Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。

2025/08    07« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  »09
gardenのアルバムの中でこの歌は他より少し距離感が近くて、そのことをずっと大切に想ってきた。けれど、当時のgardenのあまりの眩しさに、深く考えるのを遠慮しながら月日が経ってしまった。

Re-bornの後である今は、この歌の前後が解るようになった(と思う)ので、改めて裸の心で堂々と抱きしめたいと思う。この歌も"恋の海抜ゼロメートル"な、伊勢正三の多彩なラブソングの基準点にあるような一曲だと思っている。

・・・・・

♪君と初めてのデートは
こんなボードウォークの街もまだなかった頃の・・・
私は、自分が横浜に長年住んでいたものだから、つい、みなとみらい21や金沢八景あたりの商業港湾風景を想像してしまうのだけれども、海国日本は国中に大小の湾があって、観光や漁業・交易の港があるから、どこででもこの歌を想うことが出来る。

その昔、山下公園中華街マリンタワー以外の場所は戦後から放置された裏寂れた倉庫や埋め立て地が多かったように思う。(これを機に調べたら大きな造船所の存在もあったようだ)

それがみなとみらい21構想という再開発ですさまじい変貌を遂げた。その数年の間はまるで魔法のようだった。今あるものすべて無かったのだから・・・
※赤レンガ倉庫群や大桟橋は綺麗になって残っていますが。

人の心も何度も移り変わる。
この歌の恋人未満の二人にはどんな月日の変遷があったのかな。
そんなことも今は考えてみたりする。
・・・
目を閉じてる君が見えている「遠く」とは、彼が見ることのできない時間。彼女が欲しかった未来や手放した過去、もしくは胸の中の真っ暗闇の空っぽ。この彼女はもしかして、今=現実を直視したくないのかもしれない。

本当に辛い時、目をあいていても周りの景色は雑音のようで、新しい情報なんか要らない・と動けない時がある。

でも彼が冗談ぽく思えるような過去の一場面を引っ張り出してきたために、彼女は悲しい自分の過去ラインを分岐できたのではないかと思う。そしてちょっと気付いた、「あれ?こっち楽しい」って・・・

「え、あれ"デート"だったの??」と、
そして
「悲しい物語ってナニよ~!?」
と、苦笑いしたことと思う。

シリアス気分な彼を冗談ぽく思う、すでに食い違っておる。
相手を想うことと、想われることは全然違うもので、それが同じものになるための気付きはこんな何気ないところから始まるのかもしれない。そしてその食い違いが"昔の笑顔"を取り戻したりする。

そもそも「妹みたいな気持で」接したいと思っているのに「好きだ」と告げてみようとする彼の方だって自己食い違いの矛盾を持っている。それこそ「生きがいと余計なもの」が同義なように・・・恋の始まりは違っていていいのだ。

※「肩を抱いたり髪を撫でたりしたい」ってホントはメチャerosですよ。伊勢正三作品中一番エロスなフレーズと思います。だから一番好きなフレーズです(*´ー`)。このあとに続くセミアコエレキの音は、すでに彼女の髪が鼻先をくすぐるような、ためらいがちに宙をなぞる彼の指が視えるのであります。この"ちょっと人目を気にするような"Shoyanのエレアコの音が全編でもどかしく鳴っていて、それもまたgardenらしいなと思うのであります。

・・・

♪戦闘機の爆音 今も未来は遠い
そんな時代に僕等は 何を守って
何をなくして来たの?

唐突に思えるこの数行。

※実際、横浜だと厚木基地などがあるので戦闘機はよく飛んでいます。墜落するのを見たこともあります(^^;)。

この二人には荷が重いような大きな問いがポンと載せられている。戦闘機は過去からの使者、けれど未来への案内者ではない。過去は替えられないけれど、未来は自分で選んでいくもの・ということだろうか。

未来は今は見えない。
見えないと遠いのだ。
すぐ目の前にいる彼女の胸のうちが見えない、だから自分の心の行く先が遠い・・・海と陸の狭間に立っている彼女を、横から弓なりの波打ち際に重ねて眺める彼、二人はまだ交差しているだけ。

"BaysideEye"は水平線を見る果てしなさと、渚のボーダーな横並びをもどかしく思う交差のダブルなまなざしだ。雑然として空き缶が転がっていた昔の波打ち際を上書きしたボードウォークや桟橋さえも、すぐに錆びて傷んで変化していく。抗えない潮や波と言う大きな作用で、結ばれるのか?剥がされるのか?この後の二人の波打ち際の何十年が知りたい、と想いながら聴き続けてきた。

・・・と、それがRe-bornに続くと思うのであります。セットで聴くとわかるものがあると気付いたのです。16年ずっと考えていたら、gardenでのモヤモヤ(具体的に出来なかったもの)がちゃんと答えになって実体になった!と本当に歌の時間の凄さを感じたのです。

もちろん往年の名曲たちを当時から知っている人たちはすでに経験済みな事象かもしれないですが、一曲を永く聴くと、歌には命があって枝が伸びたり枯れたり掘り起こしたりすることがあるのだとわかるのだ。今更ながら感激しているところです。

・・・

♪そのペットボトル 君の
リップバーム・ミントの香り
今でもまだ 僕の心が駆け足になる

って、この彼女、リップバームだけのすっぴんなのかな?
唇に色を乗せていないということは、目や肌などの他の部分はモチロンほぼ素肌に近いはず。

口紅は最初で最後の砦なハズ・・・!?

