Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。

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50thAnniversary伊勢正三LIVE2023
2023年4月15日(土) 埼玉会館
OPEN16:30 START17:00

1.時の流れ
2.なごり雪
3.あの唄はもう唄わないのですか
4.雨の物語
5.冬京
6.海岸通
7.星空
8.あいつ
9.ペテン師
10.湘南夏
11.青い夏
12.ほんの短い夏 
13.22才の別れ
14.涙憶
15.夏純情 
16.風の日の少年
17.冬の恋
18.moonlight
19.通り雨
20.君と歩いた青春
~アンコール~
21.ささやかなこの人生
22.海風
23.なごり雪(再)
~再アンコール~
24.俺たちの詩

※ライブの後、興奮のあまり勢いで書いた前書き『その零』があります。
☆再生の星~伊勢正三LIVE2023@埼玉その零 
内容がダブりますが、併せて"ふたつでひとつ"の感想として置いておきます。




この日は「ナゼこの日だけ!?」というほどピンポイントで一日中の土砂降り模様だった。さすが正やん、雨男過ぎる!とチョット嬉しく(笑)幸せに肩を濡らして行ってきました。

埼玉県、しかも浦和と言うと普段行き慣れた場所ではなく、かつしかに行くくらいのチャレンジだったのだけど、ここ数回の高速運転やスマホのナビの使い方もだいぶ慣れてきたので行き帰りもスムースで無事に行ってこられました。

と、そんな自分の行動はさておき、先の『その零』でも書きましたが、当日はもう具体的なことは全部通り越して、大きな大きなShoyanの熱にひたすら身を任すことに終始していました。実は今回、自分ファン歴史上初めての一番近い前の席で、メモに目を落としている場合では在りませんでした。目の前のShoyanから一秒たりとも目を離しちゃイカン!て感じだったので、ロクなメモをとっておりませぬ(汗)。なので今回はいつにもまして演奏やMCの内容など不確かでほんの一部だけです、ご容赦ください。

☆開演

春名さんの渋いサックスで幕が上がる。
緞帳の枝垂れ桜とオシドリの刺繍が凄く綺麗で見とれてしまった。埼玉会館のレトロな雰囲気と落ち着いた造りが素晴らしく、とても豊かな時間が始まった。

MartinのD45を抱えたShoyanは登場するとギターソロで絡んでくる。
『時の流れ』から始まった。この時点でもうすでにギターの音が良い、120%の音が出ている。歌い始めれば声の伸びもいいし艶っぽい。♪とても~ぅ、さみしかったり の部分など音程以外のところにも気が満ちていて、ともかく初っ端から確実な音捉えで圧倒された。Shoyanご自身も歌いながら途中でニッコリされたりして、余裕があって素敵☆ ギター高音フレットの音が凄く良く出ていて、細部までチカラが漲っていた。

(この歌に関して、今日は特に意味深く思ったことがあったので最後にまた書いておきます)

続く『なごり雪』でも間奏ギターのスライドも滑らかに、岩井さんのサポートが重くずっしりとしていて地に根を張った感じ。ご自身すでに手ごたえを感じておられるような満悦の表情で、♪今、春が来て・・・にメッチャ気持ちが籠っている。すでに、すでにコンサートがラストのような充足感だった。すごかったです。ここで私、既に滂沱の涙。

MCでは

・こんな足元の悪い中をボクのために時間を作ってくれて足を運んでくれてありがとう。

・このホールの緞帳には綺麗な桜がありましたが、外はすっかり花びらが散ってしまって、、本当はこれから紫外線が多くなる季節になる中、葉桜には感謝しなきゃいけないのにネ(笑)、歌(ささやかなこの人生)を作った当時はうがった見方しか出来なかった、、、。

・今日は新しく出発し直すキモチで来ました。

というようなことをおっしゃっていました。
私はここで個人的に色々想いました。私も花びらの散った後の桜が好きで、葉陰の赤い宝石のような実も、秋の紅葉も大好きなので、Shoyanがそのことに言及してくれてとても嬉しかったです。
また、「新しく出発し直すキモチ」というフレーズが心に残りました。

カポ3で『あの唄はもう唄わないのですか』。
ギターはYAMAHA-LLカスタム。落ち着いたダウンストロークで弦がキラッキラしている。この歌はホントに私には時代そのもの・今聴いても70年代の塊みたいな歌という認識なのだ。ライブ音源『THE伊勢正三』の中では一番新しい録音の~とShoyanご自身はよく仰るけれど、「今」とは全くリンクしない標本ケースの中身のような歌としていつも聴いてしまう。よく考えたらここ最近のライブはそもそも"50thAnniversary"なので、こういったラインナップなのが当然なのだと思いながら、今回もドップリと幼い思い出の70年代中ごろの空気を眺めていた。

このあと『雨の物語』。
だがしかし、私はここでShoyanスケッチを始める。超有名曲なのに、歌よりも観ることに集中してみる。こんな間近でShoyanを見ながら描く機会もう絶対にないっ!!と。贅沢な反逆チャレンジをしてみました。(歌を聴きなさい自分(笑))

そして次の『冬京』に移る際、譜面立ての楽譜をめくるために前に屈んだShoyanのシャツの胸元の奥が見えてしまい、その胸チラで目からの刺激がMAXになり、人事不省に陥ったところで仁王立ちのハモニクスで始まった演奏とキリっとしたボーカルに打ちのめされて、もはや私は完全に地面にめり込んだのでした。本当にこの『冬京』は覇王のステージでした。

いつものギブソンJ50もいいけれど、やはりパワフルなMartinでShoyanのギターソロを聴けたのは至福でした。今のStrongなShoyanにピッタリだと思いました。右足のつま先で拍子をとりながら軽やかに弾くShoyan、どこまでも連れて行ってくれるアドリブのフレーズに全部の魂預けた瞬間でした。

※後ろの席から観ていた友人は「七氏!お気を確かに、お気を確かに~~」と心配してくれていてたそうです(笑)。

MCでは

・さっきから埼玉にきてわざわざ「トーキョー、トーキョー」って歌っていますが(笑)近いですよね♪でも前回来た時は調子こいてRe-bornから全曲やってしまって、誰も知らない曲をやってしまって反省してます。お詫びします。

なんて、ヘンなことをおっしゃるShoyanでした。

イヤホント、これ変なコメントです(惑)。
歌を聴きに来た客席に向かって「歌ってゴメンナサイ」って謎ですShoyan。「ご存じない曲もあるかもですが、よかったら聴いてみて下さい」的なコメントでいいのではないでしょうか・・・(と、エラソーに言う自分(笑)^^;)

でも、続けて
・でも、またたくさん来てくれて、自分もまた頑張らなきゃ、頑張るつもりです。

とおっしゃってくれたので、これからもずっとずっと欲していますよShoyan(涙)。

「そーですかー」と?のひとことををおっしゃってから♪

「ちょっと難しい歌に戻して、、懐かしい歌を・・・」と『海岸通』。
その流れでか、ボーカルもバックの演奏も思い入れが深すぎるような絡みつくようなニュアンスが少々。高音で少し引っかかることもあり、でも口の動きのテクニックでクリアしていくShoyanの一生懸命さが素敵だった。このあとに続く『星空』でもそうだったけど、このあたりの岩井さんのたゆみのないバックのギターが凄く良かった。この丁寧な素地があるから余計にShoyanのパフォーマンスも厚みを増して安定していく、素晴らしき相乗効果だった。

『あいつ』は今回個人的にとても嬉しかった。
なんとなく、、この数年家に籠っていた自分は登山番組ばかり観ていて、"ホームクライマー"(笑)と化していたのだけれど、時間も出来たのでこの頃は実際自宅近くの裏山を歩いたりイワナ釣りに出かけたりして山のことをよく考えていた。春だからこの選曲だったのかもしれませんが、自信に満ちた凄く良い表情で、顔を左右に振って瑞々しいギターにも強弱をつけて、高音も伸びるShoyanは輝いて見えました。大好きなステージでした♪

『ペテン師』。
おお!岩井さんベースカッコイイ。Shoyanもマイクから離れて強弱ストロークで大きな身振り。声も伸びていてメチャいいぞ。最高!会場も盛り上がり。

・「もしかして今日一番古い歌??あ、他にもあったか・・・」

と、会場の昭和レトロな雰囲気・空気感に言及されて、当時の公害があったことや新幹線のことなどおっしゃってようでした。

・「今日は昭和~平成~令和とずっと駆け抜けたボクとこのサポートメンバーで・・・」と、メンバー紹介に。

岩井さんのベースや春名さんのカホンの説明のあと、キーボードの細井さんのセンチメンタル・シティ・ロマンスの密着テレビ番組の紹介などされていました。※確かに一昨年暮れの小平のライブの際にも細井さんの車に地方局のテレビクルーが同乗して撮影されていた。Shoyanのライブの模様も含まれているそうです。

・「またかぐや姫の歌で・・・」

と、『湘南 夏』ではバックに歌詞字幕が出てきた。
心の海の邪魔をしないようにひたすら目をそらし(^^;)、ステージのShoyanの表情に集中して聴く。でもこの曲はこの編成でやるのにちょうどよい規模?の曲なのかもしれない、だから毎回外せないのかも~と思いながら聴く。レストランの食事の時に出てくる冷水のような、そんな置き方なのかも?と妙に納得出来たのでありました。

海つながりで加山雄三さんの話題に。
コンサートにおよばれしたことや、加山さんの歌は中学高校の時、初めてギターを弾いた時、初めて恋をしたりした時に、一番に想い出す歌ばかり・・・などおっしゃっていました。

「僕も海の歌多くて・・・でも、僕の歌は田舎の海なので・・・」

と加山さんに言ったら、

「何を言ってるんだ、海は全部繋がってるんだゼ」

と、肩を抱いて言ってくれたとShoyan嬉しそうでした☆

加山さんはステージは引退されたけど、今でも徹夜でゲームをするくらいのバイタリティが凄いので見習いたい・というようなこともおっしゃっていました。

で、「僕の田舎の海をテーマに歌った『青い夏』を聴いて下さい」と。
間奏のShoyanのスキャット、♪Fnn~~で一瞬の風が吹き抜けた。メッチャ思い入れたっぷりの、未練のような重い足取りのような、そんなステージだった。この曲も思えばもうだいぶ長い年月を経てきた。曲の年輪のような堆積したものを感じました。

