂」な響きがして重心の安定した冬京でした。

そう・・・弾きながら前に出てきてくれるShoyan、前の方の席でShoyanの手元を生で観られるの羨ましいなぁと、いつも後方席で悶々としていますが(笑)、今日はそんな遠くまでフレットのアバロンの碧色がキラキラ光ってよく見えました。まぁ、サミシサは距離じゃないからイイんダ♪
「えー、冬の京と書いて冬京という歌を歌ってみました」と続けて、ここからは4曲Re-bornから・・・と『夏純情』。

ステージの照明がほのかな紫と白の多方向からの演出でスゴク綺麗で、後ろの映像も今日はなく、想像力に訴える叙情溢れる色合いでした。間奏のソロもキラキラフレッシュでとても良かったです。もっと弾いてほしいギター曲であります。

※でも、、、ほんとはこれに加えて『雨のウインク』などやって欲しかったかもとちょっと思ったのでありました。あの小さなウクレレベースがいるなら秋の東京でやって欲しかった。また来年に期待しマス。

で、その「可愛い楽器」ウクレレベースを持ち出してきて抱えると『秋の葉の栞』を。

よりささやくように、スローに、何かぬくもり欲しい・・と思うような少しさみしそうなプレイに聴こえた。何故か演者を抱きしめてあげたくなるような、涙を含んだような暖かさがありました。岩井さんのエレキの掬い上げるようなアルペジオが優しくて泣けました。
どこか、、、舗道の排気ガスのにおいと街の靴音を感じるようなステージでした。

音的には、個人的には軽井沢のホールくらいの規模がいいのかな?とも思いましたが、でも秋のモーツァルトホールにも合う一曲です。今年もここで聴けて嬉しかったです(涙)。

「エー、続いてですね・・・」と譜面の紙を色々めくって「これじゃなかったw」と探したのは『風の日の少年』。
ポポポーン♪と軽やかなウクレレベースの音。少人数編成だからか抜けがよくって学校の体育館の舞台で聴いているような、手作り感を感じました。サビ部分で出てくる背景の歌詞字幕のおかげで余計にそんな"授業感"を思ったのかもしれません。

おぉ~、まさに風になびきそうな今日の長い髪ですねShoyan☆と青々しいお姿を見つめていました。

『冬の恋』は岩井さんのオトナなギターで雰囲気深め。
この歌も2018年に初めてここで聴いたのだなと感慨深い。このホールで聴くたびに世の中の空気が違っているような気がする。毎回、自分もShoyanご自身も、違う人間になっているような気がする。一番新しい曲が、一番歴史を背負っているような気がしてならない。『冬の恋』は今現在の伊勢正三の旗艦ソングだなと想いながら聴きました。

歌い終わってだいぶ寒くなる(?)と、またお誕生日的MCから
「この季節に僕は生まれたわけですけど、(季節の変わり目だから)一年で一番弱い時期で下半身が冷えたり・・・いっそ思いきり冬になってしまって寒けりゃマフラー巻いたりして、街ゆく恋人たちの白い息なんかもいいのかもしれませんが・・・」と、晩秋トーク。

「僕ら日本人は"衣替え"なんて習慣があって季節の変わり目をハッキリさせるけど、とある外国の景色で陸の人はコートを着ているのに、海では水着で泳いでいる人もいるなんてことがあって・・・」と、外国の人(ヨーロッパの涼しい方の国かな?)の季節感と日本人の季節感の違いを説明されていました。

「衣替えと言えば僕は学生の頃一番苦手だったのはグレーの開襟シャツになる夏服がダサくて、嫌で、、、」と、脱線していくShoyanのトークが面白かったです。

「さて無理やり次の曲に繋げますが(笑)」と
『3号線を左に折れ』。
「ストーブを出さなければイケナイ、というイケナイというのが日本人らしいというか・・・」というようなコメントをされていたような気がします。

久しぶりですごく嬉しい!!!
この曲、何故か最近もうずっと聴いていないような気がして、なんとなくもう封印されてしまったのではと思うほど寂しくて、諦めていたのですが(何故そんな風に想う自分(笑))まさに今にピッタリ、忘れていたジャストフィット曲でした。

岩井さんのエレキのイントロやアルペジオも叙情感たっぷりで最高にうるんで良かったですし、細井さんのハモニカとShoyanのギターの絡みも白い砂を黒く染める波の応酬みたいで、とても詩的でよかった。感激しました。今日は海モチーフのブローチを着けてきてよかったな♪なんて独りで満足していました(*´ー`)。

Shoyanの♪さヴぃしい・・・の発音に湿度のある暖かさを感じました。
※そういえば今日は湘南夏じゃなかったということかナ

さて、椅子に座って細井さんとアイコンタクトで始まったのは『22才の別れ』。
さすがにこなれていて万全の22才の別れ。もう、この歌は見あげた空のジャンボジェット機のように、遥か彼方を雄大に飛翔している大きな一曲なので、正座して拝聴する心持ちでいる。岩井さんは12弦をお弾きになっていたように見えた。シャラシャラした音が軽やかで煌めいて素敵でした。口を尖らすShoyanの表情が少し引き締まって見えてカッコ良かった(赤面)。

『涙憶』。
キタな。なんとなく歌い出しからリキんでいるような印象。客席を引っ張り上げよう、盛り上げようという雰囲気を感じました。でも、私たちはもうこの歌でShoyanが中座することを十分知ってしまっているので、なんとなく散漫なザワメキを感じる。実際客席では立つ人動く人多数で、間奏ではどう過ごしていいのか考える。アンケート鉛筆は芯が硬いのでお絵描きをしようとしても上手く運べずまた謎の落描きが増えていた。

時計を見たら開始から1時間20分だったので、まだまだ時間があるワーイ!と思ったが、あと何やるのかなと「なご、海、ささ、ほんの、俺たち、月射す・・・」と数えながら待っていた。(なんて現実的な可愛くない自分^^;)

黒地に白文字のTシャツに着替えたShoyanが再登場。
「93年のテレビドラマの主題歌です」
と『ほんの短い夏』。

ギターを肩からさげてはいても、マイクスタンドを両手で抱えて暖かく歌う。メッチャ可愛く、♪ち・り・ば・め・た~など、一音一音丁寧に発音していて真心感じました。間奏のストロークする姿もステキで、終始"若き日"をまといながらのプレイでした。

いい歌だ(涙)
と、メモしてあります(泣)。

ここで喉シュッシュしてMC。
「帝釈天には一度も行ったことが無いんです」とおっしゃりながらも「最近フーテンの寅さん大好きでよく観なおしていますが、今思うとあの時代のすべてがいいなぁって、人情があって・・・」と述懐。そこからテーマ曲の星野哲郎・山本直純両先生の話、同世代の松本隆氏や阿久悠氏の名前も出ました。特に星野哲郎さんの詩の一行一行に作詞家って凄いなーと、だって「ゴムのカッパにしみとおる」(北島三郎『なみだ船』)ですよ、沁み込まないゴムにしみこむってスゴイ・と、作詞家の方のアンテナって凄いとお話しされていました。(あ、でもこれ、詞はなかにし礼さんかな?とチョット曖昧に※後述)

「♪目方で男が売れるなら、なんてとても自分には生まれてこない」と感嘆されておられました。

私も、、、作詞家の方の感性はShoyanのようなアーチストとも違うポジションにあると思っています。Shoyanは"歌を創る人"だなって思うのです。作詞家はメロディーと言葉の橋渡しをする人・みたいな感じに思えるのですが・・・それは生意気に言い切れるものではないので、ひとまず置いておいて・・・♪

ここで「ひところ主人公を別れさす歌ばかり書いていましたが・・」などとおっしゃりながら「でも、Re-bornはよく聴くと、、別れてないんです(ニヤリ)そこがポイントです!」
などと、とても嬉しい発言がありまして、激しく感激しました。

これ本当に大事で、自分的には一番考えている部分なので、このShoyanご本人からのコメントは本当に嬉しかった。このお言葉を聴けたのは大きな収穫と安堵でした。

また、「降りてくるのも歌詞、籠って無理やり産み出すのも歌詞」というような深いお言葉もあったように思います。

そこから次のなごり雪にいくであろう流れで、映画『幸せの黄色いハンカチ』の話に。この映画の中でカーラジオから『なごり雪』がかかるシーンがあるのですが、そこで何故使われたのかと言うと、出演していた武田鉄矢氏が山田洋次監督から「武田君、このシーンに良い歌ないかな?」と訊かれ、鉄矢さんが推薦してくれたというエピソードがあったそうです。

このシーン、すごくいいんですよね。武田鉄矢氏演ずる青年の車に乗り込んだ桃井かおり氏演ずる女性が、ラジオから流れてくるイルカさんのなごり雪を聴いて「この歌、いい歌よね・・・」みたいにしみじみ言うシーンだったと思います。後ろの座席には寡黙に高倉健氏が座っていたはず。何気ないけどたまらん場面です。(詳しくは映画本編をご覧ください)

※ちなみに、某ドラマ『北の国から』でも、幼い純君たちが大晦日にラジオかテレビにかじりついて紅白歌合戦を聴きながら「郁恵ちゃんがなごり雪を歌うんだから!!」って言っているシーンがあったような気がします。(今調べたら1982年の紅白で榊原郁恵氏が『なごり雪』を歌っていたようです)

この武田鉄矢氏のエピソードの際に、客席から笑いが起こり「"武田鉄矢"って名前だけで笑えるのスゴイな(笑)他に名前だけで笑える人誰がいる??南こうせつ?山田パンダ???」などと拍手と笑いを誘っていて面白かったです。

で、その『なごり雪』はさすがのこなれ具合でニコニコの声。この頃になると高音も良く、また透き通った声になった~♪と思いました。

実はこの時、ちょっと時間の流れが亡失したというか、時が無い時間だったと想えるのです。これからこんな風に感じることも増えていきそうな予感。『なごり雪』の不変感・時を留めて保持していく能力の凄さを感じました。

『月が射す夜』ではイントロのテケテケ♪時に、ギターのボディのホールの上あたりから弦を押さえる両手がなんだか妙にエロティックで(赤面)一生懸命にShoyanのお手元を見ておりました。ハイコードのストロークはチキチキして凄くキレがあって、めっちゃカッコよかったです。
ここで動きも激しかったから長い前髪が左右に分かれ、Shoyanの眉毛の眉尻までクッキリ見えてそれまた萌えでした。サングラスの大きさ濃さもちょうど良かったような?とにかくカッコ好かったです。とにかくカッコ好かった。(二度言う(笑))

「来年もここでやるの、もう決まってるみたいなので♪みなさん、元気でいて下さい。ずーーっと一緒に青春しましょうね!」と、来年のバースディライブまで決まってることが判明し、客席歓喜。そうだよ、先のことばかり考えて生きていきたいじゃないですか、とShoyanの前向きなお言葉に胸熱でした。

そしてもちろん『君と歩いた青春』。

とその前に・・・"青春"とは何ぞや?
人の一生を単に4つの季節に分けた言葉ではなく、"永遠"と同義語じゃないのか?何かを生み出す気持ちがあるなら、それはいつでも青春なのかもしれない・・・と想いながら聴いていた。冬が幼少期なのか老年期なのか、それだってあやふやだ。人生は始まりと終わりのある一直線ではないんだ、とShoyanから教えてもらっているようで、今日の君と歩いた青春はとても当事者的に聴けた。

個人的見解ですが、Shoyanの同世代は特に「青春」と言うフレーズに拘るように見受けられる。そう冠したコンサートやイベントが多い気がする。私や、私の親世代、また今の若い人たちはそれほど「青春」という言葉を意識しない気がする。Shoyanの時代はきっと時代全部が若さと前進とキラメキに満ちていたのでしょう。

さて、満を持したステージは歌い出しからイイ感じ♪高い音もよく出ているし、マイクを抱えて客席の上を見回しながら、チカラ込めまくりで想いを届けてくれるShoyanだった。音程揺らぎもなく、完全燃焼の一唱でした。本当に良かった。

歌い終わるとすぐに袖に去ってしまわれた、、が、またすぐに再登場されて両手を腰に当ててお立ちになる姿にナカナカの手応えを感じておられるのではと思いました。


~アンコール

ここでギブソンJ-50登場。バリバリのストロークが始まったけど、おお、ここで『時の流れ』キター。興奮MAX!Shoyanもノリノリで前面に出てきてくれて端の方までギター魅せタイムだった。がしかし、ちょっとイキ過ぎてギターのシールドが足りずにすっぽ抜けるという熱いハプニングもありました。イイヨーイイヨー♪

次の曲に行く前に前述の「~ゴムのかっぱにしみとおる、ですが、やはり詞は星野哲郎さんでした♪」と確認の報告。
"ヤン衆"、"海の男"などのフレーズがお気に入りのご様子。

「僕も子供の頃は海の男だったんです、(生家前の海)ずっと海を眺めてた、釣りをしながら動かない浮きを2時間も3時間もずっと・・・」と
「あれが本当の自分なんだな、と想います」
と、ホロリと深いお言葉が出た。