この二人、きっと子供ではない。
そんな彼女が男性と会うのに化粧をしない。
自分が口付けたペットボトルを預ける。
そこにこの彼に対する彼女の無意識の"信頼"を感じる。
※だかしかし、無意識の"無防備"なのだとしたらひじょうなる罪なのだが・・・(汗)

そのすっぴんの彼女の方が二人の先にあるものに気付いているのかもしれない。
妹のようで本当は姉のように・・・
傷ついて還ってきた女は彼よりも少しだけ成長している。「遠くまで見える」ってそういうことも含まれている気がする。

しかし、彼にとってこの香りは、「今でも」といいつつ、記憶ではなく未知なのだ。そんな間接Kiss(懐!)なんてことでさえドキドキしてしまう、なんという初歩の初歩!恋の花だ。

彼このあと玉砕覚悟で未来を始めようとする。自分で自分の未来に彼女を巻き込もうとしている。振り払われて傷ついて完全に剥がれ落ちるかもしれない。でも、彼も彼女と一緒に傷付きたかったのではないだろか・・・友達のまま取り残された自分の想いを、みっともなくてもいいから捧げ尽くしたかったのだ。自分の純粋な一途さに殉じる覚悟。そして、自分が傷付くことで君の傷も引き受けたいと、無意識に心が動き出してしまったのではないかと思う。

好きな娘の唇や髪や肩を想ってドキドキとする気持ち良さは大いなる利己だ。そして、自分が傷付いてもいい・と思うことも、それは犠牲ではなく実際はエゴだ。

でもそのエゴアクションは、もしかしたら彼女の傷を埋める可能性もあるのだ。やらないよりやることが大事な時がある。そんな年頃なのだ今は・・・。人を愛する利他の気持ちと、自分の気持ちを尊ぶ利己が同じことなら、それは最高の恋愛だと思う。

※この二人、すでに友達である。時を経て恋が醒めても、きっと友情という一番の絆で仲良しさんでいられるのではないだろうか。今はそんな希望的観測聴きをしている。男女間の友情はきっと何よりも強いと思うから・・・

・・・

そうそう、この歌はアルバムが発売される前に渋谷のライブスペースで弾き語りギター一本でお披露目してくれたことを覚えている。※古川昌義氏との対談ライブだったか。
はにかみながら新曲紹介してShoyan独りだけで歌ってくれた。

自分語り恐縮だが、私はこの時、壁際の席で泣いた。
周りの人たちに気付かれないように、まっすぐ前を向いて泣いた。大粒の涙がぽたぽた出てしまった。歌詞もないままにShoyanの声だけで聴く初めての歌だった。

その歌に至るまでの数年間、自分の私生活は人を傷つけ傷つけられ、気持ちは荒んですべて無くして、ゼロから始めなおした頃だった。

「許せないんだ 君が傷付いてしまうのは・・・」

このひとつのフレーズが、嫌なもの悲しいものを一瞬ですべて葬り去ってくれた。

悪いのは私なのに、この歌だけは味方をしてくれた。この歌の恋人たち(未満)とは違うストーリーではあるけれど、この時伊勢正三の歌の中にこんな真っ直ぐな言葉があったことで私は救われたのだ。それは完全な独りよがりだけれども、歌が時として寸分違わず誰かの痛みに作用して抱きしめてくれる瞬間がある。慰めなんかじゃない慰め、理由の要らない、純粋な肯定を歌は聴き手に与えてくれる時がある。

そんな風に"自分事"として聴いても許してもらえたらと思う。あの辛い時間も、この歌とこの恋人たちのおかげで、綿でくるんでそっと記憶の底に仕舞っておけるようになった。

愛は寂しい・・・

だから、誰かが作る歌や詩にかりそめの道を示してもらいたいんだ。そしてそれがいつしか自分の未来に辿り着いていたなら、歌と聴き手がひとつになれる素敵なことだナって想う。

歌は永い・・・

伊勢正三というアーチストはご自身の一生を使い尽くして、命を込めた渾身の歌をお創りになっているのだなと、今改めて強く感じている。

この歌のことを書くのに19年かかってしまった。
海の香りも港の賑わいも今は遠くなってしまった。
泣きながら歩いたあのボードウォークの靴音をこの歌に預けたまま・・・

私の人生の谷折り線のような大切な歌、これからも折に触れ少しの涙を伴に聴き続けていきたいと思う。

懐かしい歌をありがとうShoyan


※・・・一度「好き」と言いかけたのだから
「****」は伏字のままでもよかったのでは?
なんて想ってる。

Blue~Yellow~Bayside~・・・
次はどんなEyeのSoulかな?(*´ω`)

お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
管理人のみ閲覧

プロフィール

HN:
No Name 七氏
性別:
女性
職業:
飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
趣味:
林道歩き・鉱物鑑賞
自己紹介:
伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

☆提供曲などに関してべいどん氏のご協力をいただきました。心から深謝いたします。ありがとう!

☆ミラーサイト(予備)
http://shoyanlove774.jugem.jp/
このブログサーバーが落ちて表示されない場合は↑に避難しています。

検索窓的な♪

☆曲目や記事の内容単語など、ここから検索できます

フリーエリア

P R

フリーエリア

フリーエリアすますまほ

<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- Nanashiのものろーぐ --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS /  /