さてここで椅子に腰かけて、コップのお水を飲んで喉シュッシュタイム。そしてLLカスタムを抱えたまま『ほんの短い夏』を。

マイクスタンドを抱いて片手を掲げて指さしてジェスチャーすると、なんだかもうコンサートもお終いな気がして凄くさびしくなってしまった。でも、♪僕は知らずに~のところで胸に手を当てる仕草をされて、とても心こめて歌われているShoyanに熱い気持ちをもらった。この歌もすでにスタンダードとして在るのが嬉しい。唯一一番一緒に歩んできた曲だ、と今日の50thアニバーサリーの選曲には全く絡めていない自分の空っぽな歴史を想う。でもいいんだ、今Shoyanが歌ってくれているだけで・・・(涙)。

口元が微笑んでいて、とても可愛い表情のShoyanでした。今回サングラス越しでもずっと表情がわかったのですごく安心だった。Shoyanの目は柔らかい光でした(涙)。

1カポで『22才の別れ』。
岩井さんの12弦に春名さんのカホンが大活躍で、Shoyanはまた右足で刻みながらノッています。すでに髪の毛がほわっと立っています。気が昇ってる証拠です。

終ってチューナーをつけてチューニングタイム。
万全で『涙憶』に。

~なぜ君と出会う? その訳を
 偶然のかけら拾う訳を・・・

「偶然のかけら」って何だろう。
何時間じゃなくて、何十年だ・・・
と想いながらなんだか泣けてきた。

Shoyanは例のごとく途中でステージ袖に退場。間に各ミュージシャンたちの演奏が何巡かするのだけど、やけに賑やかに聴こえて遠い。ただでさえ長い歌、こういった使い方はなんだか本来の切なさが逸れてしまって少し虚ろに聴こえる。
(それは自分が元気ないからなのですが、汗)

そして数分後、濃い黄色の半袖シャツで再登場のShoyanは更に元気そうに見えた☆

ここでも新曲云々とおっしゃっていたけれど詳細は省いて後述。

『夏純情』の際には「学生の頃、ペンを胸ポケットに挿しておくとインクが漏れて滲んじゃったりして、、それってダサいですが」などとはにかみつつ、岩井さんのたゆみないエレキのアルペジオに乗ってShoyanのボーカルの鷹揚もノリノリでありました。
♪錫色に~♪胸のポケット~の箇所、声がすごく開いて拡がっていてヨカッタです。

※この時も字幕なのだけど、、、なぜ原曲と違う文字を使うのか?

「"迎い"風」は大事な箇所じゃないのか? 
知らない人から間違ってますよと指摘されるのを避けるために「"むかい"風」にしているのだとしたら、それこそ大きな間違いじゃないのか? Shoyanご自身が指示されているのだとしても、この改編表示には違和感です。それとも、そもそもRe-bornの歌詞カードが誤植だったのですか??と問いたい。この字幕を見るたびにひっかかってしまってモヤモヤしています。(毎度煩い七氏)

ここでベースを下げるShoyan。
キャー、白いベース出てきた~~~
久しぶり~~~~
嬉しい~~~

「コレちょっと重たいな(汗)」と言いながらも、長いネックを上下に振って調子を確認しながらヤル気のお姿カッコヨスです。

「岩井くんにあげてしまったエレキベースだけど、この瞬間だけ返してもらった(笑)」と、お茶目なShoyanでした。

ネックを握る左手首がアコギの時より激しい角度変更で、ひねりの動きも色々だったので、凄いなぁと思いながら「Shoyan、ベース頑張って!カッコイイヨ!!」と本当に熱い気持ちで応援視線を送らせてもらった『風の日の少年』でした。きっと身体的にも長丁場のステージは負担がハンパないと思うのですが、それを感じさせないほど凄く丁寧にケアされて演奏に臨まれているのだろうなと思います。

♪またいつかどこかで逢えたらいいな~、でニッコリ笑顔になっていたShoyan、まさにそのお姿こそが少年でした。私も"少年"のような気持ちでその後を追わせて下さいと願うばかりでした。

※この歌詞、「逢えたら・逢った頃」なのが自分的には密かにキュンとするのであります。

ここで『冬の恋』なのですが、、、
もう、自分は感極まりまくりで、何も言えない想えない自我のない空蝉になってしまい、Shoyanの音100%で満たされた幸せの魂だけがそこにありました。成仏してこの世にいなかったレベルで報われていました。

なので一言だけ
「百年分の正やんに逢った(涙)」
と書いてあります。


さて、我に還ると今日初めてのGIBSONが登場して『moonlight』!Wow!
ラテンのテイストがその濃いイエローの半袖のシャツにとても合っていて素敵。さりげなく弾いているであろうストロークの、時折噛ませる合いの手・ブレイクが絶妙でカッコよくて、Shoyanとギターの一心同体ヴァイヴレーションを感じました。細井さんのピアノソロの間も、そちらを見ているShoyanの横顔ばかり見つめていました。

ラストの掛け声で締めると、肩で息をして完全燃焼なShoyanに自分も胸が熱くなるのでした。

その熱い吐息もそのままに続くは『通り雨』。
これがまた更に熱いステージでした。ここに来てもまだShoyanの声はよく通って、ますます立体的になっていく。本当に今のShoyan凄い、凄味です。声もだけど、ギターも充実していて、岩井さんのエレキが遠雷のようにたなびけば、Shoyanのアコギのフレーズが近くで光る稲光のようで、自分がまるで歌の世界の中にいて聴いているような心地がしました。最高の『通り雨』でした。メモに◎がしてあります。

そんな夢心地の大拍手が鎮まるとMCでは、

・手がけてた校歌がついこの間出来上がったこと。

・それと並行して先に出た4枚組『THE伊勢正三』に続いて入りきらなかった「More」な音源を更に今年中には発売できるように作業してること。

などを告知されていました。
更なる音源!メッチャ楽しみです☆

で、『君と歩いた青春』。
ここではMartinD45に持ち替えてカラリとした空のように拡がるステージでした。Shoyan、半袖シャツゆえか少し色白な感じで、歌いながら細かく演技もされているようでマイクを離さず、ソコに集中されている感じでした。ここでもギターの高音が良くて、フレットのアバロンが紅く光って凄く綺麗だった。いつもアバロンの青緑が綺麗だなぁと想うけど、紅い遊色もこんなに濃いんだ・・・と見とれていました。

・・・
~アンコール~

T'sTを抱えて再登場のShoyanですが・・・

実はもうここからスタンドアップしたのでメモを放置しました(^^;)。何も記しておりません。私は記録係じゃなくて記憶係?だからええのんや(笑)。

ただひたすらに『ささやかなこの人生』で送る手拍子に魂を込め、『海風』でその音の中に自分のすべてを投げ出して無心になっておりました。それほど今日のShoyanは「命も自由もあずけて・・・」という大きな大きな"ALL"なShoyanでした。こんな気持ちになったのは初めてです。初めて見つけた新しい境地でした。Shoyan、大海にフルノットで出航されたなと想いました。

『なごり雪』をもう一度。
何度聴いてもいいですヨなごり雪(涙)。もっと歌ってください、、、と静かに1対1のような気持ちで聴く。この春は自分にとっても何かが変わった人生の節目であった気がする。Shoyanの再生と自分の再生、そんなことを想いながら台風の目のような穏やかな暖かい気持ちで聴けた『なごり雪』でした。

と、このままこれで終わるのだな、と大団円な120%満たされた気持ちで帰路に着こうと思ったら、なんと、ラストは『俺たちの詩』であった。

こ、これは嬉しい・・・この歌を歌ってくれるということは、"今活きている聴き手に届けよう"とお気持ちがあるのだと、そう思って本当に嬉しかった。

しかもギブソンではなくMartinだった。今日は、というかこの頃はこのMartinD45が大いにShoyanをサポートして寄り添っているのを感じる。Shoyanのプレイをガッシリ受け止めて、肩車して担ぎ上げてくれるほどのパワーを感じるのだ。好みの問題なのかもしれないけど、でも私はこのMartinD45で歌った『俺たちの詩』がとても意味深く新しいと想ったのです。

(それゆえか、歌の中にひとつ新たに気付けたことがありました)

最後の一音で、、、Shoyanの唇が震えていた。体力気力の限界まで振り絞って歌い切ってくれたのだと痛いほどわかった。その試みやチャレンジはそれ自体がものすごいパワーなのだ。このステージの最後の最後の数秒まで、伊勢正三のすべてが詰まっていた、そんな激しい充実のコンサートだったと思います。

先に投稿した『その零』でも散々書きましたが、この日のShoyanは聴く者の心を最大限に持っていく重機のようなパフォーマンスでした。この今になってこんなにパワフルなShoyanに逢いに行くことが出来て本当に本当に幸せです。この数年の戸惑いと我慢と虚しさの現実生活をもう過去のものにしてもいいと、ストンと想えた新しい時間でした。

・・・

青濃く澄みわたった空の向こうに、真白な雪の残る頂きが光って見えたような、、、そんな大きな清々しさを得た一夜でした。本当に今の伊勢正三さまを心の底から尊敬します。ファンでいてよかったと、深く感謝しています。

次のライブもメチャ楽しみです!
生き甲斐にして日々がんばりましょう☆

以上、雨の埼玉の熱い想い出ライブ感想でした。


2023年4月 七氏


※一曲目で歌ってくれた『時の流れ』にある
「どこかでぼくが立ち止まらないように時は流れてゆく・・・」

ということ、
それは、この50年流れ続けてきた時の中で、伊勢正三というアーティストは立ち止まってはいなかった=活きた音楽を創り続けてきたということの証なのではないだろうか。

Shoyanの"時"はいつでもせせらいでいる・・・
私はそう思って席に座って待っているのです。



今回は感動が凄まじ過ぎて抱えきれないので、それだけを先に書きたいと思う。メモも開かず曲目も書かず、ただ発せずにはいられない今の気持ち残しておきます。
(思い入れ爆発し過ぎていますがお許しを)

各曲やその時思ったことなどは
また後日改めて・・・。

・・・


今、下書きのファイル名に『2023』と言う数字を打って改めて思う。
凄い年月来たなと・・・

こんな数字を見ながら最新の最高のShoyanを聴くことが出来るなんて、、、これは伊勢正三ご本人とその音楽を愛する人たちの真心で、互いに丁寧に築き上げてきた現実の結果なのだ!と、深く感動している。

さて、今回思いがけず初めて経験した前方の席で、燃えるような今のShoyanのステージに添えたことは本当に貴重な経験だった。
(こんなこと一生に一度だと思う)