急に胸がクンとした。
水面の浮きに波紋が拡がったような、、Shoyanの心の微細なアタリに切なくなる一瞬でした。

その、フッと鼻先をくすぐった潮の香りのまま『海風』。
ハモニクスから倍音の飛沫が弾けます。
ここで現実に戻った私は総立ちの客席で坐骨神経痛で動けず(汗)、直立不動で手先だけの拍手で心の中で沸いておりました。あ~~海風、、、海風、この世界が伊勢正三の真っただ中・・・正やんの海、ここに還りたくてコンサートに来るんだな私。そう想いながら嬉しくて、この場に居られて幸せだと心の底から想うのでした。

続けて『ささやかなこの人生』の明るい空気が心地良く、大きな安心感の中でステージのShoyanに向かって手を振っておりました。たとえ届いていなくても私は元気です、とパワー送る気持ちで精いっぱい振りました。

ここで『俺たちの詩』。
今日も字幕は出ていたけれど、Shoyanご本人も時折譜面に目を落とされている感じもあったし、何より後ろの席からではShoyanの表情やお姿が遠くてよく見えないということに気付き、それならやはり字幕歌詞も有効なのかなとも思いました。その指先を間近で観られるのはほんの一握りの観客で、大多数が小さな遠いShoyanを想像で補いながら一生懸命追っているんだもんナ、と思い直しました。

今日は原宿表参道通ってきましたヨ、と肌で聴ける喜びに浸っていました。岩井さんの合いの手のギターもカラッとしていて、なんとなくアメリカンな、サクッとした『俺たちの詩』でした。軽井沢でのステージはDeepでHotでコアだったので、今回は少しサッパリ目かな?
歌い終りの♪どんな日が訪れるとしても~では客席のフラットさ(いい意味で)が感じられて、意識の平等さというか、二階席や後ろの席や立つ人座る人すべてが"同じ伊勢正三"を聴いていたという広い感動がありました。

2019年に登場した新しい歌がステージのメインになる、ラストの締めになるということが素晴らしくて、『俺たちの詩』の大トリ感はShoyanの音楽人生の「LIVE感・活きている感」の象徴だと思います。感動のフィナーレでした。

・・・

Shoyanとミュージシャンのみなさんも前に出てきて全客席に満遍なくご挨拶をされて袖に帰られたのですが、客席の拍手は止むことなく更なるRe:アンコールとなりました。

LLカスタムを手にしたShoyan、
『あの頃の僕は』でした。
岩井さんのノスタルジックなギターと鈴の音で甘酸っぱい最後の贈り物でした。

・・・何をか言うまい
胸いっぱいで何も言えない
と、メモに書いて終わっています。

その"あの頃"はいつのことだろう
自分とShoyanの年月を色々想い出して泣く。
バリバリの"今"を見せつけられた直後に"あの頃"のふり幅。堪らないものがありました。ニクイよShoyan(涙)でも最高だよ・・・・・


と、こうして色んな"頃"を行ったり来たりしながら、沢山の歌を聴いていける伊勢正三ファンとしての幸せを噛みしめて、今年のバースディライブも終演となりました。

・・・

夏の終りの軽井沢は燃えるようなステージでしたが、今回はしっとりと秋の真ん中にある落ち着いたステージだったように思います。そして、少しのサミシサを含む愛に溢れていました。人恋しいステージ、だけどみんな愛し合っているような、優しいコンサートだった気がします。終わってみれば凄い数の24曲熱唱でした。パワフルなShoyanに逢えて、今年も参加出来て本当に良かったです。

Shoyan、愛の継ぎ火をありがとう。
冬を越す胸の炎大切にします。
素敵なお誕生日、おめでとうございました☆

来年もあるなんてすでにわかっていてHappyです!
私もまた一年頑張ります。

と、この辺でバースデライブの感想おしまい。
また来年~~!

七氏

・・・

☆演奏曲目

1、地平線の見える街
2、男は明日はくためだけの靴を磨く
3、11月・ロマンス
4、あの唄はもう唄わないのですか
5、雨の物語
6、海岸通
7、星空
8、冬京
9、夏純情
10、秋の葉の栞
11、風の日の少年
12、冬の恋
13、3号線を左に折れ
14、22才の別れ
15、涙憶
16、ほんの短い夏
17、なごり雪
18、月が射す夜
19、君と歩いた青春
アンコール
20、時の流れ
21、海風
22、ささやかなこの人生
23、俺たちの詩
再アンコール
24、あの頃の僕は
☆前前書き
(ライブと関係ない個人的呟きです^^;)

さて、なんとか普通に動けるようになり、もう一つあった予約の座敷も終ったのでやっとパソコン開きます。普通じゃもう記憶の彼方~ですね(汗)。ただ、今これを投稿する時点になってまた喉がむせたりします。完全復調には時間がかかりそうです。

今回遠出をして体調を崩したのは、おそらくお医者さんから言われた食事制限で体重を減らしたからだと思います(糖尿病とかではない)。ビタミン摂ったり食事食材の記録をつけたり運動もちゃんとしていたのですが、やはり冬迎えはキツイ・・・例年のように喉鼻にきて更に行く前からの坐骨神経痛(過去の交通事故)までと、ナカナカの試練でした。

でも前述したように熱も出ず、咳もほとんどなくてコロナではなさそうなので安堵していますが、本当はメチャメチャ精神的に震えていました。Shoyanのコンサートで東京に出かけてコロナ罹ってきて家族にまでうつして仕事もキャンセルだとぉー?!という最悪の覚悟もして、本当に今回家族に心配と迷惑をかけてしまいました。すごく落ち込んでいました。太田裕美氏がTwitterでいつもおっしゃっている「コンサートから一週間経ってみなさんお変わりないですか?」的な問いはシャレにならないと痛感しました。(実際コロナ発症してお変わりがあった人はどしたらええねん^^;)

この健康ミッション、まだ半年以上は続けようと思っているので、これからも体調管理頑張って体力つけていこうと改めて思うのでした。

で、健康のことはこれくらいにして、実は、今回もう一つハプニングが・・・。いつもライブのメモをとるときはジェットストリームボールペンを愛用しているのですが、以前途中でインクが終って書けなくなり、なんとか同行者の赤いペンでメモを書いたということがあったので、ちゃんと開演前に芯を全部出して目視チェックしていたのですが・・・なんとー、今回席に着いて最初の日付を書いたらそのあとからインクが出なくなり、開演時には鉄筆状態になってしまったという、焦りまくりの試練があったのでした。メモ書きは諦めていたところ、途中でアンケート用紙の付属簡易エンピツがあることを思い出し、それでなんとか書きましたが、シャシャシャと音がするので、周囲に迷惑になるので文字少なめになりました。

そんなわけで、今回病で書けなかったこともありますが、そもそものメモ量が少ないので、本当に覚書き程度で記すことになりました。

でも、、、布団の中で心細い時間ずっと、、本当は幸せでありました。今回のバースディライブは、なんだかとても個人的に小さくこじんまりとした自分だけの幸せに浸れたような気がしています。

記録は少ないかもしれないけれど、心の中はShoyanの愛でいっぱいになったなぁと、優しい気持ちで今過ごしています。

そんなわけで、一応の覚書につづく・・・
 
※今回、全文一気に掲載してしまいました。長文ご容赦ください。
☆2022年9月10日(土)
軽井沢大賀ホール 16:30開場 17:00開演
伊勢正三LIVE~ほんの短い夏~

2019年を最後にコロナ禍で3年の空白をもっての大賀ホール、なんという愛おしい空間が戻ってきたのかと、真っ新な期待で参加したコンサートでした。このコンサートが無くなったのが一番堪えたし、悲しかった。無事に開催されて本当に良かったです。

当日、最近いつものように一人で山越え運転をして現地へ。軽井沢は何も変わらないように見えた。懐かしい顔久しぶりの顔、様々な旧知に逢えて嬉しかった。開場して中に入るとなかなかの混雑ぶりで、やはりすぐに席についてしまい、緊張で独りでじっとしていました。

※以下メモ書きなのでうろ覚えご容赦下さい
&同じことを何度も繰り返してます(汗)

・・・

☆曲目

1.夏この頃
2.時の流れ
3.暦の上では
4.あの唄はもう唄わないのですか
5.君はベージュ
6.雨の物語
7.海岸通
8.湘南夏
9.夏純情
10.風の日の少年
11.秋の葉の栞
12.ほんの短い夏
13.冬の恋
14.22才の別れ
15.涙憶
16.なごり雪
17.イノセント・ノベル
18.月が射す夜
19.君と歩いた青春
~アンコール
20.男は明日はくためだけの靴を磨く
21.ささやかなこの人生
22.海風
23.俺たちの詩
~再アンコール
24.終りのない唄

☆開演

蝉の声?小鳥の声?のSEでバックに木漏れ日のような照明、客席が暗くなると、ステージにミュージシャンの方々が登場。細井さんのピアノでイントロダクションの中、いつもの木の扉からShoyan登場!レモンイエローとプラム色の模様のシャツがメッチャかっこいい!!白いパンツにスタッズのベルト、でも靴が見えない、まぁそれはいいでしょう♪ もう、開けた襟元に超萌えなのでした。

久しぶりの大賀ホール、周囲客席にまんべんなくの挨拶をしてくれて、いきなりのMartinDー28で明るく軽やかに『夏この頃』!!!
軽井沢のステージによく似合う、この懐かしい優しい歌から始まりました。

あ~~、これだよ、このキモチが穏やかだった日の気持ちだよ、、と、忘れそうだった安心感を取り戻せました。もう一曲目からShoyanのパフォーマンスが調子よさそうで、声も伸びるし安定してるし、ギターも100%の音が出ているし、まとまっているしで文句なしの幕開けでした。

※ちょっとマイクの音がモヤって聞こえるのは席のせいかな、ちょっと聴きとりづらい音量の時がありましたが気にせずトキメイておりました。

お、このイントロは・・・力強いストロークが始まって『時の流れ』!
ヴォーカルは一音一音の区切りをハッキリとって、口の開け方からメリハリ・発音にもとても気を遣われている感じがしました。ギターのチョーキングも100%きっちり、アドリブソロもたっぷりの量で良い~良い~~~~と大満足でありました。
実はこの歌にトラウマがありましたが(汗)、大払拭出来まして、Shoyanの歌の懐に再び両手放しで飛び込めました。

どんどん続く『暦の上では』。
わ、久しぶりに嬉しい♪なんか明るい気持ちになってきた。若々しく軽やかなShoyanと"春"の気持ちを共有出来て、自分の歳とか忘れました。大事なフレーズを上を向いて歌い放ってくれて感激。春名さんのサックスと呼応しあって左右にノリノリゆらゆらするShoyan本当に素敵でした。
トゥララっ♪のスキャットも可愛く、「うれしくて失神しそう^^」なんて珍しいことを書いてあります(笑)。

ギターをLLカスタムに持ち替えると『あの唄はもう唄わないのですか』。
お、声が前に出てきた。聴きやすい。しかもすごくしっかりしていていい調子、万全!この歌を毎回歌われるのは客席の要望・ウケもあるだろうけど、Shoyanご自身が歌いやすいのかな?とも思った。あとに続く"いつもの歌たち"もそう思えば納得。Shoyanご本人が気持ちよく歌える演れる歌なのなら、もうそれでいいのかな・と思った。

岩井さんのエレキが泣くので泣かされる(涙)。Shoyanのダウンストロークが70年代のある日の雨模様みたいだった・・・

うーん、こんなカッコイイ70歳、他におるやろか・・と、トキメクこころが燃え始めました(*'▽')☆こういうShoyanに逢えて心底嬉しくて泣けてきた。

さてここで「改めましてイセショーゾーです」
とご挨拶&トーク。

良くなかった天気の話と気象庁の梅雨明け宣言の曖昧さをお話しされていました。
バックの春名さんは前日から軽井沢入りされていて、岩井さんと細井さんは当日日帰りで参加とのこと。以前は前日に来ていたけれど、会食も宴会もやめようということでそういうのはナシだと。前回は「あの時飲み過ぎちゃって・・・反省してます(汗」なんて、3年も前のことをおっしゃっていてクスっとしました。

「実は、僕はリハとか早いから昨日来たんです。独りで来て軽井沢の駅を降りたらシグレていて・・・湿気も多くて雨で・・・」

と、タクシー乗車待ちのお話を。
東京駅は混雑ですごい密で、でも新幹線で軽井沢駅に着いても誰にも会わない・ホテルに着いても一歩も外に出てません。が、そのホテルまで観光地で雨でタクシーを、となると軽井沢の駅で一時間半も待つことになり、けれどその時間は今手掛けている歌の歌詞を考えよう・とか、いい経験をさせてもらったと思っているとのこと。昔はこんなに長時間並べなかった、現に前に並んでいる男性二人組、後ろの十代二十代の若い女性二人組の不満タラタラの会話が聞こえてきていましたが、自分は悟ったのかな?など悟りの話をされていました。
※ここで『雨のTAXI』がチョット気になる

