Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。

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何度も言うようだけれど、アルバム『メガロポリスの錯覚』は、私には特別に覚醒的なアルバムだった。なんと言っても、ずっとShoyanに歌って欲しいと思っていたBossaNovaなアレンジの曲が二つも収録されていたからだ!

『水槽の街』と『二つの朝』、ダブルJUN!氏たちの最高にWetな完成度の高いアレンジに、Shoyanの抑えに抑えた熱をはらんだ低い声が絡んで、独特の色気を醸している。この頃のShoyanの低音ヴォイスは私の密かな独りだけの宝物だった。今でも好き過ぎて聴くたびに苦しくなる。だからRe-bornで更に厚みを増して戻ってきてくれて、今また本当に悦びなのだ。

この歌のラストの長い余韻を聴き終われば、まるで一編の映画を観終わったかのような充足感を得る。

梶原順氏の至極まっすぐなGutギターの清新さ。浜口茂外也氏の軽やなパーカッションのリズムがWetな中に風通しを感じて飽きない。フルートの息吹とドラムスのロールがドラマチックなエンディングを盛り立てる。そして音が終わった後の静けさに自分の溜息が加わる。

Shoyanの数ある"シネマチック"な曲たちの中でも、特に"視応え"のある歌だなと思う。カメラワーク、コマ割り、サイドストーリーや伏線回収が事細かに想像できる素晴しい歌だ。

真っ白な粉砂糖がかかっているだけの、一皿のガトーショコラのような濃密シンプルさがこの歌の魅力で、何年経っても聴くたびに深くときめくのだ(憧)。

・・・

♪君に一つ預けてる朝を
  も一度だけ僕に返して欲しくて

預けているのは一つなのに「もう一度」とは、ひとつなのに何度もやり取りできるものなのか?しかも彼女はそれを自分の意志で受け取ったのだろうか(後述)?

「預けてる朝」って何だろう。
二人それぞれの「二個」の朝。
一人で迎える朝と二人で一緒に迎える朝「二種類」の朝。
どちらとも言える。

この彼のこの行動からすると、「別れた日」から今日まで心の中は段階を踏んでいて、何かの勢いで破局したものの、今になって幸せだった「二人の朝」の想い出に心が揺れていたのではないだろか。

君と共有していた幸せな時間=朝・を、すべて清算したくて(完全に未練断ち切って)彼女と俺はやっぱり相容れない違う存在なんだ!って確認したくてここに来たのかと思った。

女が一人で夜を問わず外出している=よくないこと、というこの古臭い融通の利かない彼。しかも、思い切れなくて吹っ切れなくて彼女の部屋の前まで行ってみちゃう。どんだけ気になってるねん!と。ここで彼女が「ウェーィ」な感じのオラオラ系の男友達と朝帰りしてきたらどうするつもりだったのだろう?ifの場面を色々想像してしまう。女の私から見たらちょっと情けない彼。勘ぐり&待ち伏せうろうろストーカーギリギリ気質?とさえ思ってしまうほど・・・。

けれど、曲ラストの、そんな彼はこの素敵な彼女に実は想われていたという事実に、こんな彼だってナカナカのイイオトコなのかもしれないとも思うのだ。本当は互いに一歩踏み込めば似たもの同士愛し合えたのではないか?

先に踏み出したのは彼女だった。
この彼女の凄いところは、ちゃんと"自分を愛していること"。しかもその上で彼のこともちゃんと理解している。しかもしかも押しつけがましくもなく、「もしかしたら」という非常に絶妙な加減の備えで彼の好きな香りの紅茶を戸棚に未開封で忍ばせてあるという・・・なんというオトナな女性になったのだろう。

「僕に返して欲しくて」という、誤解の解ける日を彼女は意識してその"朝"を預かっていたのかと思う。でも、ポストに新聞を数日分も溜めちゃうような「好きになったこと(星の撮影)には集中し過ぎちゃう」ような可愛いところもあるのがまたヨイ☆

一番救いのない歌が『ほおづえをつく女』だとしたら、一番報われる歌がこの『二つの朝』ではないかと思っている。(個人の感想です)

・・・

二人で棲んでいた時、きっと彼は「俺に寄せてくれ」と思っていたのかもしれない。融合こそが二人が一緒になることだと思っていたのかもしれない。でもそれが余計に二人の乖離を招いた・・・でも今、この彼女の存在意義そのものである広大な心の宇宙のその寛さを、先入観のないゼロ視点で彼が目の当たりにしたとき、彼女の中に自分がストン、と収まったような気がしたのではないだろうか。


朝は無理矢理に混ぜるものでもなく、ふっと目が覚めた時の、開いたまぶたの先にあるものを自然に見つめることなんだと・・・多分この数時間後に彼は気付く。

・・・ ・・・

だがしかし、これまた25年以上経って今、やはりある意味では「二人の朝は二つの朝のまま」なのではなかろかと想ったりもする。同じテーブルで同じトーストを食べていても、、、なんだかやはり二つの朝な気がする・・・。一個のみかんの中に袋がいくつもあるように、各々の朝がひとつの愛の容れ物に収まっている。そんな調和が幸せの風景なのかもしれない、とそんな風にも考えている。

そしてそれを踏まえたうえで

「あなたはアールグレイ、私はキーマンよ♪」

って平和なお茶の時間を持てたらいいと思う。

※この歌を一番最初に聴いたとき、♪僕の好きだったあの日の香り・でアールグレイをイメージした。ベルガモットの薫りが私は大好きだったからだ。それから何年も経ってラジオか何かでShoyanご自身もアールグレイの紅茶が好きだとかおっしゃっていたような気がする。なんとも他にない香りで、紅茶そのものの香りではなくフレーバーティーなのだけれど、某東急デパートの喫茶店でバイトして覚えた香りなので、今でも忘れ難い。(アイスミルクティー美味しいデス(*´∀`))


紅茶も、ナゼか昔の方が美味しかったような気がする。今は水が変わったせいか、同じブレックファストでもどこか違うんだな・・・

この彼の好きだった香りの紅茶は、本当は何なのかわからない。ストレートなのかフレーバーなのか、茶葉のメーカーによっても違うし、、、けれどそれを知っている彼女は彼にとっては唯一無二の存在なのではないだろうか。「理解されたくば理解しろ」という示唆なのかもしれない。

その紅茶の缶の、封の賞味期限内に開封できてよかったネ☆


追:しかしこの彼女、伊勢正三のラブソング中で一番の"イイ女"ではなかろか。こんな女性が居たら私でも惚れます(*´▽`*)~3 タメイキ。


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飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
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自己紹介:
伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

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