Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。 管理者∶No Name 七氏−1.0

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♪夏まぼろし
それは時の流星
夜流れる
君は時のしずく

アルバムタイトルにもなっている『時のしずく』という単語が入っている一節。

でも、どういう意味?

夜空に一瞬見えて一瞬で消える流れ星と
このひと夏のこのひとときだけのキミの姿
若さと純粋と、ときめきの面影
ハッとする儚き一瞬、それらを重ね合わせたフレーズだろうか

"時のしずく"は時間の断片の一種ではないかと思うのだけれど、それは紙片やポラロイドのように情報量の多いものではなくて、すっと滴り落ちる光の液体みたいな儚いキラメキなのかと思う。掌で受けたはいいが、すぐにこぼれ落ち、蒸発してしまう・・・どうしたらコロンとしたガラスのドロップにして保存できるのかな。

Shoyanの歌のスタンダードな素材がここでもちりばめられていて、「石段・浴衣・風鈴・通り雨・夏この頃、風が止まる・・・」と他の歌たちともリンクしている。それだけShoyanご自身の思い入れの風景なのかなとも思うが、一方で「ロケット花火」なんてチャレンジもある。

ロマンチックな歌にしやすい花火?と言えば「線香花火」・・・の引用は処々多いと思うけれど、そうしないのが伊勢正三のこだわり・というか心意気というか、私がShoyanの歌を好きでいるポイントでもある。「ブロック塀」とか「コンビニ」とか「戦闘機」から「和菓子屋の前でチョコ好きな君」「ネパーリアン」まで、Shoyanの"スタンダード崩しの妙"にやられるわけです。

ロケット花火で遊んでいいようなおおらかさ、今はない。この歌の頃1996年頃だってもう住宅街では遠慮してたのではなかろか。すでにこの歌が懐かしい。8月の夜には秋のイントロ、その熱帯夜の無風の中に響く一抹のせつなさだ。

橋を渡る夜行列車、ロケット花火の音、は今ここにないもの、遠いもの。今、目の前にいる君に釘付けで、心はそれでいっぱいなはずなのに、逆に遠い広い空間を感じさせるフレーズが挟まれるために、更に彼の"今この時"の凝縮感は増す。

浴衣ということは夏祭りでもあっただろうか、けれどこの静けさはその外か終わった後か、、むしろこれからが欲しかった時間の始まり・・・という若さの期待感が見え隠れしているように思う。

この時、彼女が弾いた風鈴はまさに彼の純情そのもの、彼の心をじかにそのウブな白い指と爪でツンと弾く・・・男子はタマラナイだろうなぁ~とちょっと悶絶。通り雨でアタマ冷やしたのかな・などと、フフとなる。

この 『夏の流星』の風鈴は薄いガラスの丸い風鈴なイメージ。

『月が射す夜』の風鈴は南部風鈴のような鋳物のイメージ。

手元でチロリン♪と鳴る可愛さと、遠くまで幽けき音で届くオトナの音とのちょっとの違いを想像して楽しんでみたりする。

夜店で彼が買ってあげたのかな♪


そして後半突然に

♪閉ざされたビルの窓
ふと都会の憐みすら感じた

と、この二人の風景と関係なさそうなふり幅の引用。我に還るよね。このビル視線が今現在で、君の浴衣姿は記憶のまぼろし(想い出の中)なのか、それともこれは同時に別の場所にあることなのか、それはわからない。「夏この頃」とあるから、今なのかな。

でも歌の作者からのひとことコメント・みたいな感じで、通り雨もない虚しい無限猛暑の都会と若き日の瑞々しさの対比がハッキリして立体感が出る。この作り込みがShoyanの歌の命の永さなんだと思う。この「安易な作業(あの頃だけ)で終わらせない」というShoyanの姿勢が大好きなのであります。尊敬の極みです。

・・・

このアルバムは海外で録音して、海外のベテランミュージシャンたちのプレイがカラっとして今でも味わい深い。

当時Shoyanご自身の演奏が少なくて不満だったが(笑)実際はモノスゴ確かなミュージシャンたちの演奏だったので、今聴くとまったく色褪せず、とてもしっかりした出来上がりで経年を感じない。人の生身のプレイがガツンガツンときて、全編どの曲も聴きごたえがある。ドラムなんて超~カッコイイ!

この歌も、♪チュクチューン(謎)の佐橋氏の、イントロとエンディングの掬い上げるようなエレキのフレーズも歯切れよく男前で、"女々しくない叙情"が溢れてくる。アコースティックでメロディアスなアレンジではなく、カッコヨクしたのがメチャいいなぁと思っている。

メインのShoyanの声はユニゾンになって、なんとなく遠近か今昔の二つの世界の重なりを感じさせてくれる。Shoyanの最強武器のひとつであるファルセット(裏声)が、ちょうどそのフレーズの"空間感""膨らみ感"を引き出していて、ノスタルジーの夜風景に聴き手も引きこまれてたまらない気持ちになるのだ。

・・・

今になって、その"憐れみ"は都会だけのものではなくなりつつあるように思う。

通り雨に夜温が下がらず、日中は植木も枯れるほどの極端な夏は・・・

自分が自分に目覚めた頃の、あの瑞々しい時間が湛えられていた夏。そこで遇う君の一瞬一瞬が流れ星のようにすっと浮かんでは消え、通り雨のように窓を流れては消え、蝉・花火・朝顔・かき氷・祭りの夜店・帰省の想い出・・・夏とはなんと儚いものの多い季節であるかと、歳をとって今余計に想う今日この頃です。

8月の歌でしたね。お盆前には流星群があります。夜空でも眺めてみましょうか・・・☆
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飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
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林道歩き・鉱物鑑賞
自己紹介:
伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

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