「みんなよく来てくれました」
「思い残すことないくらいやって帰りたいと思います」
と、思い入れの深さをうかがわせてくれるお言葉がありました。

と、次なる歌は・・・

『君はベージュ』!!!
あ~・・もう何をか言うまい、この一曲で報われる・・と、無心放心で聴き惚けておりました。夢にまで見た軽井沢のステージ、あぁ戻ってきた・・Shoyanと私たち。そう想える甘酸っぱいパフォーマンスでありました。高い音はサクッと手放し、各音もしっかり捉えてほんに、何かが薫るような素晴らしいステージでした。♪君はベージュのようだね・・・の箇所でピックを持った片手を宙に指し示して、気持ち込めて歌ってくれました。慰められて本当に嬉しかった(涙。

サングラス越しに目を閉じて歌う表情が見えた気がして、歌の世界を一緒に体験出来ている感覚がありました。本望です(涙)。

ここで椅子に座ると毎度のピチカートの導入で『雨の物語』。
"毎度"なんて思っていましたがなんと、イントロのShoyanのギターがめっちゃ良く、前かがみになってクチをフフン♪とちょっとはにかみつつ歌う甘い雰囲気がたまりません。春名さんのSaxを確かめながら左右を向いたりして手応えを感じているみたい?間奏のソロも完璧、120%のキラメキの音が出ていました。一か所だけ音がはずれたのだけど、弾き終わってカポをこつんと小突いていました。どうやらカポが緩かったのか、取り付け場所が甘かったのかな?カポタストに喝を入れる、なにやら面白い仕草でした♪

MCでは「こちらに来て一歩も外に出ていませんが、軽井沢久しぶりに来ました。軽井沢で海の歌、だけど・・・」

と、『海岸通』。
。ちょっとしたどよめきと大きな拍手。イントロは可愛く、けれどここでもカンペキで、ヴォーカルも滞りなくのびのびと、時々上に伸びあがってこなれたステージでした。すごい安定感♪

だがしかしこの歌の演奏前に持ち替えたMartinD-28のチューニングが、歌い出す前にどうも合わずにスタッフまで出てくるも結局チューナーを外してしまいました。電池がなくなったのかな??(適当な想像(笑))

次は4CapoをつけたLLカスタムに持ち替え『湘南 夏』。
うーん、、そうか、今年は鎌倉イヤーだからな!とか思う。この歌Shoyanご自身がメチャメチャ気に入ってるってことですよね。(THE伊勢正三には2曲も入っている)
♪ただ~それだけのこと・・・でニヤ~っと満面の笑み。Shoyanのご気分がよさそうなので聴いている方もマスクの下で口角が上がったのでありました。

歌い終わって、
「ハイ、『ショーヤン夏』という歌を歌ってみました」
と、聴こえちゃったんだけど、そんなこと本当におっしゃっただろうか?なんとなく、客席も一同(笑)という感じだった気もする。そんな面白いこと言ったとしたらメチャ楽しく心軽くなります。

「これはかぐや姫の頃の歌で、再結成の頃、、、、、なんというアルバムだったっけ?」と、思い出しあぐねつつ「Today(かぐや姫・今日)だ!」とわかると
「やばいよね、あれもこれも、、(汗)昨夜何食べたっけ?とか(笑)」

と、記憶力のことからお弁当のトークに(笑)。

新幹線でも崎陽軒のお弁当、
リハーサルでも崎陽軒、
東京駅と横浜の駅(新横浜?)では売っている弁当の容器の材質が違うとのことで、横浜は木のこだわり容器でご飯が冷めても美味しくて、東京駅はプラごみに捨てなきゃいけないヤツ、とおっしゃっていました。お寿司屋さんの笹や竹の皮の抗菌作用の話、その後も崎陽軒トークがさく裂し、ギターの西海氏のこだわり食事法や、崎陽軒社長さん曰くの正しい食べ方の説明など、かなり長時間を割いて崎陽軒のお弁当のことを熱弁されていました。崎陽軒のシウマイ大好き人間の私としてはちょっとお腹がすくトークでした。
(崎陽軒はミニ抹茶月餅もオススメだと横浜の妹が申しておりました(^^))

さて、「やはり古い歌の方が拍手が大きいな・・・」と、おっしゃりつつ「まだまだやってるというアピールもしないと、、」とRe-bornから『夏純情』。

五月に渋谷で聴いた時は夏を"迎え"る純情。今日は夏を送る純情。この夏も暑すぎた・・・もう純粋な気持ちは薄れゆく年頃で、自分にはこのあといくつの夏が残されているのかと思ったりもする。でも伸びやかな声と、高音を上手にいなして歌う今のShoyanのお姿に「前進あるのみ!」と勇気づけられたような気がしてスーッとミント香るような気持ちになれた。
※今回はステージの構造上、『俺たちの詩』も含め後ろのイメージ画像&字幕はナシでした。やっぱりその方がよかった気がします(個人の感想)。
演奏途中、岩井さんのマイクが不調だったのか、スタッフさんがシールドを取り換えにきていました。

歌い終わってちょっとほよーんとした感じのShoyan、次はとても可愛い楽器が出てきた!久々のウクレレベース♪今回はこれで『風の日の少年』!やった、嬉しい。最近、ギターやベースなど大規模に処分されたご様子だったので、もうRe-bornのベース曲はやってくれることは永久にないのか・・・と絶望していた(大袈裟な(笑))ので、ほんっとにほんっとに嬉しかった。

歌い出すまでに、譜面台の歌詞の紙が行方不明になってペラペラめくりながら「見なきゃ歌えないとは・・・」と汗汗。試し弾きしながら指が滑らないなぁと左手で小鼻をちょっと押さえて油分補充していたしぐさに親近感を覚えたり(Shoyanもやるんだ、と感動(笑))、「本来のベース(Jazzベースかな)は重くて肩が凝るし、ネック長くてこーんなで・・・」と手をのばーしてジェスチャーしているShoyanがお茶目でした。

ここで少し指慣らしでウクレレベースをフリーでひとしきり弾いてくれたのだけど、この短い指使いだけでもメッチャかっこよかったです。(興奮)

歌い始めれば肩を上げてウクレレベースの小さなボディを抱えてキュンとしたシルエット。まるで子犬を抱くようにご自身の心も抱えて、優しく颯爽とした歌に感無量でした。あの間奏のベースラインがまた聴ける日が来るなんて、涙出そうでした。

客席からものすごく大きな拍手。
「なんか嬉しいな♪今日一番拍手が多い気がします」
「それでは調子に乗って☆」なんてゴキゲンなShoyan。
「今日は夏を送る会、その歌はもう少しあとでやりますからね(笑)」
「で、ホテルの窓から外を見ていると、ハラハラ・・ハラハラ~って葉っぱが落ちて、そういうのイイナァって・・・」

と『秋の葉の栞』。
わー、もう二度と聴けないと思ってた(T_T)。
あの可愛いウクレレベースでちゃんとShoyanご本人が弾いてくれている、そして歌声は優しくホンワリとあたたかい。ずっとずっと聴きたかった、嬉しくて夢のようでした。バックの照明も木漏れ日のような模様になり、木の壁面にあたる照明がオレンジ色に光って切なくて、その真ん中で機嫌よくニコニコのShoyanが佇む姿は神々しかったです。

ベースも確実に押さえて、ところどころヴォーカルも強弱をつけて、♪葉鶏頭~!に夏の名残りを込めまくって歌ってくれた気がした。伸ばすところもたっぷり、♪気持ちだったの~、の語尾の下がり様は切なさの濃縮で、、、ちょっとだけ歌詞のあやういところもあった気もしますが気にならず、ほんっとに今ここでこの歌を聴けるシアワセを想うのでありました。

歌い終わって肩で息をしていたShoyan、やり切った感が満ちていました。

さて、いよいよの『ほんの短い夏』。
都会の中のワンシーンであるこの歌ですが、地下鉄のない軽井沢などにもとてもよく合うと思っています。人が沢山行き交う場所で、新幹線なら東京まで一時間余、そんな都会的な賑やかさの中で、自分たちだけの世界に生きたい恋人たちのことを思いました。

間奏のひそやかなアコギのフレーズが素敵です。囁き歌いで無理なくとてもいいです。2番の歌詞からは上を見上げて一生懸命のShoyan、歯がキラキラ光って爽やかで、"夏抱きしめてる感"に溢れていました。

続けて「一気に冬に行きたいと思います・・・」と『冬の恋』。
イントロの初音でキーが合っていないことがわかりやり直すも、すごくまとまって今日一番良いパフォーマンスなのでは?と思うほどゾクっとしました。Shoyanの握るピックが柔らかそうに見えて、、でもそのピックのアルペジオがたゆみなく力みもなく、本当にShoyanの凄いキャリアがわかる滑らかなアルペジオで感激しました。
サビの部分から徐々に照明ライトが明るくなり盛り上がり、これで夏を送れたなぁと思う。Shoyanご本人も腰を当ててご満悦☆でした。

「思えば66歳でこの冬の恋を作ったわけですが、3度目の22才の別れ、ですね(^^ゞ」

などとおっしゃりながら、作詞家の阿久悠氏のお言葉を引用して"街鳴り"するようなヒット曲がない今のご時世の話や、カセットテープやレコードを利用する若い人たちが増えてること(倍音のことも)など。

「後々評価されるような歌を、タクシーの乗車を待ちながら♪これからも曲を作っていきたい」というようなことをおっしゃっていました。

そのお言葉に続き『22才の別れ』。
イントロからエンディングまでShoyanのソロフレーズが冴えわたっていて、万全の22才の別れでした。(岩井さんは12弦ギターを弾いていたかな??)もう不動の王道の堂々たるステージで、昔からのファンの人たちは幸せだろうな、報われただろうなと、安らかな気持ちでおりました。

次の歌に入る前、ここでもイントロのならしでギターの倍音を出しまくりの放出しまくりで、大賀ホールに色んなバイブレーションが満ちてきた。キモチイイー☆と盛り上がりながらの『涙憶』。

原曲通りのイントロの指アルペジオとピックでのダウンストロークと織り交ぜながら粛々の涙憶でしたが、無理なく伸びやかで確固たるボーカルに得心でした。

例によってここでお着換えタイム、、、なのですが、私の席からは斜め後ろの出入り扉の奥までまっすぐ見える位置だったので、バックヤードに消えてゆくShoyanのうしろ姿がずっと見えていました。名残り惜しく目を凝らしていたら、、開けられたドアに消える瞬間、歩きながらすでに胸元のボタンに手をかけ、シャツの前を外して脱いでゆく仕草が見えて凄くドキっとしたのでありました。シャツを脱ぎかけるShoyan見ちゃった・・・と(赤面)独りで悶絶しておりました。
(意識しすぎ自分(笑))

長い間奏の間もその光景が脳内で繰り返され、人事不省になっているところ、いつもより短い時間で再登場。次はどんな衣装?と思っていましたが、ピンク寄りの赤とブルーの太いボーダーTシャツで、なんだかカジュアルなShoyanで意外でした。「ギャップすぐる!」と私は違う悶絶をしていたのでありました(笑)。でも、まとめのソロのギターがめちゃ渋くてカッコよく、素敵でありました。

そのままに『なごり雪』。
そんなカジュアルさだからだろうか、若々しく青春のなごり雪。慣れた曲ならば尚更に表情に余裕があって、岩井さんのマンドリンのような繊細なエレキのフレーズと相まってノスタルジックなステージでした。歌い終わって両口角を上げて、やはりのご満悦表情でした。

なんとなく、もうコンサートも終盤??なんてサミシク思いつつ、待っていると『イノセント・ノベル』ではありませんか!!!Re-born曲が多くて嬉しい!!