でも、そんな座席の位置など関係なく、
「もうこのままこの最高の状態で死んでしまいたい・絶頂の幸せのまま人生終らせたい」と思うほどのShoyanのパフォーマンスを感じることが出来た(涙)。それほど新しいShoyan・満ちているShoyan・活きているShoyanだった。

去年の軽井沢で昇られた新しい高みで、それを維持したまま更に堅固な足固めをされているのだ、と期待と安心も感じました。

Shoyan、今モノ凄くご自分と対峙されている。
かつてないほどに・・・。
自分の肉体を細部まで丁寧に物理的にケアして、
内なる精神はすべて結集させて練りあげて、
ご自分の根底のひと粒まで歌に捧げよう!
という真っ直ぐな情熱があったと思う。
会場の隅の隅までそれは届いて、一番後ろの席の聴者の人生何十年にまで食い込むほど強い想いだったと思う。そしてそれは宇宙を一周して伊勢正三ご自身をも背後から強くハグしたのではないかと感じました。

自分を抱きしめることがすべてを抱きしめることになるんだ、ということがよくわかったのです(涙)。

それに近いことは今までも何度もあったけれど、ここ何回かのライブの伊勢正三はもっと違う!
前代未聞のShoyanがキている。

今まで、、、きっと天才的な反射神経で魅せてくれていた神の領域な部分を、今のShoyanはちゃんと事前に吟味して、トレーニングしてストックして把握して、『絶対に確実に聴いている人に届けるぞ!』という"超能動"のもとでライブに臨まれているのではないだろうか。「気がする」とかじゃなくて、これは確信です。

その動機は、肉体的な残された時間だけではなく(そんなこと意識しないけどっ)、激しく哀しい自他の環境の変化、コロナ禍で失われた数々の機会、誰もみな何年も自分100%を生きられなかった・という辛かった日常の事実ではないだろうかと思う。

今まで普通にあったコンサートは本当に本当は凄く貴重な一期一会だったのだということが、演者も聴者も心の底から目が覚めたのかなと思う。

(もちろん普段から誰もが一期一会は大切とわかってはいたけれど)

一期一会を大切にしたものこそが辿り着ける永遠がある、そこに辿り着く扉をShoyanはとうとう開いたのだ、と想った。

今のShoyanは"更に目覚めた人"です。
(シン・ブッダ的な^^;)
この世の激しすぎる永き混沌を我が物にして、それを骨格にして新しい大きなご自分を堂々再生されたと思う。そしてその新しい伊勢正三がすでに歩き出している!と、今回のステージではそんな瞬間を自分の目や耳で感じることが出来て本当に本当に幸せでした。

やっぱり私の幸せはここでいいんだなと想い直して、無に還れた気がしています。

・・・

これだけのステージ、気力体力環境力、すべてにおいてShoyanご自身の影の努力・ケアは凄まじい量なのだと思います。後半、ある曲を弾いて歌い終わった後、肩で息をしていたShoyan、そして最後の曲最後の一音で唇が震えるほど命を振り絞ったShoyanを私は絶対忘れません。
死んでも忘れません。

こんなに熱く・深く・永く音楽を愛している人はいない。
そしてこんなにも聴き手から愛されているミュージシャンも他にいない。
そう想って真っ新な気持ちに完熟したこの日のステージでした。
本当に、私たちまたひとつ新しい日々が始まりましたね、と顔を挙げて澄み切った陽の光を浴びたようなコンサートでした。

パワフルを超越してSTRONG☆なShoyanに、まだまだこれからも逢いに行きたいと想いながらこの稀な興奮を置いてまずは一息♪

独りよがりの爆書きなぐり失礼いたしました。

※今書き終わって、なんだか安心して涙が出てきました・・・やっと・・・。今からひとしきり泣きたいと思います(涙)。
今回ラストに『俺たちの詩』があって良かった、しかもMartinD45で。ギブソンじゃなくMartinだったのが正やんの新しさにピッタリだった。 まだ胸の中で太く鳴っているような気がします(涙)。



・・・・・

※※ で、本当にこのまま死んでもいいと思いましたが、でもでも、ひとつだけ心残りがあるのでやっぱりまだ逝かないことにしました(笑)。

それは・・・ShoyanがMCで度々、前にも増して新曲をご自分で卑下?するフレーズを口にされることです。「新曲ばかりやったら次から聴きに来てくれない・新曲は我慢して聴いて」などと、何故そんな哀しいことを仰ってしまうのか。そんなにも「旧い歌だけ聴きたい・新しい曲要らない」という声が多いのだろうか?

現に終演後、混雑した通路階段で「かぐや姫や風の曲は知ってたけど伊勢正三の曲はよくわからなかったなぁ~」なんて話してる男女グループがいらっしゃいました。それが現実・スタンダードなのだろうか?それが「会場の総意」なのだろうか? でも、それもしょうがない・キャリア長いアーティストアルアルだとしても、、、

新曲(ソロ曲)を好い!と思うのはおかしいことなのか???
それをアーティストご本人が言ってしまう現実、Shoyanご本人が心の底の底の本心からそんな風に「新しい曲を聴いてもらうのは苦痛と我慢」と捉えておられるのだとしたら、なんて虚しくて哀しいことでしょうか。

どうかShoyanお得意のちょっと斜に構えた逆説トークであって欲しいと願うのです。現に私の横からは「そんなことないよー!」という小さな声が沢山聞こえていました。そんな声が届いていないのでしょうか。

Shoyanご自身が発する"お言葉"は、意味が重いのです。好きで聴きに来ているのに「我慢して聴いているのでしょう?苦痛だよね」と言われたらショックだし傷つきます(涙)。冗談だよねって受け流せない、不器用な想いを持っている聴き手もおるのです。

「好き/苦手」「知ってる/知らない」と「新/旧(懐)」は全然違うものです。

Shoyan、私たちは皆『好きな曲・好きな伊勢正三』を聴きに来ているんです。歌は"新しい懐かしい"では分けられないものだと思うので、どの曲も同じ愛でこれからも歌い続けてくれることを信じています。

ダカラ ソンナカナシイコト イワナイデ(祈)

この一つだけ今の私の願いです。

・・・

結局、何度も繰り返し同じようなことを言ってしまうのだけれど、私は『優しい目』にはなりたくないから、届かないとしてもしつこく自分の気持ち記したいと想います。

これまた蠍座的に(*´∀`)☆
※前前書きからつづく

☆伊勢正三 BIRTHDAY LIVE 2022
2022年11月12日(土)16:00開場 17:00開演
かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

※また全文一気に載せてしまいます。
今回時間も経って事情もありまして、いつにもましての誤字脱字・内容間違いがあるかもしれません。ご容赦ください(汗)。
☆まえがき

昨年は四ツ木の出口まで首都高で全部行ったので、今回は途中で降りて懐かしの下道で行くことにした。実は私の母は墨田区出身、今も大好きな伯母さんが元気でスカイツリーの真下で暮らしているのだ。昔は横浜から自分の運転で度々遊びに行ったものでした。

渋谷表参道の喧騒を抜けて皇居をぐるりと回ると、街路樹が黄色く色づいて、美しい秋の東京でした。神田や墨田川向島言問橋、、、意外に車は少なくて運転しやすく、懐かしく、非常に心躍るドライブでありました。Shoyanのおかげで懐かしい景色を走れたのは本当に嬉しく、トキメク時間でありました。

デッカいスカイツリーの下を通って四ツ木橋を渡ればすぐにかつしかのシンフォニーヒルズに着き、東京に住んでいる人はコンサートに行きやすくて本当に羨ましいと思いました。

シンフォニーヒルズでは一年ぶりの知人と合流し、開場も余裕があったのでエントランスで別の知人を探したり、一瞬コロナ禍を忘れそうなほど楽しい気持ちでした。でも、立ち話をしている人たちで「今のうちに伊勢正三を一回くらい観ておこうと思ってさ」的なことを話している人が何組かいて、いつもと違う客層を如実に感じました。昨年の久保やんの訃報で急に昔を懐かしむ気になった方たちがいらしてるのかな?同行の人が「そんなこと言うと他のお客さんたちが気を悪くするよ?」ってフォローしてくれていました。
でも、動機がどうであれ、聴く人・機会が増えたというのはいいことだ!と思うのでした。

「今の正やんスゴクイインだからネっ、フフ」
と内心ちびまる子ちゃんみたいにほくそ笑む七氏でありました。

・・・

☆開演 (セットリストは最後に)

細井さんのブルージーなピアノでミュージシャンが揃い、ステージが始まると意外にもすぐにShoyanご本人登場でギターで絡んでくる!いつものフレーズ♪で食い込んで・・・

うぁっ!髪が長い!!!!!!!
肩までかかるほどに長いっ!!
たまらん!(/ω\)イヤンもうカッコよすぐる。
赤面。Shoyanのおでこ好き。

もうここでビジュアルに釘付けな私は、ペンのインクが出ないことお構いなしにかすれた線でスケッチを始めるのでありました。

「ワン・トゥ・スリー」で『地平線の見える街』から始まった。めっちゃ軽やかで明るいShoyan。声はまだ開ききっていないけど、ノリは好くて軽快。幕開けにぴったりだった。軽やか過ぎてチョット歌詞があやういところもあった気がするけど?パァッっと舞台が煌めくようなオープニングでした。

そのまま跳ねた気分で
『男は明日はくためだけの靴を磨く』。
ギターは抱えたまま弾かず、マイクスタンドを抱えての歌。時折、諭すような自分に問うような"語り謡い"でリードする。マイクの音量やシールドの調子や音程も?まだ安定しないみたいで、軽井沢の時のラスト寄りのこなれた時間帯と、開演すぐの2曲目とではちょっと印象が違った。最初の3曲~5曲くらいはどうしてもまだクラッチのつながりがスムーズにいかない印象でもったいないっ。Shoyanの気合十分なのにっ!!と、何故か一人で焦って滝のような汗をかいていた私でした。(何故お前が汗をかく(笑))

と、そうしているうちに歌い終わってMCにて
「シンフォニーヒルズのコンサートも今回で13回目、いつの間にか僕のバースデイコンサートになっていて、、、そんなに長く出来て幸せと思っている、みなさんのおかげです」というようなことをおっしゃっていました。13てイイ数字じゃないですか☆