わー、イントロのストローク、フレットのスライド、全部よく見えてめちゃ感激。今回一応一桁席だったので、双眼鏡なくてもShoyanの手元がよく視えた。こんなに見えたの何年ぶりか、、、

ここでもShoyanの囁き歌いは正確万全なのだけど、このアップテンポのシャイニーな曲の時はもう少しボーカルの音声にインパクトが欲しいなと思ったりしました。間奏の細井さんが熱演でさらに盛り上がります☆後半から客席の手拍子が裏打ちになって興味深かった。

さて、いよいよのお月見ソング『月が射す夜』ですが、Shoyanは今日が十五夜だということは意識されていなかった模様で、中秋の名月についての言及はありませんでした(*´▽`)ソレモマタヨシ。

テケテケがフレットを上下して演奏が始まると、とてもまとまりのあるノリノリのステージで自分の気分も最高潮でありました。ほんにね、、、猛暑酷暑の今年の夏。毎年乗り越えるのが辛くなってきた。けれどこの歌があるから、夏がゆくときにこの歌を聴きたい・歌いたい・がために、暑過ぎる夏を詩的に過ごせるのです。

Shoyan、今年はここでこの歌を聴くことが出来て本当に幸せですよ、と心の中で深く感謝。

しかし、Shoyanのお声のボリュームがここでもすこし小さめに思え、モワモワして歌詞がよく聴こえない。そういう場面が今までにもあったので、これは大賀ホールのCエリアの特性なのかな?自分たちは歌詞を知っているので脳内補正出来ているからいいかな・・とも思う。Shoyan御本人の入れ込み具合、誠実さがバリバリ伝わってくるので感激が深い。ギターもギター全部のすべての音を出そうという姿勢や仕草に熱いものを感じる今日のステージでした。

「この歳まで歌ってこられてキセキなのですが、このコンサートも2年出来なくて、、、でも今日みんなに会えて本当に嬉しかったです、いつも支えてくれるみなさんに、、心からありがとうございます!」と、Shoyanからの真心こもったお言葉に、客席から大拍手が沸いたのでした。

次の曲が何かわかっちゃったけど、、、ここでグッと泣きそうになる。今日この時はキセキなんだなって。Shoyanがギターを弾いて歌って、私たちは大賀ホールの椅子に座って、同じ空間で同じ音を聴いて楽しむ、それは奇跡なのだと痛感した。感動のステージでした。

そして万感の『君と歩いた青春』。
イントロのみギターを弾くとあとはスタンドのマイクを引き寄せて歌う。とっても好いヨShoyan、とメモにハートマークが書いてある。不思議と今日はこの歌が一番軽井沢にマッチしているような気がした。今は新幹線ですぐとはいえ、一昔前は十分に"故郷(くに)"だった。ここへきて都会と地方のキョリにも変化が起きてきている。ネットで買い物ができるし、リモートで仕事も出来るし、交通機関も便利になり、リゾートも僻地も近くなった。この歌が経てきた距離、そんなことを想いながら聴いた。

バックの照明が真っ赤な夕焼雲のようになり、ホールの自然素材の造りに映えて美しい。天井のアクリル装飾を見上げると、ペルシャ絨毯の上で歌うShoyanの姿が映っていた。

万雷の拍手、何も言うことがないほど、客席とステージ上の一体感があった。コロナ禍で分断されたものがまたひとつになれたなって思ったのでした。

~アンコール

Shoyanを待つ拍手の渦の中で、大賀ホールって客席の拍手も良く響くんだなって感激していました。ほんに良いホールだなぁ。

みんなで再登場して、岩井さんの♪ワン・トゥー!で始まったのは『男は明日はくためだけの靴を磨く』!なんとーー!嬉しい~!この歌、自分のある意味でのテーマ曲なのでメッチャ感激しました。ここでこれ!!堪らんっ、Shoyanにヤラレターと思ったのでした。

途中やはりギターを弾かずにピックを持った手でジェスチャーしながら熱唱でマイクを抱えたり、自ら手でクラップしたり、時に♪やさしい女がどこかにいたような気がする・・・などは含みを持たせて、なんとも表情豊かなステージでした。もう、昇天しましたワタシは・・・(抜ける魂)。

そしてその熱気のまま『ささやかなこの人生』。
一同起立っ。そして手拍子、この手拍子が凄かった。合いの手のパン、パパパン♪が破裂しそうなくらいの大きな音で、客席すんごいチカラ入ってるなと嬉しくなりました。あんなに力のこもった合いの手拍手は聞いたことないと思いました。モチロン、当のShoyanも満たされた感でみんなが嬉しい一曲でした。

そして、おぉ、やっと登場だT’sT!
イントロに入る前の倍音シャワーマシマシ!!!いやすごい、やっぱり大賀ホールすごい、皮膚に沁み込むほどの倍々倍音になっていました。

ここでニヤッと歯が見えるような笑顔でイントロが始まると、Shoyanの髪の毛がポヤっと立ってきて色んなものが立ち昇って来た。高いフレットのストロークがサクサク小気味良くて気持ち良くなり、たまらぬ心地でした。

※曲の合間に必死にメモをとる私、どこからか視線を感じる。「このオバサンなにやっとるねん」と訝しむ人がいたかもしれません。スミマセン(汗)。

そしてShoyanは水をひとくち飲むとJ-50を抱えて『俺たちの詩』。
渾身のイントロ、GibsonJ-50の凄い音がする。これもまた今までで一番いい厚い音に聴こえる。Re-born以降一度あった2019年の軽井沢でこの曲は歌われただろうか?とにかく私が行けたライブの回数は多くないが、今まで聴いた中で一番濃くて胸が鷲掴みにされるパフォーマンスだったし、Shoyanが吐くナマの熱い気焔が見えて、歌の意味・言葉の指し示すものが本当に"リアル"だった。これこそがLIVEの醍醐味、ヴォーカルも150%の極太で最高でした。

以前よりより繊細になったソリッドな岩井さんのエレキギターが絡んでとても大きな歌になって、会場の隅の隅まで今現在のShoyanの想いがギュッと届いたと思います。心揺さぶられる素晴らしいステージでした。

歌い終わって、、汗か、やはり涙か、、Shoyanはサングラスをずらして目元を拭われていたように思います。激動のこの数年、歌う方も聴く方も辛いことやるせないこと沢山で、、、でもこの時、双方の堪えていたものが一気に溶けた気がします。再会の喜びの涙をお互いに拭いあえたような、キラキラとしたコンサートでありました。
今書いていて想い出して泣きそうです(涙)。

両手を挙げて、客席とエアハイタッチなShoyan。本当に素敵でした。

~終演の再アンコール

大団円の中、ミュージシャンみなさん舞台前に出て挨拶をして去ってゆくと、Shoyanひとりで戻ってきてくれました。

「また、どこかでお会い出来たらサイコウです」

と、D-28一本で『終りのない唄』。最後の最後まで嬉しい♪

・・・だがフト、べるが最終回のラストを思いだしてしまった。
あの時も似たような感覚だった。
最高の最高のラストは、それが最後だったなと。
今回、最初の方で「思い残すことないくらいやって帰りたいと思います」なんてお言葉もあった。

けれど、この歌の途中で
♪誰かがきいていてくれる限り~の箇所を
「♪みんながきいていてくれる限り~」と唄ってくれたので、客席一同キュンとしてしまいました。どこにいても、どこまでも、ついていきますShoyan、と強く想ったのでありました。

先のことは考えず(これからのことはワカラナイ)、「今」とそしてちょっとの「明日」くらいをささやかに想いながら、手元にある"小さな深さ"を大切にしていこうヨ、と言われたような気がします。


メモはもうここで終わっています。
Shoyanもまた扉の向こうに去って行かれました。

・・・
☆あとがき

終わってみると、今回は恋する二人というよりは男っぽくて、でも切ないラインナップだったように思います。人生訓を絡めての、様々な愛のバリエーションで甘さと苦さを噛みしめる深い一夜でした。

伊勢正三というひとりの"オトナ少年"のチャレンジ精神と悟りのようなもの、出発点と到達点、そしてまた新たな一歩、聴く者にも勇気を与えてくれるような寄り添いを感じるステージだったと思います。もちろんいつも大感動だけど、ここ数年で一番の、というか、感じたことのない種類の深い感動でした。やはりみんな、聴き手も歌い手もこの数年で深く傷ついたのだと思います。その傷の深さの分だけ癒しも大きかったのだと思います。Shoyanの歌そのものそのままの世界がそこにありました。また来年もあるといいなと静かに待ちます。

帰り道、山を越える頃には霧の合間に中秋の名月が光っていました。どこまでもついてきてくれる満月の光、伊勢正三の音楽はいつもそんな風に私の傍に在ってくれるのだと、余韻を噛みしめながら家路につきました。

久しぶりの軽井沢大賀ホール、ライブの感想でした。
長文最後までお読みいただき感謝です☆

おしまい


終演後、入り口の前にはナナカマドの樹があることに気付いた。
軽井沢駅にも何年かぶりに寄ってみた。

また少しづつでも日常が戻ってくるといいなと思いながら迎えた秋です☆
~ 『涙憶』からつづき


~一度袖に戻りお着換えタイム~

ワー、LOVELESSの黒Tシャツ~(*´ω`)
半袖~!Shoyanのナマ腕に激萌え~(*´ω`)

「今日は楽しんでくれていますか?♪」と二階席三階席にもお言葉をかけてくれる。"LOVEFULL"やないかShoyan(T▽T)!あの頃84年の秋、会社帰りのフレッシュなネクタイ姿で二階席から一生懸命手を振っていたお兄さん方、もう定年退職して今日ここにいるのかな。ここは今も愛に満たされていますよ!と私なりにも一生懸命拍手を送った。

サポートミュージシャンのメンバー紹介に続き、50周年で発売になった『伊勢正三の世界』と『THE伊勢正三』の両盤のお話、3年前にまるでイチから書いた曲の『Re-born』は「自分はまだ現役だとお知らせしたいと思って・・・」なんてベスト盤には入れていないというお話でした。

ここでふるさとの津久見で伊勢正三資料館を今度建ててくれる話※、その話題が共同通信などで全国配信されたら「伊勢さんはお亡くなりになったんですか?」なんて問い合わせが来たり、などと苦笑のトークも(笑)。それ以前に津久見駅になごり雪の歌碑が出来た時に伊勢君の銅像も作ろうって話が出て、それだけはヤメテ(笑)と言いましたという興味深いエピソードもでて、「みんな偲んでくれてねぇ(笑)」なんて、客席一同笑いも出て面白かったです。

※その資料館は新築ではなく既存の建物使用の模様です

「僕は僕で出来ること、ラブソングにこれからも挑戦していきたい」というような意気込みも聞かせてくれて心底から嬉しかったです。

ここで後ろのテーブルにあった何かを口に放り込むShoyan。

「トローチ舐めながら歌ってもいいでしょうか?」

と、謎のリアクションが。

え、それムリじゃないすか?(^^;)と思ったら

「やっぱよくないナ」

とコップの水でゴックンしてしまいました。

えーー、喉につかえちゃわないの???と一瞬焦りましたが、無事に飲っ込めたようで安心しました。ここが今日一番の不思議ポイントでした(笑)。

嚥下関係には細心の注意を払ってくださーい、無理しないでShoyan!と、初めてのことに戸惑うワタシをよそに、ここからRe-bornの3曲が怒涛で押し寄せるのでありました。
『冬の恋』
今日も「~parallel」と書き足したいほど、太く囁く涙のヴォーカルでShoyanの"情熱息"がありありと伝わってきました。ちょっと想定外に感情が浮ついてしまって、ドキドキしてヤバい状況に陥りました。Shoyanの腕のぬくもり感じちゃって泣きました。スキダカラ・・・なのです(涙)。

ここでも岩井さんのエレキがスローで暮れなずんでいて切なかった。歌声も言葉も端々まで確かで、どっぷり浸ってしまった愛の時間でした。

『夏純情』
またもやD-28のインパクト炸裂。肩を入れてのストロークに前後揺れてめっちゃカッコイイ!間奏もエンディングのソロフレーズも確かな筆致でカッチリまとまり、なおかつ色気があって素晴しかった。そろそろ夏が見えてくるこの五月に、青葉のむせ返るような薫りを感じる一曲。
この曲も"ギター聴かせ歌"として延々とエンディングソロを演って欲しい曲だ。そんな感じのチョイス、これからどうでしょうか。

終わってご満悦な表情のShoyan、素敵でしたよ(涙)。

※ここでまたイメージフォトと歌詞の字幕がバックに流れる。これ本当はやめて欲しい。(中には気に入ってる方もいらっしゃるとは思うし、私個人の捉え方なのですが)

この試み、その瞬間、正やんを見ていないってことじゃないですか。その瞬間、音で聴いていないってことじゃないですか。それとも耳の不自由な方への気遣いなのだろうか、それならば字幕だけでいい。聴き手の想像力に介入しないで欲しい。安易なセンスならば尚更です。歌詞の漢字も勝手に変えてある、写真のチョイスも必然を感じない。やるならもっと思いを込めて理由に基づいて制作した作品を流して欲しい。もしもShoyanご自身の提案実行なのだとしても、せめて歌詞は正確にお願いしたいです。今回更に正直な気持ち書きました。ご容赦下さい(汗)。

『小さな約束』
どうもこの歌の、アルバム音源とステージの乖離が大きくて、、、実はちょっといつも構えてしまう。間の「ネパーリアン?」を音源で流すようになって更に・・・Shoyanの導き何処にあるの?ってライブで聴くたびに思っていた。

だがしかし!なんとー、本場?の渋谷で聴く小さな約束はメチャいいじゃん!ナニー、堪らんぞー!(*´Д`)!原曲の輪郭のままリアルにキュンキュンするじゃん!とキセキのように興奮してしまった。時に屈みこむほど、時に天を仰ぐほど表情豊かにハンドマイクで歌いこなすShoyanがとても素敵だった。マイクを両手で抱え込んで歌う姿に、今日は余裕さえ感じた。実感のこもったパフォーマンスから良い感情を正面きってプレゼントされて嬉しかった。

ほんとに、松濤あたりの裏渋谷で繰り広げられるアヤウイ恋の一場面を体感できて貴重な時間だった。今まで聴いた中で一番ヨカッタと正直なキモチで思います。歌い終わっての深々のお辞儀がShoyanの会心と新しい前進を物語っていました。

そのままの空気で『ほんの短い夏』
これは、、、自分的に自分のど真ん中にある歌だなと実感する。渋谷の歌だなって。今日は本当はこの歌が一曲目だったらいいな、くらいに想っていた。自分も還ってきたキモチで聴いた。このホールが、渋谷公会堂がよく似合うと思う。もちろん、Shoyanご自身もおっしゃっていたように、かぐや姫~風の頃から何十回も歌われた場所だとは思うけれど、伊勢正三というアーチストが"過去のフォーク歌手"で終わらずに、ずっと活きた音楽とともにあった証拠のような大切な歌だと思う。世は令和、外はすでに無国籍なトーキョー、けれど、このLINECUBEの中で今この歌の中は唯一無二の変わらない伊勢正三の時空だなと深く感動しながら聴いていたのでした。

Shoyanご自身もかなり入れ込んで歌われてるように見受けられた。また心一緒だ・と思える嬉しいひとときでした。

『22才の別れ』
そしてまたこの大切な節目なヒット曲。終始力強く、ソロフレーズもノッていて万全に思えた。LLカスタムギターのボディーを囲っている貝のインレイが凄くキラキラして、Shoyanの若々しさ・キラメキを体現していて素敵だった。

あぁ、伊勢正三ってとても大きな人だなって、ひれ伏したいほどの気持ちで聴いていた。

いよいよの『月が射す夜』
D-28で勢いがつく、Shoyanの髪の毛がぽわってなってフワっとして立っている。ここ最近のように左右に跳ねグセもなく、ふんわりまとまって素敵なヘアスタイルだった。(曲の感想よりそこか(笑))もうこのあたりになると万全で心穏やかに熟した気持ちでステージを楽しめた。

T'sTで『レミングの街』~~~!
神ストローク来たー!
岩井さんのエレキが重々しくてよいの~
サングラスがカッコいい~~
月インレイが綺麗~
肩をすくめてギタリストの一番カッコイイポージング☆

大切な♪星より遠くに見えて~では手をとめて特別な何かを込めて歌う。そこ、ほんとに大事です。感激してまた自分的に心が透けて涙する。最近のこの歌のShoyanの気持ちの込め様に自分も感じるものが多い。毎回聴けて嬉しい(涙)。

その畳みかける確かな美しいストローク、岩井さんのエレキと同期したりしてノッているShoyanの横顔がモノスゴク素敵だった。フト、40代の頃のお姿に見えてしまった。やっぱり、年齢とか時代とか関係ない、魂が見えればそうなんだなってよくわかった。

風の正ヤンが見えていた人も沢山いたことでしょう。そのあたり、チョット渋谷の魔法かなと思う(*´ー`)。

歌い終わり、ここでなんと、また後ろのテーブルから小さなスプレーを手に取り喉にシュッシュ!お医者さんから処方されたもののような気がしたが(普通に市販のものかも?)、喉ケアをされていることにモノスゴク感動した!わー、Shoyanそうやって丁寧な本格ケアをされてこのステージに臨んでくれたんだ!と本当に嬉しかった。今までそういったことを表立って拝見したことがなかったので、少し驚いたけれどすごく安堵しました。

「いつまでできるかわからないけれど、なんとか聴いてくれる人の心に届くような、自分の身の丈に合った歌をこれからも歌っていきたいと思います」

というような、グッとくるお言葉も聞けた。
もう胸がいっぱいで、、、

次の『君と歩いた青春』ではフラットな気持ちでいい意味の茫然自失で身を任せて聴いていた。
Shoyanの歌い方も無理なく、心地よい残響の中でホールの隅々まで届いていた。ギターもそれに添ってど真ん中の音が出ていた。岩井さんのエレキがまたずっといい合いの手を入れて、彩り確かなステージでした。歌に集中してヴォーカル最高潮なのに、また知らぬところでネックのフレットを探ってゆく左手がセクシーなのでありました。

~アンコール~

ギブソンJ-50出てきたー!
『moonlight』!
ここで「アレ?メガポリ今日はやらないのか」とチョット残念に思うが、この♪古びた駅が取り壊されシリーズは欠かせないっ、と、またまた今日ここでしか聴けない!と感慨深くノる。思えば私の青春の街並みや駅ビルもみんな新しく大きく複雑に建て替えられてしまった。青葉台もたまプラも二子玉も、そしてこの渋谷も、、、
(メチャ個人的(笑))。

♪長い年月を過ごした二人には心の中まで透き通るような季節・・・

一番新しい冬の恋の窓辺も想ったりして、それなりの、自分なりのShoyanの歌との年月が透き通りながら重なった今この時を深く深く想えた(涙)。

ラストのシメに"THE伊勢正三収録バージョン"さながらにラテンなノリで「Uh-!」と一声あげたShoyanご自身もかなりノッていらしたご様子で熱いステージでありました☆

そういえば、、、いつもの椅子もステージにあったけど、座って弾き語る曲は一曲もなかったね?

細井さんここまでとても控えめな感じ。メンバー紹介でも機材の事や音楽のことを考えているのが好き、などとおっしゃっていて、インナートリップ傾向にシフトチェンジなのかな?

さて、客席総立ちで『ささやかなこの人生』
自分は8列目だったのだが、何故かチョット遠く感じた。というか、この瞬間、会場がスゴク広くなったような気がしたのだ。大きな一体感があって、あぁ、正やん本当に戻ってきてくれたんだなぁと、人生二度目の"伊勢正三の大復活"を実感したのでした。だからもうコロナショックは過去のこと、これからのShoyanのパフォーマンスは100%期待しかないゾ!と両手放しの軽やかな気持ちになれて本当に嬉しかった。まだ客席から声はかけられないけど、もう黙っていても気持ちひとつになることをみんなフツーに思えていたのではないだろうか。

※この歌こそバックに歌詞を出せばいいのに、と思いました。

「どうぞお座りください♪静かな長い曲をやりますので」なんて、ジェントルShoyan。

「ホントに、表には見えないけれど、誰もが大きなことを抱えながら日々を頑張っているんだと思います」

「昨日、ある高名なお医者さんにお会いして、夜8時から9時に笑うのが(健康上)大事なんですよ、ってお話を聞いて、、、僕は漫才や落語も大好きだから、お笑いの人たち・笑いを届けてくれる芸人さんたちも陰では苦しさや悲しみを抱えていたりするのかなって思います」

※先日亡くなられた某芸人さんを悼むようなお言葉に想えました(涙)

「人に笑いを届ける立場で頑張っていてもそうだったりする、そんな風に悲しいことと嬉しいことが裏腹にある、でも生まれたからにはそういうことを抱えながら生きていくんだなと思います」

と、満を持して『俺たちの詩』
これこそ、こういう歌こそステージ上でギターを抱えている正やんを自分の目で見ながら聴かないといけないと思った。ギターの弦にピックをあて腕を振り下ろす強弱、どこで顔を上げ、どこでギターを揺らすか、シンガーとして何を届けたい・どう表現して何を想いながらその時を歌うんだろう、そこに真心や真剣さがある、歌っている気持ちが本当のことだ・と、それを感じるのがコンサート・ライブ会場じゃないだろか。

そのパフォーマンスをBGMにして歌詞を茫洋と眺めてしまってはもったいないのだ。意地でも読まないぞ、私は聴くんだ!!と違う意味で反骨してる自分でありました。

でも、、、いいのでしょう?
自分らしく、そんな風に居ても。

全編、裸の心で歌ってくれたと思う。歌い終わり、ステージ前に出て深々と礼。つむじが見えるほど深いお辞儀をしてくれて真心の歌い切りでした。イヤモニをはずして集中力の解放と晴れ晴れとした表情のShoyanのお姿にこちらも感極まる。こんな、こんな深い感動、本当に宝物です。

鳴りやまぬ拍手に一応の耳打ち(笑)で
再アンコール『なごり雪』
「一番最初に歌ってしまったから間に合わなかった人がいるかもしれませんから♪」なんてお茶目に歌い始めるShoyanの余裕が素敵だった。

2コーラス目の岩井さんのトレモロがノスタルジックで、なごり雪の遠近感を感じる。万全のなごり雪、のびやかに半世紀色褪せない"歌の可動域"に圧倒された。プラチナヘアに白いお髭に雪の降りかかる、今の伊勢正三その人そのもの、な満ち満ちた『なごり雪』で終演となりました。

Shoyanとミュージシャンさんたちが袖のスタッフさん達とグータッチしてにこやかに帰られて、客席も明るくなりました。

・・・

なんだろうこの軽やかな気持ちは。
もちろん新型コロナは今でも怖いし、感染対策も忘れず、退場もアナウンスに従う制限退場で待機していたのですが、今さっきまでShoyanが目の前にいた空っぽのステージを見ても寂しくはなく、なんだか"希望"のようなものを感じていました。

外に出ればマスク姿の人混み、価値観の乱高下、そして物価高に泥沼のような不安の持続、遠い国の残酷すぎる蛮行のリアル、暗い気持ちの比率が目に見えて高いはずなのに、何故か前向きな新しいバージョンの自分がいました。

ここ数回続けて東京に独りで車を運転して首都高など走り、都会はヤダ~こわい(+_+)渋谷の人混みオソロシスと思いつつも、いざ20年以上ぶりに渋谷公会堂の空気に触れれば、一瞬で自分の中の自分が再び甦ってしまいました。これ、まさにRe-bornなのであります。"温故知新"なんて言い古された言葉かもしれないけど、懐かしさは新しさだった・と言う、ハッと目が覚めるようなステージでありました。

二つの渦が併さって円に戻ったような、Shoyanの再始動と自分の再始動が合致したような、非常に心通じる、愛に満ちたコンサートでした。また渋谷でコンサートがあったら来たい。自分がどこでどんな生活をしていようが、Shoyanの歌との美しすぎる絆は不滅だ。ほどけたように見えてもまたその反対の先が結び始める、その繰り返しな"キもちのツナがり"が"絆"だとよくわかることが出来たコンサートでした。

軽井沢の予定も出て、チケットの先行も無事予約できたので、この新しい気持ちでこの夏を迎え向かい過ごしていこうと思います。「夏」がつく曲が5曲もあった、これはShoyanからの「せめて夏を楽しもうネ」というメッセージと思ってがんばろう。