ここで突然誕生日の話題に併せて「次の曲は11月生まれの方のために歌おうと思います、11月生まれの人どれくらいいるかな?」とのこと。客席の挙手拍手で「1.3割くらいかな(笑)」とカウントされていたShoyan。
「ぅゎ、私も11月生まれです~」
と、心の中でめっちゃ興奮する私。
何イキナリ!?何!と七氏激喜!
(スミマセン、ほんとに個人的に嬉しすぎてしつこく書いちゃいます)
多分あの曲かな?とはわかったのだけど、その曲の時にそんなことおっしゃったことあったのかな?と、今年このお言葉の時に立ち会えて本当に嬉しかったです。
(珍しいような気がします)

この曲で使用するカホン(箱形の打楽器)は演奏時に腰にクルそうで、演奏者の春名さんと楽器の説明をし合ったり「先に腰を伸ばしたら?」などストレッチしてみたり、とても楽しい雰囲気の中で『11月・ロマンス』を歌ってくれることになりました。

カホンのスローで噛みしめるテンポに乗って岩井さんの艶っぽいエレキがちょっとオトナの雰囲気ですが、Shoyanは甘く甘くはにかみボーカルで可愛く歌ってくれました。
毎年の秋に何十年聴き続けてきているでしょうこの歌。HEARTBEATのアルバムは11月私の誕生日の3日後に発売でした。自分へのプレゼントとしてレコード屋さんに予約して、初めてリアルタイムで買えたアルバムでした。その11月のツアー渋谷公会堂で初めてShoyanのコンサートに行きました。
風やかぐや姫とほとんど関係ないところで始まった、"初めて逢った頃のLove Story"であります。今年はそんな頃のことをよく想うなぁ。
数年前にも軽井沢やかつしかで歌われたことがあった気がしますが、今年はまた違った気持ちで嬉しかったです。あの夜以来、ずっと海辺のドライブが続いているような気がしています。


今日のShoyanは紺地に多数スターの半袖開襟シャツ、カーキ色の短めのボトム、黒いブーツ?が素敵です。半袖なので腕がよく視えて萌えです。必死に14列目から双眼鏡を覗く私でした。

そのまま『あの唄はもう唄わないのですか』に。
終始ダウンストロークで無理なく、しっとりと唄ううちに声が落ち着いてきた。ジャラジャラとしたギターがノスタルジックで泣ける。
♪あ め が ふ る 日 は~
と、一音一音噛みしめる場面もあり、♪私にとっては想い出なのに・・でグッときてしまった。しかしこの歌を自分で作って自ら歌われるなんて、罪ですShoyan・・・(*´ω`)=3溜息。

椅子に座ってコップで水分補給。
「(ライブという場に)なんだか、、感動してます。こんな状況でだいぶ乾燥してきて、マスクをしたらいいけどやはり息苦しくて、、乾燥に出来ることは・・・雨を降らせてみたいと思いマス♪」と『雨の物語』。
キレのいいイントロはご自身で弾いてくれて安定のプレイでした。実は11月・ロマンスの余韻でまだボ~っとしたまま聴き流してしまいました。スミマセン(汗)

ここでステージのテーブルの上にShoyanの私物であろうマニッシュハットが置いてあるのに気付いた。フェルトではなく、ストローかペーパーブレードかわかりませんが、まだ真冬仕様ではなさそうな帽子。そういえばそのトップの長い髪は帽子を脱いだままみたいなシルエットだった。Shoyan、いっそ帽子を被ったお姿で演奏して欲しいかも・と妄想が膨らみました。Shoyanのお帽子大好きなんです***

『海岸通』を歌う頃にはすでに熱唱!客席からも大きな拍手で会場も湧きました。サングラスが少しだけ薄くなったような気がして、Shoyanの表情がよくわかったような気がします。渋谷軽井沢で見かけなかったMartinのD-45が復活したような?気がしてそれも嬉しかったです。("気がするだけ"のことが多くてスミマセン(笑))最近、高音の出し方に技があるなと思います。無理に伸ばそうとせず、短くても正確な音程をひと粒、確実に置いてくる感じと言うか、コンディションに合致する歌い方を実践されているなと感じました。

そのまま『星空』。これは特に記すことがなかったようで(安定という意味で)やたらShoyanの髪の長さを書いてある。耳は半分見えるがトップのレイヤーが長くて耳の下から肩までまた次のレイヤーが・など描いてある(笑)。

ここで立ち上がって刻みのイントロが始まり『冬京』。今年はこれは特別に沁みるなぁと(それは毎年のことながら)、今日半日のドライブ風景を想う。東京は何十年経っても東京だなぁと、東京を出たり入ったりしている自分なりの都会観を整理しながら聴いていました。Shoyanの入れ込み過ぎのチカラも抜けてきて、声もプレイもこなれてきてとても良かった。ギターソロも凄くまとまって、弾きながら会心のニヤリ♪な表情も見えた。今日は低フレットのリードソロが好くて、どっしりした愛を感じました。

岩井さんのギターも素晴らしく、ShoyanのD-45の音は琵琶のように「寂」な響きがして重心の安定した冬京でした。

そう・・・弾きながら前に出てきてくれるShoyan、前の方の席でShoyanの手元を生で観られるの羨ましいなぁと、いつも後方席で悶々としていますが(笑)、今日はそんな遠くまでフレットのアバロンの碧色がキラキラ光ってよく見えました。まぁ、サミシサは距離じゃないからイイんダ♪
「えー、冬の京と書いて冬京という歌を歌ってみました」と続けて、ここからは4曲Re-bornから・・・と『夏純情』。

ステージの照明がほのかな紫と白の多方向からの演出でスゴク綺麗で、後ろの映像も今日はなく、想像力に訴える叙情溢れる色合いでした。間奏のソロもキラキラフレッシュでとても良かったです。もっと弾いてほしいギター曲であります。

※でも、、、ほんとはこれに加えて『雨のウインク』などやって欲しかったかもとちょっと思ったのでありました。あの小さなウクレレベースがいるなら秋の東京でやって欲しかった。また来年に期待しマス。

で、その「可愛い楽器」ウクレレベースを持ち出してきて抱えると『秋の葉の栞』を。

よりささやくように、スローに、何かぬくもり欲しい・・と思うような少しさみしそうなプレイに聴こえた。何故か演者を抱きしめてあげたくなるような、涙を含んだような暖かさがありました。岩井さんのエレキの掬い上げるようなアルペジオが優しくて泣けました。
どこか、、、舗道の排気ガスのにおいと街の靴音を感じるようなステージでした。

音的には、個人的には軽井沢のホールくらいの規模がいいのかな?とも思いましたが、でも秋のモーツァルトホールにも合う一曲です。今年もここで聴けて嬉しかったです(涙)。

「エー、続いてですね・・・」と譜面の紙を色々めくって「これじゃなかったw」と探したのは『風の日の少年』。
ポポポーン♪と軽やかなウクレレベースの音。少人数編成だからか抜けがよくって学校の体育館の舞台で聴いているような、手作り感を感じました。サビ部分で出てくる背景の歌詞字幕のおかげで余計にそんな"授業感"を思ったのかもしれません。

おぉ~、まさに風になびきそうな今日の長い髪ですねShoyan☆と青々しいお姿を見つめていました。

『冬の恋』は岩井さんのオトナなギターで雰囲気深め。
この歌も2018年に初めてここで聴いたのだなと感慨深い。このホールで聴くたびに世の中の空気が違っているような気がする。毎回、自分もShoyanご自身も、違う人間になっているような気がする。一番新しい曲が、一番歴史を背負っているような気がしてならない。『冬の恋』は今現在の伊勢正三の旗艦ソングだなと想いながら聴きました。

歌い終わってだいぶ寒くなる(?)と、またお誕生日的MCから
「この季節に僕は生まれたわけですけど、(季節の変わり目だから)一年で一番弱い時期で下半身が冷えたり・・・いっそ思いきり冬になってしまって寒けりゃマフラー巻いたりして、街ゆく恋人たちの白い息なんかもいいのかもしれませんが・・・」と、晩秋トーク。

「僕ら日本人は"衣替え"なんて習慣があって季節の変わり目をハッキリさせるけど、とある外国の景色で陸の人はコートを着ているのに、海では水着で泳いでいる人もいるなんてことがあって・・・」と、外国の人(ヨーロッパの涼しい方の国かな?)の季節感と日本人の季節感の違いを説明されていました。

「衣替えと言えば僕は学生の頃一番苦手だったのはグレーの開襟シャツになる夏服がダサくて、嫌で、、、」と、脱線していくShoyanのトークが面白かったです。

「さて無理やり次の曲に繋げますが(笑)」と
『3号線を左に折れ』。
「ストーブを出さなければイケナイ、というイケナイというのが日本人らしいというか・・・」というようなコメントをされていたような気がします。

久しぶりですごく嬉しい!!!
この曲、何故か最近もうずっと聴いていないような気がして、なんとなくもう封印されてしまったのではと思うほど寂しくて、諦めていたのですが(何故そんな風に想う自分(笑))まさに今にピッタリ、忘れていたジャストフィット曲でした。

岩井さんのエレキのイントロやアルペジオも叙情感たっぷりで最高にうるんで良かったですし、細井さんのハモニカとShoyanのギターの絡みも白い砂を黒く染める波の応酬みたいで、とても詩的でよかった。感激しました。今日は海モチーフのブローチを着けてきてよかったな♪なんて独りで満足していました(*´ー`)。

Shoyanの♪さヴぃしい・・・の発音に湿度のある暖かさを感じました。
※そういえば今日は湘南夏じゃなかったということかナ

さて、椅子に座って細井さんとアイコンタクトで始まったのは『22才の別れ』。
さすがにこなれていて万全の22才の別れ。もう、この歌は見あげた空のジャンボジェット機のように、遥か彼方を雄大に飛翔している大きな一曲なので、正座して拝聴する心持ちでいる。岩井さんは12弦をお弾きになっていたように見えた。シャラシャラした音が軽やかで煌めいて素敵でした。口を尖らすShoyanの表情が少し引き締まって見えてカッコ良かった(赤面)。

『涙憶』。
キタな。なんとなく歌い出しからリキんでいるような印象。客席を引っ張り上げよう、盛り上げようという雰囲気を感じました。でも、私たちはもうこの歌でShoyanが中座することを十分知ってしまっているので、なんとなく散漫なザワメキを感じる。実際客席では立つ人動く人多数で、間奏ではどう過ごしていいのか考える。アンケート鉛筆は芯が硬いのでお絵描きをしようとしても上手く運べずまた謎の落描きが増えていた。

時計を見たら開始から1時間20分だったので、まだまだ時間があるワーイ!と思ったが、あと何やるのかなと「なご、海、ささ、ほんの、俺たち、月射す・・・」と数えながら待っていた。(なんて現実的な可愛くない自分^^;)

黒地に白文字のTシャツに着替えたShoyanが再登場。
「93年のテレビドラマの主題歌です」
と『ほんの短い夏』。

ギターを肩からさげてはいても、マイクスタンドを両手で抱えて暖かく歌う。メッチャ可愛く、♪ち・り・ば・め・た~など、一音一音丁寧に発音していて真心感じました。間奏のストロークする姿もステキで、終始"若き日"をまといながらのプレイでした。

いい歌だ(涙)
と、メモしてあります(泣)。

ここで喉シュッシュしてMC。
「帝釈天には一度も行ったことが無いんです」とおっしゃりながらも「最近フーテンの寅さん大好きでよく観なおしていますが、今思うとあの時代のすべてがいいなぁって、人情があって・・・」と述懐。そこからテーマ曲の星野哲郎・山本直純両先生の話、同世代の松本隆氏や阿久悠氏の名前も出ました。特に星野哲郎さんの詩の一行一行に作詞家って凄いなーと、だって「ゴムのカッパにしみとおる」(北島三郎『なみだ船』)ですよ、沁み込まないゴムにしみこむってスゴイ・と、作詞家の方のアンテナって凄いとお話しされていました。(あ、でもこれ、詞はなかにし礼さんかな?とチョット曖昧に※後述)

「♪目方で男が売れるなら、なんてとても自分には生まれてこない」と感嘆されておられました。

私も、、、作詞家の方の感性はShoyanのようなアーチストとも違うポジションにあると思っています。Shoyanは"歌を創る人"だなって思うのです。作詞家はメロディーと言葉の橋渡しをする人・みたいな感じに思えるのですが・・・それは生意気に言い切れるものではないので、ひとまず置いておいて・・・♪

ここで「ひところ主人公を別れさす歌ばかり書いていましたが・・」などとおっしゃりながら「でも、Re-bornはよく聴くと、、別れてないんです(ニヤリ)そこがポイントです!」
などと、とても嬉しい発言がありまして、激しく感激しました。

これ本当に大事で、自分的には一番考えている部分なので、このShoyanご本人からのコメントは本当に嬉しかった。このお言葉を聴けたのは大きな収穫と安堵でした。

また、「降りてくるのも歌詞、籠って無理やり産み出すのも歌詞」というような深いお言葉もあったように思います。

そこから次のなごり雪にいくであろう流れで、映画『幸せの黄色いハンカチ』の話に。この映画の中でカーラジオから『なごり雪』がかかるシーンがあるのですが、そこで何故使われたのかと言うと、出演していた武田鉄矢氏が山田洋次監督から「武田君、このシーンに良い歌ないかな?」と訊かれ、鉄矢さんが推薦してくれたというエピソードがあったそうです。

このシーン、すごくいいんですよね。武田鉄矢氏演ずる青年の車に乗り込んだ桃井かおり氏演ずる女性が、ラジオから流れてくるイルカさんのなごり雪を聴いて「この歌、いい歌よね・・・」みたいにしみじみ言うシーンだったと思います。後ろの座席には寡黙に高倉健氏が座っていたはず。何気ないけどたまらん場面です。(詳しくは映画本編をご覧ください)

※ちなみに、某ドラマ『北の国から』でも、幼い純君たちが大晦日にラジオかテレビにかじりついて紅白歌合戦を聴きながら「郁恵ちゃんがなごり雪を歌うんだから!!」って言っているシーンがあったような気がします。(今調べたら1982年の紅白で榊原郁恵氏が『なごり雪』を歌っていたようです)

この武田鉄矢氏のエピソードの際に、客席から笑いが起こり「"武田鉄矢"って名前だけで笑えるのスゴイな(笑)他に名前だけで笑える人誰がいる??南こうせつ?山田パンダ???」などと拍手と笑いを誘っていて面白かったです。

で、その『なごり雪』はさすがのこなれ具合でニコニコの声。この頃になると高音も良く、また透き通った声になった~♪と思いました。

実はこの時、ちょっと時間の流れが亡失したというか、時が無い時間だったと想えるのです。これからこんな風に感じることも増えていきそうな予感。『なごり雪』の不変感・時を留めて保持していく能力の凄さを感じました。

『月が射す夜』ではイントロのテケテケ♪時に、ギターのボディのホールの上あたりから弦を押さえる両手がなんだか妙にエロティックで(赤面)一生懸命にShoyanのお手元を見ておりました。ハイコードのストロークはチキチキして凄くキレがあって、めっちゃカッコよかったです。
ここで動きも激しかったから長い前髪が左右に分かれ、Shoyanの眉毛の眉尻までクッキリ見えてそれまた萌えでした。サングラスの大きさ濃さもちょうど良かったような?とにかくカッコ好かったです。とにかくカッコ好かった。(二度言う(笑))

「来年もここでやるの、もう決まってるみたいなので♪みなさん、元気でいて下さい。ずーーっと一緒に青春しましょうね!」と、来年のバースディライブまで決まってることが判明し、客席歓喜。そうだよ、先のことばかり考えて生きていきたいじゃないですか、とShoyanの前向きなお言葉に胸熱でした。

そしてもちろん『君と歩いた青春』。

とその前に・・・"青春"とは何ぞや?
人の一生を単に4つの季節に分けた言葉ではなく、"永遠"と同義語じゃないのか?何かを生み出す気持ちがあるなら、それはいつでも青春なのかもしれない・・・と想いながら聴いていた。冬が幼少期なのか老年期なのか、それだってあやふやだ。人生は始まりと終わりのある一直線ではないんだ、とShoyanから教えてもらっているようで、今日の君と歩いた青春はとても当事者的に聴けた。

個人的見解ですが、Shoyanの同世代は特に「青春」と言うフレーズに拘るように見受けられる。そう冠したコンサートやイベントが多い気がする。私や、私の親世代、また今の若い人たちはそれほど「青春」という言葉を意識しない気がする。Shoyanの時代はきっと時代全部が若さと前進とキラメキに満ちていたのでしょう。

さて、満を持したステージは歌い出しからイイ感じ♪高い音もよく出ているし、マイクを抱えて客席の上を見回しながら、チカラ込めまくりで想いを届けてくれるShoyanだった。音程揺らぎもなく、完全燃焼の一唱でした。本当に良かった。

歌い終わるとすぐに袖に去ってしまわれた、、が、またすぐに再登場されて両手を腰に当ててお立ちになる姿にナカナカの手応えを感じておられるのではと思いました。


~アンコール

ここでギブソンJ-50登場。バリバリのストロークが始まったけど、おお、ここで『時の流れ』キター。興奮MAX!Shoyanもノリノリで前面に出てきてくれて端の方までギター魅せタイムだった。がしかし、ちょっとイキ過ぎてギターのシールドが足りずにすっぽ抜けるという熱いハプニングもありました。イイヨーイイヨー♪

次の曲に行く前に前述の「~ゴムのかっぱにしみとおる、ですが、やはり詞は星野哲郎さんでした♪」と確認の報告。
"ヤン衆"、"海の男"などのフレーズがお気に入りのご様子。

「僕も子供の頃は海の男だったんです、(生家前の海)ずっと海を眺めてた、釣りをしながら動かない浮きを2時間も3時間もずっと・・・」と
「あれが本当の自分なんだな、と想います」
と、ホロリと深いお言葉が出た。

急に胸がクンとした。
水面の浮きに波紋が拡がったような、、Shoyanの心の微細なアタリに切なくなる一瞬でした。

その、フッと鼻先をくすぐった潮の香りのまま『海風』。
ハモニクスから倍音の飛沫が弾けます。
ここで現実に戻った私は総立ちの客席で坐骨神経痛で動けず(汗)、直立不動で手先だけの拍手で心の中で沸いておりました。あ~~海風、、、海風、この世界が伊勢正三の真っただ中・・・正やんの海、ここに還りたくてコンサートに来るんだな私。そう想いながら嬉しくて、この場に居られて幸せだと心の底から想うのでした。

続けて『ささやかなこの人生』の明るい空気が心地良く、大きな安心感の中でステージのShoyanに向かって手を振っておりました。たとえ届いていなくても私は元気です、とパワー送る気持ちで精いっぱい振りました。

ここで『俺たちの詩』。
今日も字幕は出ていたけれど、Shoyanご本人も時折譜面に目を落とされている感じもあったし、何より後ろの席からではShoyanの表情やお姿が遠くてよく見えないということに気付き、それならやはり字幕歌詞も有効なのかなとも思いました。その指先を間近で観られるのはほんの一握りの観客で、大多数が小さな遠いShoyanを想像で補いながら一生懸命追っているんだもんナ、と思い直しました。

今日は原宿表参道通ってきましたヨ、と肌で聴ける喜びに浸っていました。岩井さんの合いの手のギターもカラッとしていて、なんとなくアメリカンな、サクッとした『俺たちの詩』でした。軽井沢でのステージはDeepでHotでコアだったので、今回は少しサッパリ目かな?
歌い終りの♪どんな日が訪れるとしても~では客席のフラットさ(いい意味で)が感じられて、意識の平等さというか、二階席や後ろの席や立つ人座る人すべてが"同じ伊勢正三"を聴いていたという広い感動がありました。

2019年に登場した新しい歌がステージのメインになる、ラストの締めになるということが素晴らしくて、『俺たちの詩』の大トリ感はShoyanの音楽人生の「LIVE感・活きている感」の象徴だと思います。感動のフィナーレでした。

・・・

Shoyanとミュージシャンのみなさんも前に出てきて全客席に満遍なくご挨拶をされて袖に帰られたのですが、客席の拍手は止むことなく更なるRe:アンコールとなりました。

LLカスタムを手にしたShoyan、
『あの頃の僕は』でした。
岩井さんのノスタルジックなギターと鈴の音で甘酸っぱい最後の贈り物でした。

・・・何をか言うまい
胸いっぱいで何も言えない
と、メモに書いて終わっています。

その"あの頃"はいつのことだろう
自分とShoyanの年月を色々想い出して泣く。
バリバリの"今"を見せつけられた直後に"あの頃"のふり幅。堪らないものがありました。ニクイよShoyan(涙)でも最高だよ・・・・・


と、こうして色んな"頃"を行ったり来たりしながら、沢山の歌を聴いていける伊勢正三ファンとしての幸せを噛みしめて、今年のバースディライブも終演となりました。

・・・

夏の終りの軽井沢は燃えるようなステージでしたが、今回はしっとりと秋の真ん中にある落ち着いたステージだったように思います。そして、少しのサミシサを含む愛に溢れていました。人恋しいステージ、だけどみんな愛し合っているような、優しいコンサートだった気がします。終わってみれば凄い数の24曲熱唱でした。パワフルなShoyanに逢えて、今年も参加出来て本当に良かったです。

Shoyan、愛の継ぎ火をありがとう。
冬を越す胸の炎大切にします。
素敵なお誕生日、おめでとうございました☆

来年もあるなんてすでにわかっていてHappyです!
私もまた一年頑張ります。

と、この辺でバースデライブの感想おしまい。
また来年~~!