怒涛の独りよがり、これにておしまい。

長文、お読みくださり感謝です。

☆自分的おまけ写真

公園通り、タクシーだけ変わったような♪


当時のチケットも載せておこう(*´ω`)ナツカシ

☆今回、近隣住宅地の中の駐車場に停めたので、尚更里帰り感があってノスタルジィーでした。もう渋谷コワくない~かも?(笑)
※いつものことですが誤字脱字ご容赦ください
 (;´∀`)

~~~~~~~

2022年5月22日(日)
50th Anniversary
伊勢正三LIVE 2022-渋公で逢いましょう-
LINE CUBE SHIBUYA 渋谷公会堂
開場16:15 開演17:00

1.海風
2.なごり雪
3.あの唄はもう唄わないのですか
4.雨の物語
5.海岸通
6.冬京
7.ペテン師
8.青い夏
9.湘南夏
10.夜汽車は南へ
11.それは遠い夏
12.涙憶
13.冬の恋
14.夏純情
15.小さな約束
16.ほんの短い夏
17.22才の別れ
18.月が射す夜
19.レミングの街
20.君と歩いた青春   

~アンコール~

21.moonlight
22.ささやかなこの人生
23.俺たちの詩

~再アンコール~

24.なごり雪

 ☆前置き(長いです)
さて、渋谷です。2022年です。
確か、一番最初は2020年の1月の立川Re-bornライブの頃に告知があったのではなかったろうか?そして昨年の払い戻し、永かった~今日までが。何が起こったんだろうこの間に、と思う。果たして何度世界が変わってしまったことか。コロナ禍、東京オリンピック、ウクライナ侵攻、その間の伊勢正三的音楽世界の超現実・・・大きなこと小さなこと、これだけ価値観が揺さぶられる体験があっただろうかと思う。その中での原点回帰の渋谷公演だった。

何度も言うように、昔の自分にはShoyanの音楽との大事な想い出が在る場所だった。でも一時期個人的都合で行けずに悲しい思いもしていたので、今回は特別な思い入れで参加しました。

が、なんだろこのフツー感(*‘∀‘)♪
何の気負いもなく、綿あめみたいな柔らかいスイートな感触で終始ステージを楽しめました。

Shoyanが"普通"に戻った!!!
それが第一の印象です。
Shoyanが愛おしさの塊になっていました。去年、ドキドキして参加したかつしか小平ですが、もうそんな心配的なドキドキは不要だ!と確固たる愛おしさを得て帰ってきました。これからは私もフツーに目がハートのファンで邁進出来ます。

そんなわけで、以下忘備録。今回はすさまじい乱字で読めないメモが多いので(汗)、軽く書き留めて行く程度+個人的妄想で・・・と思います。

・・・・・




LINE CUBE SHIBUYAと言うだけあって、なんともキューブリックなそっけない外観とそっけないエントランスにちょっと物足りなさを感じ、知人や旧知と挨拶を交わすような社交的なエントランスロビーもなく、味気ない空間だと思いました。が、中のホールは天井がすごく高くて、明るくて、スッキリと清潔感のある作りでナカナカよかった。自分的には音がいいような気がして、Shoyanの声もギターもかなり楽しめました。

☆開演

例によって春名さんのオシャレSaxでイントロダクションなのだけど、何の曲をやるのかなとワクワクしていたらT'sTを抱えてShoyanが登場されたので「うおっ、一曲目コレ!?」とイキナリテンションMAXの『海風』。

声が伸びているーーー!!
いきなりいい調子!
まだ少しマイクの音小さいけど(これは後程良くなった)、万全の海風で風通しの良い幕開けとなった。

「コンサートが出来るように慮ってくれたスタッフに感謝の意と、みなさんと一緒に僕らも楽しみたいと思う」との意気込みのお言葉から始まりました。すでにギターを上に掲げてラストのような大盛り上がりでありました。

口をとがらせて「フーゥ」と一息つくShoyan、ご自身でもナカナカの手ごたえ?と思いました。薄いブルーにたくさんのスター模様の開襟シャツ、またシルバーのスター☆スルーネックレスをして、軽やかな大スターオーラ満開のShoyan登場!でした。

『なごり雪』
いつにもまして語るように諭すように歌う。久しぶりのMartinD-28な気がする。キラリと雪がとけた後の瞬きのような音がする。ヘッドのインレイが綺麗だな。長い旅をして戻ってきたような安堵の中でホロっと涙が出た。

『あの唄はもう唄わないのですか』
目を瞑って聴く。Shoyanはずっとダウンストロークで、淡々とそつなくしみじみと唄う。この歌は私個人としてはコンサートで聴くよりも、独りで部屋で聴きたい曲なのですが、この頻度はファンサービス的な感じがしないでもない。やはり人気があるのかな?

そのまま『雨の物語』
このあたりも、本当はそろそろ演目を変えて欲しかった。大好きな曲だけど聴きすぎている感じがあって、そろそろアレンジを変えるなどしてほしいなと思った。これもファンサービス的演目なのかな?(このあたりの"ファン"に自分は含まれないのかも?(^^;))好きな曲だから飽きたくない・・・というのが本音です。

と、ここまで怒涛の"伊勢正三的王道世界"で、メインディッシュ何皿分!という感じで盛り上がりました。

MC
「えー、改めましてイセショーゾーです」

「新しくなった渋谷公会堂は初めてです。十代の頃から何十回ここでやったかな」

「そんな中で50年もやってきて、これもひとえにボクがのんびり休みながら気ままにやってきたからで(笑)」

「ナンテ、応援してくれるみなさんがいてくれるから、心強い限りです」

「今までよく曲を書けたなァ」

というようなMCから、風ファーストアルバムと22才の別れのシングルの話に。

ヒットして1位になった後、「なんとかしなければ」と作ったのが『海岸通』とのことで、当時のステージでこの歌になると大久保くんがハモニカホルダーを首にセットして横にいたな、とそれを思い出しながら久しぶりに・・・と歌ってくれました。

おぉ~、私もまた聴きたかったですよShoyan!と喜ぶ。最近ナゼか妙に改めて好きな海岸通。高音を頑張るShoyanが愛おしすぎっ。このあたりから語尾にもニュアンスを絡めて丁寧な実験的なボーカルに聴こえました。岩井さんのアコギの合いの手がスッゴク良くて、細やかで艶のある音が素晴しかったです。

続けて『冬京』!
おお~~~~イントロからビリビリ来るぞ!微妙絶妙なチョーキングでしっかり音を捉え、間奏エンディングのソロフレーズも低いフレットから高音まで全部使い倒して、久しぶりのD-28と息もぴったりでした。最近かなりテンポが速くなってしまって(春名さんのリズムがか?)歌の部分はせわしない感じがしたけれど、全体とっても良かった。Shoyanも歌い終わって弾き終わって会心のほほえみに見えました。途中D-28のヘッドのインレイが紅く光って綺麗だった~(憬)。

更に『ペテン師』
Saxとエレキで盛り上がります~。Shoyanはちょっと声が遠いようなフニャっているような(?)印象もあったけれど、まとまってヨカッタ。ここでも岩井さんのエレキの刻みが効いていた。

この歌ということで故喜多條忠先生の話題が少し。氏がべるがでゲストに来てくれた時の『星空』のステージ映像がYouTubeチャンネルにあるので見てください、という告知。

「僕の中では割と新しい歌で」と『青い夏』
ここのところずっとサングラスのShoyanを寂しく思っていた私ですが、何故かこの時、歌っているShoyanの表情やまなざしがよく視えた気がして、、、それはライトのあたり具合のせいかもしれないけど、その渾身の間奏に「今、こころ通じた(涙)」なんて気持ちになりました。

あぁ、この歌を作った頃のShoyanを私は知っているんだ、この歌も私を知ってるんだ、ウレシイナ、という、イミフメイな妄想安堵がこみ上げてきて心全部預ける瞬間でした。

なんて浸っていたら『湘南夏』
( ゚▽゚)←自分はこんな感じw
Shoyanご自身は引き続き、ニマニマされて充実されているよう。間奏でもフレットを押さえる指がクルクルよく動いて4Capoの高い音が綺麗に聴こえる。眉毛もあがって好い表情をされている。客席に明るいスポットライトがあたって眩しかった。

♪しょうやんを聴いてる人た~ちの
 顔がとてもやさしい~

という演出だなと思った。

さて、ここで『夜汽車は南へ』!!!
私は今日初めて聴ける~~~~!ずっとライブで聴きたかった(涙)。ここでキタのが嬉しくて泣き落ちしました。ことさらに暖かく、とことんウォーミングなShoyanのパフォーマンスが堪りませんでした。やわらかい声で低く落ち着いた抱擁を感じました。岩井さんのエレキもしっかりと原曲の雰囲気以上にアクセントになっていました。

この日、待ち時間に外食もせず唯一出かけた先は某デパートの菓子店で、久々の渋谷のお土産はその菓子箱だったので、独りニマニマしました。(ナボナとかひよこ、ではないですが(笑))

やはり、遠ざかるほどキミは近づくのです。

「エ~・・・・夜汽車は南へという曲でした、ちょっとマニアックだったかな」と、歌い終わるとここで少し空気を変える感じが。

で「次の曲は一応、プロテストソングというか反戦歌という意識で・・・」と『それは遠い夏』を。

♪ワンツースリー、ワンツースリーの三拍子で岩井さんのイントロのギターが美しく煌めく。客席は半分くらいの人は「お?」という感じに見て取れた。しかし先日(数年前)の軽井沢で歌ったときよりさらに良くて、朗々と上を向いてテンポにノって歌い込んでいるお姿にグッと来た。ここでこの歌を持ってきて、今こんな風に丁寧に歌うShoyanのお気持ちが心地良く(しかしシリアスに)刺さってきた。

でも、「♪そんなもの抱えて飛ぶから」を語り掛けるように「でしょ?」と問われて「ですね」と答えたくなる。この今の時に、聴けてよかった。

※望まないまま最前線で当事者になってしまう、良心を切り刻まれて自分を失うしかない、そして現実を歪曲したがる逃避者。そんなことが改めて怒涛のように余韻となってくる。一週間たった今でも元のCD音源を聴きながら繰り返し考えている。

で、ここで『涙憶』に突入。
また長いのか~?と思いきや、小平の時よりさらに声がこなれてスゴク良くなっていて興味を惹かれる。声の端々に意志を感じる。ディレイ?リバーヴ?エコー?(詳しくないワタシ)よりも濃密な、いつも以上の"声の尾"が残って聴こえた。言葉以外の部分の充実が伝わってきた。「やっと、正やんが戻ってきた(涙)」と、メモに書いてある。そうね、Oneheart1sessionの涙憶も渋公だったね、と泣けてくる。

しかしそういえばアルペジオではなくて、ここでもギターはダウンストロークだったかも?

2につづく
※箇条書きでサラっと書くつもりが結局長文になりました(^^;)しかも一気に全部載せておきます(滝汗)。


☆伊勢正三50thAnniversalyLIVE
2021年12月4日(土) 16:30/17:30
ルネこだいら K列(11列)

※曲順・内容不確定です。ご容赦。


1、地平線の見える街
2、海岸通
3、あの唄はもう唄わないのですか
4、雨の物語
5、冬京
6、あいつ
7、星空
8、夜のFM
9、メガロポリスの錯覚
10、青い夏
 (青春、神田川)

11、夏純情
12、涙憶

☆お着換えタイム

13、冬の恋
14、小さな約束
15、ほんの短い夏
16、22才の別れ
17、月が射す夜
18、レミングの街
19、君と歩いた青春

☆アンコール

20、ペテン師
21、海風
22、ささやかなこの人生
23、なごり雪

2カ月連続でShoyanのコンサートを観に行くなんてそんなパラダイスなことは本当に久しぶりで、しかも前回のかつしかが最高の(自分的)復活劇だったがゆえに、本当に心の底から楽しい気持ちで小平に行くことが出来た(*´ω`)。コロナ禍で委縮しきった心の、束の間の解放になった。一週間たって今、本当に大切な宝物の時間であったと噛みしめている。

何年かぶりの友人にも会い、駅のそばの遊歩道から小さな公園を歩いてから会場入り。大きくてきれいなホールだった。Shoyanはなごみーずに続いて2回目の訪問だとおっしゃっていた。小平は静かでいい街でした。

壁際で通路側の席に着くと、勾配もかなりあって見通しがいい。フタケタ席だけど非常に見やすくてヨカッタ。最前列の一列が空席になっていた。感染予防で距離をとってあるのかな。

☆開演

Shoyanは裾に白い波LINEの入った紺色のマリンルック風味のジャケットに白パンツ白スニーカーで登場。でもこのジャケット、なんだか不思議な感じ。Shoyanの最近のコスチュームのコンセプトがナゾで面白い。"カッコイイ"だけじゃ飽き足らず"斜め上"を狙ってる感(笑)があってハハーンと思う。

『地平線の見える街』
もうしょっぱなから調子出ていて声に張りもあるし、軽やかなストロークもキラキラしてるし、これは葛飾よりさらに好いジャン!て自分も身を乗り出す。2番からはすでにリラックスのShoyan。余裕あるジャン!と安堵で手拍子していました。

『海岸通』
お、これは前回なかったですね、と嬉しい。
スローにしみじみと、気持ちをそこに置くように歌うお姿に涙。歌の高音も伸びて岩井さんの合いの手のギターが艶っぽく絡むので、非常に心地良かった。Shoyanは間奏で珍しく下を向いて手元をしっかり確認しながら弾いていた。そんなリアクションに真心感じて嬉しい。♪やさしい腕の中で~、が久しぶりにファルセットになった気がしてキュンとした。妹のような気持ちで聴けましたよ(涙)。

☆MC

「コロナ禍の中でここまで聴きに駆けつけてくれるみなさんに、本当にありがとうの気持ちを」

「まさか自分がこんな歳までギターを弾いて歌を歌っているとは思わなかった。ミュージシャンとして音楽を出来る幸せ、平和を感じています」

「どうしても(長い)キャリアの中で昔の歌が多くなるけれど、今は時が一回回ってみると螺旋階段の下から昔の歌や自分に教えられることがあります」

「みなさんのあたたかな思い出に触れられるように♪」

と、校長先生の優しい講話のようなトークでした。

『あの唄はもう唄わないのですか』