七氏

・・・

☆演奏曲目

1、地平線の見える街
2、男は明日はくためだけの靴を磨く
3、11月・ロマンス
4、あの唄はもう唄わないのですか
5、雨の物語
6、海岸通
7、星空
8、冬京
9、夏純情
10、秋の葉の栞
11、風の日の少年
12、冬の恋
13、3号線を左に折れ
14、22才の別れ
15、涙憶
16、ほんの短い夏
17、なごり雪
18、月が射す夜
19、君と歩いた青春
アンコール
20、時の流れ
21、海風
22、ささやかなこの人生
23、俺たちの詩
再アンコール
24、あの頃の僕は
☆前前書き
(ライブと関係ない個人的呟きです^^;)

さて、なんとか普通に動けるようになり、もう一つあった予約の座敷も終ったのでやっとパソコン開きます。普通じゃもう記憶の彼方~ですね(汗)。ただ、今これを投稿する時点になってまた喉がむせたりします。完全復調には時間がかかりそうです。

今回遠出をして体調を崩したのは、おそらくお医者さんから言われた食事制限で体重を減らしたからだと思います(糖尿病とかではない)。ビタミン摂ったり食事食材の記録をつけたり運動もちゃんとしていたのですが、やはり冬迎えはキツイ・・・例年のように喉鼻にきて更に行く前からの坐骨神経痛(過去の交通事故)までと、ナカナカの試練でした。

でも前述したように熱も出ず、咳もほとんどなくてコロナではなさそうなので安堵していますが、本当はメチャメチャ精神的に震えていました。Shoyanのコンサートで東京に出かけてコロナ罹ってきて家族にまでうつして仕事もキャンセルだとぉー?!という最悪の覚悟もして、本当に今回家族に心配と迷惑をかけてしまいました。すごく落ち込んでいました。太田裕美氏がTwitterでいつもおっしゃっている「コンサートから一週間経ってみなさんお変わりないですか?」的な問いはシャレにならないと痛感しました。(実際コロナ発症してお変わりがあった人はどしたらええねん^^;)

この健康ミッション、まだ半年以上は続けようと思っているので、これからも体調管理頑張って体力つけていこうと改めて思うのでした。

で、健康のことはこれくらいにして、実は、今回もう一つハプニングが・・・。いつもライブのメモをとるときはジェットストリームボールペンを愛用しているのですが、以前途中でインクが終って書けなくなり、なんとか同行者の赤いペンでメモを書いたということがあったので、ちゃんと開演前に芯を全部出して目視チェックしていたのですが・・・なんとー、今回席に着いて最初の日付を書いたらそのあとからインクが出なくなり、開演時には鉄筆状態になってしまったという、焦りまくりの試練があったのでした。メモ書きは諦めていたところ、途中でアンケート用紙の付属簡易エンピツがあることを思い出し、それでなんとか書きましたが、シャシャシャと音がするので、周囲に迷惑になるので文字少なめになりました。

そんなわけで、今回病で書けなかったこともありますが、そもそものメモ量が少ないので、本当に覚書き程度で記すことになりました。

でも、、、布団の中で心細い時間ずっと、、本当は幸せでありました。今回のバースディライブは、なんだかとても個人的に小さくこじんまりとした自分だけの幸せに浸れたような気がしています。

記録は少ないかもしれないけれど、心の中はShoyanの愛でいっぱいになったなぁと、優しい気持ちで今過ごしています。

そんなわけで、一応の覚書につづく・・・
 
※今回、全文一気に掲載してしまいました。長文ご容赦ください。
☆2022年9月10日(土)
軽井沢大賀ホール 16:30開場 17:00開演
伊勢正三LIVE~ほんの短い夏~

2019年を最後にコロナ禍で3年の空白をもっての大賀ホール、なんという愛おしい空間が戻ってきたのかと、真っ新な期待で参加したコンサートでした。このコンサートが無くなったのが一番堪えたし、悲しかった。無事に開催されて本当に良かったです。

当日、最近いつものように一人で山越え運転をして現地へ。軽井沢は何も変わらないように見えた。懐かしい顔久しぶりの顔、様々な旧知に逢えて嬉しかった。開場して中に入るとなかなかの混雑ぶりで、やはりすぐに席についてしまい、緊張で独りでじっとしていました。

※以下メモ書きなのでうろ覚えご容赦下さい
&同じことを何度も繰り返してます(汗)

・・・

☆曲目

1.夏この頃
2.時の流れ
3.暦の上では
4.あの唄はもう唄わないのですか
5.君はベージュ
6.雨の物語
7.海岸通
8.湘南夏
9.夏純情
10.風の日の少年
11.秋の葉の栞
12.ほんの短い夏
13.冬の恋
14.22才の別れ
15.涙憶
16.なごり雪
17.イノセント・ノベル
18.月が射す夜
19.君と歩いた青春
~アンコール
20.男は明日はくためだけの靴を磨く
21.ささやかなこの人生
22.海風
23.俺たちの詩
~再アンコール
24.終りのない唄

☆開演

蝉の声?小鳥の声?のSEでバックに木漏れ日のような照明、客席が暗くなると、ステージにミュージシャンの方々が登場。細井さんのピアノでイントロダクションの中、いつもの木の扉からShoyan登場!レモンイエローとプラム色の模様のシャツがメッチャかっこいい!!白いパンツにスタッズのベルト、でも靴が見えない、まぁそれはいいでしょう♪ もう、開けた襟元に超萌えなのでした。

久しぶりの大賀ホール、周囲客席にまんべんなくの挨拶をしてくれて、いきなりのMartinDー28で明るく軽やかに『夏この頃』!!!
軽井沢のステージによく似合う、この懐かしい優しい歌から始まりました。

あ~~、これだよ、このキモチが穏やかだった日の気持ちだよ、、と、忘れそうだった安心感を取り戻せました。もう一曲目からShoyanのパフォーマンスが調子よさそうで、声も伸びるし安定してるし、ギターも100%の音が出ているし、まとまっているしで文句なしの幕開けでした。

※ちょっとマイクの音がモヤって聞こえるのは席のせいかな、ちょっと聴きとりづらい音量の時がありましたが気にせずトキメイておりました。

お、このイントロは・・・力強いストロークが始まって『時の流れ』!
ヴォーカルは一音一音の区切りをハッキリとって、口の開け方からメリハリ・発音にもとても気を遣われている感じがしました。ギターのチョーキングも100%きっちり、アドリブソロもたっぷりの量で良い~良い~~~~と大満足でありました。
実はこの歌にトラウマがありましたが(汗)、大払拭出来まして、Shoyanの歌の懐に再び両手放しで飛び込めました。

どんどん続く『暦の上では』。
わ、久しぶりに嬉しい♪なんか明るい気持ちになってきた。若々しく軽やかなShoyanと"春"の気持ちを共有出来て、自分の歳とか忘れました。大事なフレーズを上を向いて歌い放ってくれて感激。春名さんのサックスと呼応しあって左右にノリノリゆらゆらするShoyan本当に素敵でした。
トゥララっ♪のスキャットも可愛く、「うれしくて失神しそう^^」なんて珍しいことを書いてあります(笑)。

ギターをLLカスタムに持ち替えると『あの唄はもう唄わないのですか』。
お、声が前に出てきた。聴きやすい。しかもすごくしっかりしていていい調子、万全!この歌を毎回歌われるのは客席の要望・ウケもあるだろうけど、Shoyanご自身が歌いやすいのかな?とも思った。あとに続く"いつもの歌たち"もそう思えば納得。Shoyanご本人が気持ちよく歌える演れる歌なのなら、もうそれでいいのかな・と思った。

岩井さんのエレキが泣くので泣かされる(涙)。Shoyanのダウンストロークが70年代のある日の雨模様みたいだった・・・

うーん、こんなカッコイイ70歳、他におるやろか・・と、トキメクこころが燃え始めました(*'▽')☆こういうShoyanに逢えて心底嬉しくて泣けてきた。

さてここで「改めましてイセショーゾーです」
とご挨拶&トーク。

良くなかった天気の話と気象庁の梅雨明け宣言の曖昧さをお話しされていました。
バックの春名さんは前日から軽井沢入りされていて、岩井さんと細井さんは当日日帰りで参加とのこと。以前は前日に来ていたけれど、会食も宴会もやめようということでそういうのはナシだと。前回は「あの時飲み過ぎちゃって・・・反省してます(汗」なんて、3年も前のことをおっしゃっていてクスっとしました。

「実は、僕はリハとか早いから昨日来たんです。独りで来て軽井沢の駅を降りたらシグレていて・・・湿気も多くて雨で・・・」

と、タクシー乗車待ちのお話を。
東京駅は混雑ですごい密で、でも新幹線で軽井沢駅に着いても誰にも会わない・ホテルに着いても一歩も外に出てません。が、そのホテルまで観光地で雨でタクシーを、となると軽井沢の駅で一時間半も待つことになり、けれどその時間は今手掛けている歌の歌詞を考えよう・とか、いい経験をさせてもらったと思っているとのこと。昔はこんなに長時間並べなかった、現に前に並んでいる男性二人組、後ろの十代二十代の若い女性二人組の不満タラタラの会話が聞こえてきていましたが、自分は悟ったのかな?など悟りの話をされていました。
※ここで『雨のTAXI』がチョット気になる

「みんなよく来てくれました」
「思い残すことないくらいやって帰りたいと思います」
と、思い入れの深さをうかがわせてくれるお言葉がありました。

と、次なる歌は・・・

『君はベージュ』!!!
あ~・・もう何をか言うまい、この一曲で報われる・・と、無心放心で聴き惚けておりました。夢にまで見た軽井沢のステージ、あぁ戻ってきた・・Shoyanと私たち。そう想える甘酸っぱいパフォーマンスでありました。高い音はサクッと手放し、各音もしっかり捉えてほんに、何かが薫るような素晴らしいステージでした。♪君はベージュのようだね・・・の箇所でピックを持った片手を宙に指し示して、気持ち込めて歌ってくれました。慰められて本当に嬉しかった(涙。

サングラス越しに目を閉じて歌う表情が見えた気がして、歌の世界を一緒に体験出来ている感覚がありました。本望です(涙)。

ここで椅子に座ると毎度のピチカートの導入で『雨の物語』。
"毎度"なんて思っていましたがなんと、イントロのShoyanのギターがめっちゃ良く、前かがみになってクチをフフン♪とちょっとはにかみつつ歌う甘い雰囲気がたまりません。春名さんのSaxを確かめながら左右を向いたりして手応えを感じているみたい?間奏のソロも完璧、120%のキラメキの音が出ていました。一か所だけ音がはずれたのだけど、弾き終わってカポをこつんと小突いていました。どうやらカポが緩かったのか、取り付け場所が甘かったのかな?カポタストに喝を入れる、なにやら面白い仕草でした♪

MCでは「こちらに来て一歩も外に出ていませんが、軽井沢久しぶりに来ました。軽井沢で海の歌、だけど・・・」

と、『海岸通』。
。ちょっとしたどよめきと大きな拍手。イントロは可愛く、けれどここでもカンペキで、ヴォーカルも滞りなくのびのびと、時々上に伸びあがってこなれたステージでした。すごい安定感♪

だがしかしこの歌の演奏前に持ち替えたMartinD-28のチューニングが、歌い出す前にどうも合わずにスタッフまで出てくるも結局チューナーを外してしまいました。電池がなくなったのかな??(適当な想像(笑))

次は4CapoをつけたLLカスタムに持ち替え『湘南 夏』。
うーん、、そうか、今年は鎌倉イヤーだからな!とか思う。この歌Shoyanご自身がメチャメチャ気に入ってるってことですよね。(THE伊勢正三には2曲も入っている)
♪ただ~それだけのこと・・・でニヤ~っと満面の笑み。Shoyanのご気分がよさそうなので聴いている方もマスクの下で口角が上がったのでありました。

歌い終わって、
「ハイ、『ショーヤン夏』という歌を歌ってみました」
と、聴こえちゃったんだけど、そんなこと本当におっしゃっただろうか?なんとなく、客席も一同(笑)という感じだった気もする。そんな面白いこと言ったとしたらメチャ楽しく心軽くなります。

「これはかぐや姫の頃の歌で、再結成の頃、、、、、なんというアルバムだったっけ?」と、思い出しあぐねつつ「Today(かぐや姫・今日)だ!」とわかると
「やばいよね、あれもこれも、、(汗)昨夜何食べたっけ?とか(笑)」

と、記憶力のことからお弁当のトークに(笑)。

新幹線でも崎陽軒のお弁当、
リハーサルでも崎陽軒、
東京駅と横浜の駅(新横浜?)では売っている弁当の容器の材質が違うとのことで、横浜は木のこだわり容器でご飯が冷めても美味しくて、東京駅はプラごみに捨てなきゃいけないヤツ、とおっしゃっていました。お寿司屋さんの笹や竹の皮の抗菌作用の話、その後も崎陽軒トークがさく裂し、ギターの西海氏のこだわり食事法や、崎陽軒社長さん曰くの正しい食べ方の説明など、かなり長時間を割いて崎陽軒のお弁当のことを熱弁されていました。崎陽軒のシウマイ大好き人間の私としてはちょっとお腹がすくトークでした。
(崎陽軒はミニ抹茶月餅もオススメだと横浜の妹が申しておりました(^^))

さて、「やはり古い歌の方が拍手が大きいな・・・」と、おっしゃりつつ「まだまだやってるというアピールもしないと、、」とRe-bornから『夏純情』。

五月に渋谷で聴いた時は夏を"迎え"る純情。今日は夏を送る純情。この夏も暑すぎた・・・もう純粋な気持ちは薄れゆく年頃で、自分にはこのあといくつの夏が残されているのかと思ったりもする。でも伸びやかな声と、高音を上手にいなして歌う今のShoyanのお姿に「前進あるのみ!」と勇気づけられたような気がしてスーッとミント香るような気持ちになれた。
※今回はステージの構造上、『俺たちの詩』も含め後ろのイメージ画像&字幕はナシでした。やっぱりその方がよかった気がします(個人の感想)。
演奏途中、岩井さんのマイクが不調だったのか、スタッフさんがシールドを取り換えにきていました。

歌い終わってちょっとほよーんとした感じのShoyan、次はとても可愛い楽器が出てきた!久々のウクレレベース♪今回はこれで『風の日の少年』!やった、嬉しい。最近、ギターやベースなど大規模に処分されたご様子だったので、もうRe-bornのベース曲はやってくれることは永久にないのか・・・と絶望していた(大袈裟な(笑))ので、ほんっとにほんっとに嬉しかった。

歌い出すまでに、譜面台の歌詞の紙が行方不明になってペラペラめくりながら「見なきゃ歌えないとは・・・」と汗汗。試し弾きしながら指が滑らないなぁと左手で小鼻をちょっと押さえて油分補充していたしぐさに親近感を覚えたり(Shoyanもやるんだ、と感動(笑))、「本来のベース(Jazzベースかな)は重くて肩が凝るし、ネック長くてこーんなで・・・」と手をのばーしてジェスチャーしているShoyanがお茶目でした。

ここで少し指慣らしでウクレレベースをフリーでひとしきり弾いてくれたのだけど、この短い指使いだけでもメッチャかっこよかったです。(興奮)

歌い始めれば肩を上げてウクレレベースの小さなボディを抱えてキュンとしたシルエット。まるで子犬を抱くようにご自身の心も抱えて、優しく颯爽とした歌に感無量でした。あの間奏のベースラインがまた聴ける日が来るなんて、涙出そうでした。

客席からものすごく大きな拍手。
「なんか嬉しいな♪今日一番拍手が多い気がします」
「それでは調子に乗って☆」なんてゴキゲンなShoyan。
「今日は夏を送る会、その歌はもう少しあとでやりますからね(笑)」
「で、ホテルの窓から外を見ていると、ハラハラ・・ハラハラ~って葉っぱが落ちて、そういうのイイナァって・・・」

と『秋の葉の栞』。
わー、もう二度と聴けないと思ってた(T_T)。
あの可愛いウクレレベースでちゃんとShoyanご本人が弾いてくれている、そして歌声は優しくホンワリとあたたかい。ずっとずっと聴きたかった、嬉しくて夢のようでした。バックの照明も木漏れ日のような模様になり、木の壁面にあたる照明がオレンジ色に光って切なくて、その真ん中で機嫌よくニコニコのShoyanが佇む姿は神々しかったです。

ベースも確実に押さえて、ところどころヴォーカルも強弱をつけて、♪葉鶏頭~!に夏の名残りを込めまくって歌ってくれた気がした。伸ばすところもたっぷり、♪気持ちだったの~、の語尾の下がり様は切なさの濃縮で、、、ちょっとだけ歌詞のあやういところもあった気もしますが気にならず、ほんっとに今ここでこの歌を聴けるシアワセを想うのでありました。

歌い終わって肩で息をしていたShoyan、やり切った感が満ちていました。

さて、いよいよの『ほんの短い夏』。
都会の中のワンシーンであるこの歌ですが、地下鉄のない軽井沢などにもとてもよく合うと思っています。人が沢山行き交う場所で、新幹線なら東京まで一時間余、そんな都会的な賑やかさの中で、自分たちだけの世界に生きたい恋人たちのことを思いました。

間奏のひそやかなアコギのフレーズが素敵です。囁き歌いで無理なくとてもいいです。2番の歌詞からは上を見上げて一生懸命のShoyan、歯がキラキラ光って爽やかで、"夏抱きしめてる感"に溢れていました。

続けて「一気に冬に行きたいと思います・・・」と『冬の恋』。
イントロの初音でキーが合っていないことがわかりやり直すも、すごくまとまって今日一番良いパフォーマンスなのでは?と思うほどゾクっとしました。Shoyanの握るピックが柔らかそうに見えて、、でもそのピックのアルペジオがたゆみなく力みもなく、本当にShoyanの凄いキャリアがわかる滑らかなアルペジオで感激しました。
サビの部分から徐々に照明ライトが明るくなり盛り上がり、これで夏を送れたなぁと思う。Shoyanご本人も腰を当ててご満悦☆でした。

「思えば66歳でこの冬の恋を作ったわけですが、3度目の22才の別れ、ですね(^^ゞ」

などとおっしゃりながら、作詞家の阿久悠氏のお言葉を引用して"街鳴り"するようなヒット曲がない今のご時世の話や、カセットテープやレコードを利用する若い人たちが増えてること(倍音のことも)など。

「後々評価されるような歌を、タクシーの乗車を待ちながら♪これからも曲を作っていきたい」というようなことをおっしゃっていました。

そのお言葉に続き『22才の別れ』。
イントロからエンディングまでShoyanのソロフレーズが冴えわたっていて、万全の22才の別れでした。(岩井さんは12弦ギターを弾いていたかな??)もう不動の王道の堂々たるステージで、昔からのファンの人たちは幸せだろうな、報われただろうなと、安らかな気持ちでおりました。

次の歌に入る前、ここでもイントロのならしでギターの倍音を出しまくりの放出しまくりで、大賀ホールに色んなバイブレーションが満ちてきた。キモチイイー☆と盛り上がりながらの『涙憶』。

原曲通りのイントロの指アルペジオとピックでのダウンストロークと織り交ぜながら粛々の涙憶でしたが、無理なく伸びやかで確固たるボーカルに得心でした。

例によってここでお着換えタイム、、、なのですが、私の席からは斜め後ろの出入り扉の奥までまっすぐ見える位置だったので、バックヤードに消えてゆくShoyanのうしろ姿がずっと見えていました。名残り惜しく目を凝らしていたら、、開けられたドアに消える瞬間、歩きながらすでに胸元のボタンに手をかけ、シャツの前を外して脱いでゆく仕草が見えて凄くドキっとしたのでありました。シャツを脱ぎかけるShoyan見ちゃった・・・と(赤面)独りで悶絶しておりました。
(意識しすぎ自分(笑))

長い間奏の間もその光景が脳内で繰り返され、人事不省になっているところ、いつもより短い時間で再登場。次はどんな衣装?と思っていましたが、ピンク寄りの赤とブルーの太いボーダーTシャツで、なんだかカジュアルなShoyanで意外でした。「ギャップすぐる!」と私は違う悶絶をしていたのでありました(笑)。でも、まとめのソロのギターがめちゃ渋くてカッコよく、素敵でありました。

そのままに『なごり雪』。
そんなカジュアルさだからだろうか、若々しく青春のなごり雪。慣れた曲ならば尚更に表情に余裕があって、岩井さんのマンドリンのような繊細なエレキのフレーズと相まってノスタルジックなステージでした。歌い終わって両口角を上げて、やはりのご満悦表情でした。

なんとなく、もうコンサートも終盤??なんてサミシク思いつつ、待っていると『イノセント・ノベル』ではありませんか!!!Re-born曲が多くて嬉しい!!