声が太く出て、これもまたスローに、囁くように歌う。数年前から「Shoyanにはこれから"囁き歌い"にチャンレンジして欲しいナ」と思っていたので、だんだんそんなニュアンスになってきて嬉しい。岩井さんのエレキも哭く。途中でなんだか花の香りがしたような、匂うようなステージだった。やや声がかすれたりするのはやはり季節の乾燥のせいかな?今日は頻繁に水を飲んで喉ケアをされているようでした。水分大事!

『雨の物語』
すぐにShoyan自らカポを移動させて始まる。またまたしみじみヴォーカルで妙に浸り込んでしまう。身体全体で屈んで歌を包むように大切に歌うShoyan。ギター・ヴォーカル共に音も安定していて、エンディングソロまで何気なくパワフルで、最後の一音を1フレットまで戻して納める丁寧さにグッと来た。終始名曲然としていてとても良かった。

☆MC
小平という街って東京のどの辺にある?という話から、大平とか中平はないよね、とか自分で「つまんないハナシしてしまいました(汗」みたいなことをおっしゃっていました(笑)。昔お住まいだった高円寺や中央快速の赤いボディの車両の話などをなさって「この時代を思い出しながら・・・」

と、
『冬京』
MartinD45のボディがピカっと何度もスポットライトを反射する。眩しい。この角度の席の醍醐味。春名さんのパーカッションもカラカラっとして、演奏全体が軽さを帯びてきた。しかも気合はどんどん濃くなっている。すごくいい。都心から少し離れたこの街で聴くのも凄く良い。初冬の空気が切なくてShoyanの時代と自分の時代の差は感じられなかったので嬉しく想う。 ギターを弾き過ぎるくらいのShoyan、後半のダウンストロークの刻みは自然体で、アドリブソロはフレットの極みの極みまで好い音が出ていた。直立不動で弾いていたShoyan、今日はどの曲もいい加減な音が一切なかった。確実にパワーリターン&アップしたんだなと、今日の一文字は「確」だと思った。確定確実正確確信を確認!満足の『冬京』でした。

このまま続いて

『あいつ』
岩井さんのイントロが瑞々しい。春の根雪をそっと踏むように低い足取り。そして艶のある高音。 ♪ただそれだけの話じゃないか、を説くように歌う。昔からのファンは泣けたんじゃないかな、と思うようなしみじみと温かい"風ライク"なステージだった。

※この時少し、直前に逝去の報があった喜多條先生のことを想う。神田川の映画のことを思い出したようだ。
※※私は喜多條忠氏のことを勝手に先生と呼ばせていただいております。

D45のネックのインレイが遠目にも虹色に光って綺麗で、青緑の遊色が綺麗だった。この席の角度、ホントに良い(*´ω`)。

そのまま
『星空』
そうだね、今日はそうだね、、、と泣きそうになる。
♪彼の写真入れてた~が優しい・・・、背景には紺のバックに星の電飾が下がってとってもきれいだった。 歌い終わって深く頭を下げたままでしばらくいたShoyan、何を想われていただろう。

☆MC
ここで喜多條先生のこと少し。
当時、喜多條先生の詩集をパラパラ見ていて、勝手に曲をつけてしまったけど喜んでくれてそのまま歌になったエピソードなど。
喜多條さんの書く詩や言葉には最初からメロディーがついちゃってたのかなと思う、というようなことをおっしゃっていました。同感です。

ここで50周年記念の二種類のアルバムの説明。

そしてその流れで
『夜のFM』
ノリノリのストロークで盛り上がる。細井さんのブラスシンセがメリハリ効いて良い感じで切り込む。そしてリベンジ叶うかと思いきや、なんともまた同じ箇所で歌詞が取り違えられ、また新たに抜け落ちた箇所もありで、このShoyanの入れ込み過ぎ事案にドッと汗が出そうになったのだが・・・・・今回はナゼかだんだん気にならなくなってくるという方向に持っていけた(笑)。イキオイがあるし、ご本人は楽しそうで、♪細い肩~なんて、吐息吹きかけるように囁くご様子に色っぽさまで感じてナカナカの『夜のFM』でした。アレンジが色々というのもムツカシイものなのか、、、歌詞のシート、今一度大きくプリントし直して臨んで欲しいと再度思うのでした。

さて、ご自分で後ろの椅子を引き寄せ座りながら「ほとんどボクは別れる歌が多いのですが・・・さよならさよならって歌っとけばいいのでしょうけど」と、変な自虐?を入交ぜ「でも"プロテストソング"なんかも発信しなくちゃと思う時もあって」と「自分でこんな歌を歌っていたのだと驚きました」と

『メガロポリスの錯覚』
うおー、今日もまた聴ける!!と歓喜な私。
そしてまたこまめなチューニングにニヤリ。またまたMartinD45、2カポですよ!あ~~~~カッコイイイ、髪の毛はねてない、頬のヒゲがセクシー!と興奮していました。あの日もね、このマーチンとね、やっぱりまだサングラスでね、一生懸命歌ってくれていたな、、、って、メビウスの螺旋階段を想っていました。Shoyanが体を揺らしてノッている、前後左右に時を揺する、聴き手の胸の中も揺すられる。この時の私は無心の境地でありました。

今日は背景の歌詞字幕もなく、パーカッションとエレキのじんわりフォローの中でShoyanはクッキリと浮き彫りになるくらいさらにパワーアップして見えました。ホントにヨカッタ、生きててヨカッタ(涙)。

☆MC
「今度はガラリと変わって・・・」と喜多條先生に褒められたエピソード。

『青い夏』
岬の先まで草の中をゆっくり歩いていくような余裕。歌う右の頬にエクボ?最近で一番カッコイイよShoyan、、、と泣きそうになる。ずっと見つめているだけの自分がせつなく、ちょっと傍観者気分で聴いていた。ここでもしみじみと終わった。客席からはとてもあたたかい大きな拍手が起こっていい雰囲気だった。

※この辺でお手洗いに立つ人が数人出てくる。目の前の暗闇の階段をかなりのご年配の男性(杖が必要と思われる)が何度も往復されていた。見えづらいわけでもないし視覚的には気にならなかったのだが、危なっかしくて気になった。他にもやはり同じ女性が何度か、ということもあり、これはこれからのコンサートは途中休憩が必要じゃないかなと思った。もちろん自分もソロソロおぼつかない。生理現象は切実なので、演奏曲が2.3曲減ってしまっても、途中休憩をスッパリ入れた方がいいのでは?と思いました。というか、切に望みます(^^;)。

ここで立ったShoyan。19歳でデビューしてからのことを少し。かぐや姫では作詞を北山修氏に依頼しようとして断られ、Shoyanが書くことになったエピソードを。

ここで『青春』を少し歌う。嬉しかった。会場からも大きな拍手。
この歌、「非常に勝手で非常に語彙に乏しい十代の詩ですね(汗)」みたいなことをご自分でおっしゃっていてクスリとした。

このあと、♪シャ~ララも一節(笑)、そしてかつしかで好評だったという『神田川』を少し長めに歌って「ここまで一人で歌ったの初めてです」なんておっしゃっていた。サービス精神旺盛なShoyanでした。

まさかそれから50年も…と言いながらここから3曲、アルバム『Re-born』からあえて新譜を・・・と「こういう曲が出来るのも中学生くらいの頃のことがあってかな」と

『夏純情』
上下揺れてストロークの姿がカッコよく、少しハウリながらもイイ感じで進んでいたのだけど、やはり途中でフレーズが抜けたりあやふやな箇所が。 やはりこういう疾走感のある曲は心がはやるのかな、もう少しウォーミングアップが必要なのかなと、気長に次を待つことにしよ、と思った。でも本当に今回のライブは最初から最後までShoyanの気概や真心がとても強く感じられたので、言葉ではないんだ・と再確認出来ました。

『涙憶』
なんとなくフワフワしたまま続いてギターのアルペジオはまたやや息切れ?かな。また長い歌にドキドキするのだけど、そこは万全だった。

途中のお着換えタイムもサラっとこなして再登場。でも客席はちょっとたる~んとなった感じを受けた。Shoyanは模様入りの黄色い半袖シャツになって出てこられたが、、、なんだか季節感が違う。夏のようなコスチュームでした。

☆メンバー紹介。
細井さんが「小平は綺麗な散歩道があります」とおっしゃっていた。先程私と友人で歩いた道のことらしいので嬉しかった。

「カンペキに新曲です」と
『冬の恋』
parallelのようにとてもゆっくりしたテンポでイイ感じ。ホールの前の硬い歩道と影の長い並木を想って聴いた。♪逢いたくて、を低く語る。この語り歌いが私は大好きだ。もっともっと語ってくれればいいのにと想っていた。

『小さな約束』
イヤモニが外れたり詞のファイルをめくって確認したり、ちょっと緊張感が。がしかし、これもスムースに進み、途中の♪君をつたう滴になる、で右手を伸ばして空に掲げるジェスチャーがキュンとした。萌えました(*´ω`)。

ただ、なんとなく、終わった後の客席の柔らかな拍手の感触で、この歌は聴き手を選ぶのかもしれないと思ったりした。ピンと来ない人もいるのかもしれない。私にはグサグサくるのに・・・

さて、リズムボックスで始まる
『ほんの短い夏』
ギターを下げてはいるけれど、ほとんどスタンドマイクを抱えて歌うShoyan。ここではその黄色い半袖のシャツが良い感じに映える。細井さんのコーラスが綺麗に絡む。ギターは途中で思い出したように軽くストロークするだけで終始マイクを抱えていた。何かを抱きしめながら歌いたいお気持ちなのかな、と思った。地下鉄のある都心ではなく、東京の郊外で聴いてもとてもいいなと思いながら自分も満ち足りて、ラスト近くのシャキシャキした刻みストロークにShoyanの確信を感じたのありました。

歌い終わって直立・礼!の静謐な充足感でした。

『22才の別れ』
イントロはShoyan。チューニングの際に細井さんがエレピで音をフォローしてあげていてほのぼのであった。Shoyanの髪の毛がポヤっと立ってきた。好い時のシルシだ。ライトの色の加減か全白髪みたいに見えてちょっと不思議なルックスだった。(本当は濃いグレーでまとまっていた)仙人の時間だったのかもしれない。

エンドのソロもたゆみなく、万全の『22才の別れ』でした。(自分の中に母心を見る(謎)。

ここで、あれ、なごり雪まだじゃん?と気付く。

『月が射す夜』
ネックを上から押さえてテケテケが始まる。
これっていつも上から押さえていたかな?日によって違うのかな?などと思ったり、Shoyanは足を開いてしっかりと立つ。そしてニコニコして歌う。ストロークは激しくジャキジャキしてスゴクイイ。そのMartinのグリグリとした押しと岩井さんのエレキで聴く方も体温が上がる。生で観るステージは良いなぁ・・・と強く強く実感するひとときでした。

ここでやっとT'sTの出番。
『レミングの街』
ここで一瞬席が揺れたような気がした。実はこの前日、隣県で震度5弱の地震がありちょっと過敏になっていた。錯覚だったのだが、でも実際物理的に自分には揺れを感じるほどの気持ちの昂ぶりがあった。曲中、間奏のサックスの音に合わせてShoyanは中腰になりひたむきなストローク。下に向かって、地に向かって、足元に何かを刻み込んでいくような確実なストロークに激しく感激していた。

最後に飛び跳ねて・・・?曲が終わった。

熱い吐息のままのMCは

「小平に来られて良かったです」

「日々色々なことがありますが、自分の出来ること、想うこと、自分の幸せのこと、人にやさしく、一歩づつ前へ進んでいけたらと思います。今日はどうもありがとう」

とおっしゃっていた。
"自分の幸せ"とおっしゃっていたのが印象的だった。

『君と歩いた青春』
エレキのイントロに乗っかるアコギのイントロダクション、語尾まで気持ちの詰まった熱いヴォーカル、音の残りが良く残響が美しいホールにピッタリで、久々に音が視えた気がした。2番からは歌詞を噛みしめ、強く語りながら歌う、客席の胸の中とShoyanの胸の中、的確な思いのやり取りができたのではないかと思う。非常に感動的なステージだった。最後は天を仰ぐShoyanの"やり切った感"が嬉しく、自分も"聴ききった感"にどっぷり浸っていた。とてもいいステージを続けて観ることが出来て本当に幸せでした(涙)。

Shoyanはそのまま深々をお辞儀をして、少し猫背気味に袖に帰られていきました。


☆アンコール

っとすぐに再登場。
「喜多條忠さんは決してペテン師ではありませんでした」なんて、茶目っ気な一言を添えて

『ペテン師』
この歌を聴くたびに何が正解なのかなといつも思う。他者に本心を見せぬこと?自らの本心を偽ること?大切なのは他者在りての自分なのか、自分のための自分なのか、"ひとりぽっちの幸せ"のあやふやさをいつも思う。とても示唆に富んだ魅力的な歌だ。若き日のShoyanがこの喜多條忠氏やギターの石川鷹彦氏という先達の横にいて、そこから学ばれたこと・取り入れられたことはとても多かったのではないかと思う。言葉や音の同じ道を感じるのだ。そういった感性のlaladoxってあるよね、と氏亡き後に改めて思い締めたのであった。終盤なのに楽しそうなShoyanと細井さんのハモンド色や岩井さんのベースでご機嫌な演奏であった。

「今、気持ちはクボヤンと一緒にロサンゼルスにいます!」と
『海風』
そんなお言葉を聞けば泣けてくる。会場は最高潮の盛り上がりなのだが、ここでフッとクボヤンのことをおっしゃったのでグッと来た。後ろを振り返り、バンドの方を向いてイントロをはじきだす。ハイコードのストロークをいとも軽やかに刻むShoyanが本当に素敵だ。膝のバネで弾くのよ海風のストローク!弦が弾かれて指板にぶつかるあの音が心臓に響く、あぁライブの音はいいなぁとメチャ楽しい気持ちで手を叩いていました。

"あの日の夢、とてもきれいな夢"は、今になれば=風の時代そのものでもある。でもそれは今、今日この日この時も吹いている。ただ懐かしいだけのノスタルジーでもなく、失われたセンチメンタルでもない、あの頃も今も、そしてきっと明日も吹いている"海風"、それこそまさに伊勢正三の音楽そのものだ!と、今年は改めて想う。きっとおそらく50年後にこの歌を聴く未来の伊勢正三ファンもそう想うでしょう。『海風』はそういう"ロマンチック"な歌なのだ!と独りで興奮していた。

途中で入る細井さんの刻んだシンセのオカズが良くて、メンバー紹介時のなんだかサイケな細井さんもとても良かった。今日は細井さんの音がとてもヨカッタです。