わー、イントロのストローク、フレットのスライド、全部よく見えてめちゃ感激。今回一応一桁席だったので、双眼鏡なくてもShoyanの手元がよく視えた。こんなに見えたの何年ぶりか、、、

ここでもShoyanの囁き歌いは正確万全なのだけど、このアップテンポのシャイニーな曲の時はもう少しボーカルの音声にインパクトが欲しいなと思ったりしました。間奏の細井さんが熱演でさらに盛り上がります☆後半から客席の手拍子が裏打ちになって興味深かった。

さて、いよいよのお月見ソング『月が射す夜』ですが、Shoyanは今日が十五夜だということは意識されていなかった模様で、中秋の名月についての言及はありませんでした(*´▽`)ソレモマタヨシ。

テケテケがフレットを上下して演奏が始まると、とてもまとまりのあるノリノリのステージで自分の気分も最高潮でありました。ほんにね、、、猛暑酷暑の今年の夏。毎年乗り越えるのが辛くなってきた。けれどこの歌があるから、夏がゆくときにこの歌を聴きたい・歌いたい・がために、暑過ぎる夏を詩的に過ごせるのです。

Shoyan、今年はここでこの歌を聴くことが出来て本当に幸せですよ、と心の中で深く感謝。

しかし、Shoyanのお声のボリュームがここでもすこし小さめに思え、モワモワして歌詞がよく聴こえない。そういう場面が今までにもあったので、これは大賀ホールのCエリアの特性なのかな?自分たちは歌詞を知っているので脳内補正出来ているからいいかな・・とも思う。Shoyan御本人の入れ込み具合、誠実さがバリバリ伝わってくるので感激が深い。ギターもギター全部のすべての音を出そうという姿勢や仕草に熱いものを感じる今日のステージでした。

「この歳まで歌ってこられてキセキなのですが、このコンサートも2年出来なくて、、、でも今日みんなに会えて本当に嬉しかったです、いつも支えてくれるみなさんに、、心からありがとうございます!」と、Shoyanからの真心こもったお言葉に、客席から大拍手が沸いたのでした。

次の曲が何かわかっちゃったけど、、、ここでグッと泣きそうになる。今日この時はキセキなんだなって。Shoyanがギターを弾いて歌って、私たちは大賀ホールの椅子に座って、同じ空間で同じ音を聴いて楽しむ、それは奇跡なのだと痛感した。感動のステージでした。

そして万感の『君と歩いた青春』。
イントロのみギターを弾くとあとはスタンドのマイクを引き寄せて歌う。とっても好いヨShoyan、とメモにハートマークが書いてある。不思議と今日はこの歌が一番軽井沢にマッチしているような気がした。今は新幹線ですぐとはいえ、一昔前は十分に"故郷(くに)"だった。ここへきて都会と地方のキョリにも変化が起きてきている。ネットで買い物ができるし、リモートで仕事も出来るし、交通機関も便利になり、リゾートも僻地も近くなった。この歌が経てきた距離、そんなことを想いながら聴いた。

バックの照明が真っ赤な夕焼雲のようになり、ホールの自然素材の造りに映えて美しい。天井のアクリル装飾を見上げると、ペルシャ絨毯の上で歌うShoyanの姿が映っていた。

万雷の拍手、何も言うことがないほど、客席とステージ上の一体感があった。コロナ禍で分断されたものがまたひとつになれたなって思ったのでした。

~アンコール

Shoyanを待つ拍手の渦の中で、大賀ホールって客席の拍手も良く響くんだなって感激していました。ほんに良いホールだなぁ。

みんなで再登場して、岩井さんの♪ワン・トゥー!で始まったのは『男は明日はくためだけの靴を磨く』!なんとーー!嬉しい~!この歌、自分のある意味でのテーマ曲なのでメッチャ感激しました。ここでこれ!!堪らんっ、Shoyanにヤラレターと思ったのでした。

途中やはりギターを弾かずにピックを持った手でジェスチャーしながら熱唱でマイクを抱えたり、自ら手でクラップしたり、時に♪やさしい女がどこかにいたような気がする・・・などは含みを持たせて、なんとも表情豊かなステージでした。もう、昇天しましたワタシは・・・(抜ける魂)。

そしてその熱気のまま『ささやかなこの人生』。
一同起立っ。そして手拍子、この手拍子が凄かった。合いの手のパン、パパパン♪が破裂しそうなくらいの大きな音で、客席すんごいチカラ入ってるなと嬉しくなりました。あんなに力のこもった合いの手拍手は聞いたことないと思いました。モチロン、当のShoyanも満たされた感でみんなが嬉しい一曲でした。

そして、おぉ、やっと登場だT’sT!
イントロに入る前の倍音シャワーマシマシ!!!いやすごい、やっぱり大賀ホールすごい、皮膚に沁み込むほどの倍々倍音になっていました。

ここでニヤッと歯が見えるような笑顔でイントロが始まると、Shoyanの髪の毛がポヤっと立ってきて色んなものが立ち昇って来た。高いフレットのストロークがサクサク小気味良くて気持ち良くなり、たまらぬ心地でした。

※曲の合間に必死にメモをとる私、どこからか視線を感じる。「このオバサンなにやっとるねん」と訝しむ人がいたかもしれません。スミマセン(汗)。

そしてShoyanは水をひとくち飲むとJ-50を抱えて『俺たちの詩』。
渾身のイントロ、GibsonJ-50の凄い音がする。これもまた今までで一番いい厚い音に聴こえる。Re-born以降一度あった2019年の軽井沢でこの曲は歌われただろうか?とにかく私が行けたライブの回数は多くないが、今まで聴いた中で一番濃くて胸が鷲掴みにされるパフォーマンスだったし、Shoyanが吐くナマの熱い気焔が見えて、歌の意味・言葉の指し示すものが本当に"リアル"だった。これこそがLIVEの醍醐味、ヴォーカルも150%の極太で最高でした。

以前よりより繊細になったソリッドな岩井さんのエレキギターが絡んでとても大きな歌になって、会場の隅の隅まで今現在のShoyanの想いがギュッと届いたと思います。心揺さぶられる素晴らしいステージでした。

歌い終わって、、汗か、やはり涙か、、Shoyanはサングラスをずらして目元を拭われていたように思います。激動のこの数年、歌う方も聴く方も辛いことやるせないこと沢山で、、、でもこの時、双方の堪えていたものが一気に溶けた気がします。再会の喜びの涙をお互いに拭いあえたような、キラキラとしたコンサートでありました。
今書いていて想い出して泣きそうです(涙)。

両手を挙げて、客席とエアハイタッチなShoyan。本当に素敵でした。

~終演の再アンコール

大団円の中、ミュージシャンみなさん舞台前に出て挨拶をして去ってゆくと、Shoyanひとりで戻ってきてくれました。

「また、どこかでお会い出来たらサイコウです」

と、D-28一本で『終りのない唄』。最後の最後まで嬉しい♪

・・・だがフト、べるが最終回のラストを思いだしてしまった。
あの時も似たような感覚だった。
最高の最高のラストは、それが最後だったなと。
今回、最初の方で「思い残すことないくらいやって帰りたいと思います」なんてお言葉もあった。

けれど、この歌の途中で
♪誰かがきいていてくれる限り~の箇所を
「♪みんながきいていてくれる限り~」と唄ってくれたので、客席一同キュンとしてしまいました。どこにいても、どこまでも、ついていきますShoyan、と強く想ったのでありました。

先のことは考えず(これからのことはワカラナイ)、「今」とそしてちょっとの「明日」くらいをささやかに想いながら、手元にある"小さな深さ"を大切にしていこうヨ、と言われたような気がします。


メモはもうここで終わっています。
Shoyanもまた扉の向こうに去って行かれました。

・・・
☆あとがき

終わってみると、今回は恋する二人というよりは男っぽくて、でも切ないラインナップだったように思います。人生訓を絡めての、様々な愛のバリエーションで甘さと苦さを噛みしめる深い一夜でした。

伊勢正三というひとりの"オトナ少年"のチャレンジ精神と悟りのようなもの、出発点と到達点、そしてまた新たな一歩、聴く者にも勇気を与えてくれるような寄り添いを感じるステージだったと思います。もちろんいつも大感動だけど、ここ数年で一番の、というか、感じたことのない種類の深い感動でした。やはりみんな、聴き手も歌い手もこの数年で深く傷ついたのだと思います。その傷の深さの分だけ癒しも大きかったのだと思います。Shoyanの歌そのものそのままの世界がそこにありました。また来年もあるといいなと静かに待ちます。

帰り道、山を越える頃には霧の合間に中秋の名月が光っていました。どこまでもついてきてくれる満月の光、伊勢正三の音楽はいつもそんな風に私の傍に在ってくれるのだと、余韻を噛みしめながら家路につきました。

久しぶりの軽井沢大賀ホール、ライブの感想でした。
長文最後までお読みいただき感謝です☆

おしまい


終演後、入り口の前にはナナカマドの樹があることに気付いた。
軽井沢駅にも何年かぶりに寄ってみた。

また少しづつでも日常が戻ってくるといいなと思いながら迎えた秋です☆

プロフィール

HN:
No Name 七氏
性別:
女性
職業:
飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
趣味:
林道歩き・鉱物鑑賞
自己紹介:
伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

☆提供曲などに関してべいどん氏のご協力をいただきました。心から深謝いたします。ありがとう!

☆ミラーサイト(予備)
http://shoyanlove774.jugem.jp/
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