歌い終わって最後に天に指さし、「クボヤーーン!!」と叫ばれていました。

『ささやかなこの人生』
万雷の拍手の中、会場を見回し「二階席の人もアリガトー!」なんて、細やかな意識のShoyanがステキ。今日は二階席の奥にやっとの思いで参加出来た友人が座っていたので、私まで嬉しくなった。ほぼ完売だったはずです。

そして「それでは呼吸を整えて♪」とお水を飲んで、、、

イキナリ♪汽車を待つ君の~と
『なごり雪』
良いよ、良いよ、、と半泣きでメモがとってある。この最後の最後に『なごり雪』はとても嬉しかった。楽しいのにさびしそうになる、そんなライブの終わりのなごり雪。小平の街にも合っていたし、70年代を少し感じる小さな駅と駅前の感じ、このホール。今日のライブのまとめにピッタリの大団円だった。Shoyanの声もよく出ているし、かつしかよりずっとパワフルになった~♪と書いてある。入れ込み過ぎて天にシャープしそうなヴォーカルもたまらず、D45のソロフレーズの音も老成の50年の円熟を感じる。こんな豊かで確かで純粋な愛の気持ちになったのってどれくらいぶりだろう、とホントにホントに泣けてきた。心の底から「正やん、今日も歌っていてくれてアリガトウ」とギュッとした気持ちで手を叩いた。

バンドメンバーみなさんとShoyan前へ。更なる万雷の拍手。そして長いお辞儀でコンサートは終わった。本当に会場とステージが一体になって感動的な終演でした。充足感マックスの今年の"伊勢納め"となりました。

・・・
いつも細かいことをアダコダと思ったり書き残したりする自分ですが、本当は今回は何も書かなくてもいいと思うほど自分が聴きたかったライブでした。かつしかと今回と続けて参加してみて、Shoyanが発するものと聴き手の欲しいものが確かに一致したと思えました。コロナ禍で忘れてしまった深い安堵・が得られたので、また次に繋げていけると確信できました。

次の予定が何もないので、しばらくはこの2つのコンサートのことを想い返し読み返ししながら過ごそうと思います。あぁ、早く次の正やんに逢いたいよー!!!

と、叫んで終わりにしたいと思います。

小平回おしまい☆

・・・
※書くのを迷ったけど・・・追記

終演後明るくなった客席から、「お手を拝借!~締め!三三七拍子!」みたいなことを叫んで客席に手拍子を促していた方がいました。私は個人的にはどうなのそれ?とチョット引きました。きっと毎回いらっしゃる熱心な同じ方だと思うのですが、コンサートのMCの合間にも「イセサーン、イセサーン」と掛け声をかけたりしていました。Shoyanは聞こえないふりをしていたようですが、まだこの状況で発声はよしたほうがいいのでは?と思いました。会場スタッフさん達はみんなマスクにフェイスガードで、順番退出を促したり感染予防対策をしてマイクで案内のアナウンスをしている最中なのに、こういったファンの勝手な行為はアーチストの顔に泥を塗りかねないことになるのでは?と感じました。最後の最後に残念な気持ちになったので書いておきます。

もし当該の方がここをお読みいただくことがありましたら、他の賛同できない一観客の正直な気持ちということでご参考にしていただけたらと思います。
・・・

Shoyanは椅子にまた座ってMartinを抱えると
「色々と思い出を話そうと思ってたけど・・・」
とクボヤンの話題に。
「いい人でした・・・クボヤンの曲、みんなで聴きましょう」
『古都』のオリジナルの音源が流れ始めた。

背景のスクリーンに風の当時の写真が大きく映し出される。そのレコードのオリジナル音源と共にバンドもShoyanも演奏しながら歌っていく。何枚も、何枚も、二人の色々な時期の写真がスライドショーになる。まるで恋人同士のようなショットばかりで泣ける。こんな私でも泣ける、切ない演出でした。とても良かったです。

ラストはべるがで撮影されたクボヤンの笑顔だったのが余計に心に残りました。心に残る非常にいい時間でした。

「なんていうか・・・・・・・・・・」 
と長い無言のあと、
「風というグループをよくやれたな、と」
と。

久保やんとShoyanのお母上が同じ学校出身で縁があったというエピソードと、出会うべくして出会ったんだ、というお話をされていました。

今回、風の曲が配信でも聴けるようになったということで、今はそういう時勢なのにCDなんか売っちゃって悪いなぁ、みたいなこともおっしゃっていました。「CD購入してネ」とまとまりのない謎トークでした(笑)。で、急に「あ~・・・・・ヨカッタ」と嘆息されて、これまた謎なリアクションでした。
「なぜか知らないけどね、大久保くんてタコが好きでね、いつもタコを食べながらビール飲んでた」

と、また思いついたことを話しだし、

「今考えたらすごいプリン体だよね、、それがよくなかったのかなぁ」

なんて、不思議な空気感のトークをするShoyanでした。

そして万感の『22才の別れ』
これはとても可愛く、ごく普通に、素直に、正確に、1capoだけどむしろレコードの音源のように青くフレッシュな22才の別れでした。ここでも岩井さんの滑らかなリードギターが自然で、石川御大の音を踏襲されていました。聴いていて大満足でした。

ギターを抱えて立ち上がり、ブラックジーンズの裾をなおして飛び跳ねるShoyan。ほぐれたぞ~という感じで左右に身体をゆすり、気合をチャージ。『月が射す夜』のテケテケが始まりました! 
※クロマチック・ラン奏法というのですね。今頃ググッてみました。

この頃からこれがいつものShoyanだ!と大安心の中で自分もノってくる。この曲もいつも大事な曲なのですが、先ほどのお母さまとお月さまのお誕生日エピソードを聞いた後ではもっと大切な想いで聴くようになりました。

と、一生懸命席で手拍子をしていたら、後ろの方から変な拍子で叩いている人がいるらしく気になる(笑)。ずっとささやか手拍子(パン、パパン)をなさっていまして、アリなのか?と確認してみたりした(笑)。

さてさて、ここでやっと?おそらく今日初お目見えのT'sTがキタコレ!で『レミングの街』。おお~!背骨の通った太い演奏にノッて春名さんがサックスで持っていくなぁ、オリジナルだ、さすがだな~と興奮してくる。
Shoyanは、やや強い語気で♪幸福はなぜ先を急ぐのか!!と歌う。まさに今が聴き時、この曲が生まれたのは1993年、伊勢正三のキャリアのど真ん中で生まれた歌だ。これを経由して50周年の今を迎え、70歳の今日を迎えたShoyanの凄さを改めて痛感したのだった。

左右に揺れて万全のストローク。黒いジーンズが細くてめっちゃ"カッチョイイ"よ正やん!( ;∀;)と、泣きながら震えていた。遠くて肉眼では表情も見えないけど、それでも凄くカッコ良くて、憧れの人が戻ってきた・と泣いていた。

歌い終わって熱い吐息のまま、
「今日はホントに、、僕にとっては人生で一度しかない日で、、、って、あ、毎日が一度しかないか(笑)!」と、照れ笑いのShoyanでした。
「そんなに大騒ぎして欲しくないと思いつつも、なんか、、スゴク、、嬉しかったです」と素直な気持ちを述べてくれました。
「このままコロナが収束して、本当にみんなにも楽しい日が訪れますように、、、今日はホントにありがとうございました」

・・・と『君と歩いた青春』

もう、この時不安はなかった。
うんうん、と頷きながら思い入れの強い歌声を聴いていた。
よかった、本当によかった、と頷きながら、はたから見たら変なオバサンになっていた。でもShoyanの歌はツヤツヤしているし、客席に向けて何かを促すように正確に届けてくれる。途中、岩井さんのエレキが好いオカズを入れてくれる。だんだん自分も息が荒くなる、胸いっぱい。Shoyanのギターソロは今日一番良かった。あぁShoyan、整ったんだ、って感動していた。

きれいな夕焼雲を・・・のところでやはりべるがの空を想う。クボヤンとのあのステージを想ってまた違う涙だった。

大きな、大きな安堵と、小さな美しい切なさの中にどっぷり浸っておりました。

Shoyanは袖に帰り、バンドメンバーも撤収されて客席一同の拍手の中、自分も手を叩きながら号泣しそうでした。わああああって声を出して泣きそうでした。必死に堪えました。氷河が溶けて大洪水が起きていました。
・・・

☆アンコール

再び登場したバックのミュージシャンの皆さんが本当に良い笑顔で、きっと何か私たち客席と同じような開放と安堵をお感じになっているのでは?と思った。

ギブソンを抱えたShoyanにはチカラが漲っている。明らかにみなぎっている。

「元気でいようね」と、『俺たちの詩』

ここまで来てなお、余力がありそうなご様子に萌える。今日のパフォーマンスには【実】がみなぎっている。現実真実実力誠実実りの季節!
一言一句、語尾のビブラートも、歌い出しのタメも、隅々まで意識を込めたShoyanからのメッセージを感じまくりました。

1971年始まりの"青春"から、時間の先にある"青春"へ、永遠の春を繋ぎ辿ってゆく伊勢正三の旅の音でした。

岩井さんのエレキギターひと鳴きもバッチリ決まって、演者聴衆双方のキモチがピッタリ合った瞬間でした。

「~としても」で終わるところが、どこか『終りのない唄』に共通するものを感じるのかもしれません。

後ろに置いてある水をグビグビっと飲み干して、再びのT'sTに持ち替えると祇園精舎の鐘の声、、、琵琶の音色のように『海風』のイントロ!

うわっと声が出そうに良いっ(><)!たまらん!楽しそうに満ちているShoyanが眩しい!これを待っていた、これを信じていたよShoyan!と、自分も紅潮。客席総立ちで声は出さずに熱い熱い拍手でキモチ届けていた。ほんに素晴らしい瞬間だった。
(ここで自分は密かに考えていたある楽器にチャレンジすることを決意(笑)←余談)

しかしここでも細井さんの顔芸になんか違うノリを感じる。
もうこういうテンションじゃないんじゃないかな~・・・と、個人的には感じるのでした。これがイイ・待ってました!と支持されている方々も沢山いらっしゃるだろうし、熱演されているのに勝手な感想ゴメンナサイ(汗)。

つづく『ささやかなこの人生』でもみんな立って楽しそうに、本当に楽しそうに手拍子をしていた。客席も輝いていた。昨年のバースディライブ以降、コロナの感染状況の合間を縫って何か所かでコンサートは開催されていたけれど、こんな風に楽しかったのかな?もっと沢山のShoyanに逢いたかったけど、何度も何度も泣いて我慢して辛かった日々、心配だった日々。でも私にとっては再会が今日で良かったのだと思いたい。Shoyanの軽やかで確かなストロークに心預けていた。

♪Fnn~、Haa~、ルル~ララ~・・・・とハミングが聴こえ、またこのハミングが天使の声に聴こえた(涙)。ギブソンのハモニクスひとつ残して、『そんな暮らしの中で』のイントロが始まった。いいじゃん!

今日、この曲聴きたかったですよShoyan、とまた泣ける。「科学の街トーキョー」の件、もっと教えて欲しいことがある。この2年近く、ずっとトゲトゲした心で過ごしてきたけれど、なんだかこのコンサートからまた平らな気持ちで歌を聴けるようになると確認できて嬉しかった。

途中、音の少しの揺らめきやパラレルがあったとしても、今日は最後まで歌う声に魂入ってた!!

「魂!それが一番大事!」と、メモが終わっている。

・・・

・・・・・

今これを打ちながら胸や目が熱い、この最後の『そんな暮らしの中で』を想って涙が出る。というか、声を出して泣いてしまった。現地でも我慢して、運転中も我慢して、全部書くまで我慢して、今やっとボロ泣きです。解放されました・・・

ある意味、今回のライブは異色だった。
歌う方のShoyanご自身はどう思っていらっしゃったかは、本当のところはわからない。全編とても自然にプレイされていた。けれど、今回は歌う方も聴く方もどちらも根底にはフリークライミングをしているようなジワジワとした覚悟があったように思う。

前回の異次元のショックを体験してしまったあと、私は這いつくばってよじ登ってへばりついて一年過ごしてきたのですが、今は登り切って上のテラスに一輪の高山植物が咲いていたような、、ほんにそんな美しい気持ちでいます。あれを体験したからこそ、今見える景色があると思うし、あの日があったからこそ今日のShoyanのパワーアップした「真剣」が産まれた気がしています。

歌い終わって万雷の拍手の中、ステージの前に立たれたShoyanは、眩しいライトを浴びてサングラスに両手をかざしてホールの隅々まで長いこと見回してくれていた。大切な「何か」が見えたのかな・・・

60歳還暦の時のステージとは明らかに違うものがあった。
Re-bornの曲たちが加わって、それがまた今とても大事な存在で、それと同時進行で過去50年の沢山の曲たちも新陳代謝を繰り返している。それが本当に嬉しかったです。
生きている歌を歌っていた!そんな今のShoyanに逢えて本当に幸せでした。

長い独り言、これにて終わります。

無事に開催されて、無事に歌われて、無事に行って帰ってこれたこと、今の正やんと自分の家族に感謝の気持ちとして記しておきまする。

夢中で行って帰ってきてしまった。
コインパーキングから振り向いてみた東京の夜は明るい。
☆今回久しぶりの長距離ドライブに際して買った懐かしの純露!この感想を書きながらも脳の糖分補給で愛用していたら・・・裏に『50thAnniversary』ってプリントされていましたっ。ブレないよね(*´ω`)純露も大好きです。なおさら秋・純露~♪


おしまい☆

プロフィール

HN:
No Name 七氏−1.0
性別:
女性
職業:
飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
趣味:
林道歩き・鉱物鑑賞
自己紹介:
伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

☆提供曲などに関してべいどん氏のご協力をいただきました。心から深謝いたします。ありがとう!

☆ミラーサイト(予備)
http://shoyanlove774.jugem.jp/
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