Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。

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※これまた昔書いたものに加筆。

・・・

『夜のFM』という歌は、ちょっとだけ可哀想な曲かもしれない。

いや、"可哀想"は不適な言葉だ。だけど、今・現在は他の曲より一歩下がって、仄かな蔭があるような、特殊な位置の歌に思われる。

BEST盤のWORKSやソロ・シングルス・プラスには何故か収録されていなくて、チョット寂しい。一時期(大昔)、この歌はLIVEの華的存在で、その頃のShoyanの傍にいつも居た。ステージの盛り立て役だった。

その後、休養してたShoyanが復活してからはBossaスタイルにドレスアップして、数々の新曲たちの中で時折アダルトな色を添えてくれた。けれど、知らず知らずのうちに段々と有名曲オンパレードのジョイントライブやKAZEひとり旅などが増え、ソロの曲が演奏される機会が減るにつれ、この歌に遭う機会が減っていったように想う。

(これも私が聴きにいけていないだけかもしれないが)

でも、だから、それを60thのアニバーサリーライブに持ってきてくれたのは嬉しかった。この歌は、なんだか"昔の恋人"みたいな、どこかに置いてきたもの・みたいな、止まっている時を含んだ曲だ。

・・・

♪はりさけそうな心 打ち明けられないままで・・・
♪渡したくない気持 君を誰の手にだって・・・

この歌を知った当時は、情熱的な部分が印象に強くて、恋の中にいる時間のことばかり聴いていた。歌と一緒に軽い興奮をいつも感じていた。

だけど、、、最近はやっと、「突然思い出して」の前後の機微を深く感じる。
ソレガマタ セツナイ

2011年11月13日の佐藤準氏との色っぽい演奏でRealizeしたように、この歌の本当の切なさに近づけたような気がして今また違う感じ方で聴いている。たぶん、自分も歳をとったのだろうと想う。

当日のShoyanのヴォーカルも"はりさけそうな心"よりは、聴き流している夜更けのラジオ越しのベルベットVoiseみたいに静かに沁みた。そんな経年が愛おしかった。


「抱きしめるより 見つめて欲しい」

そんな感じで昔の恋人が言う。
少しだけ、想い出してくれる時もあるンだね・・・と。

・・・

初めて聴いた当時は、恋の翻弄ばかりに気が向いて、長い髪や細い肩・など、絵的な事ばかり考えていたのだけど、きっとこの歌の彼女、ワケアリの女? 口説いてはいけないヒトだったのかもしれない・・・

だから、彼の願いがかなっても、彼女的には"blue shade"だったのか・・・と。


♪そう言えばあの日 
君が見つめていたのは
沖行く船の灯り・・・

これもただの景色ではなくて、彼女の"束縛"の象徴だったのかも・と想う。

沖行く船の行く先。 水平線の向こうへ旅立ってゆける自由な心。 籠の鳥のような彼女のまなざしを今、想うと凄く切ない。
デモソレハ安穏・・・

「帰さないよ」というフレーズをもしも彼が口に出していたら、彼女は自由になったのだろうか・・・。この彼の"内部完結"癖はShoyanの歌の基本色。ゆえに過去と現在の層が出来ている顕著な例だと想う。

しかし、夜のFMからは何が流れていたんだろう。何か歌がかかっていたのか、誰かのトークだろうか、自分的にはボズ・スキャッグスやNed DohenyのValentineがかかっていたら胸キュンだろうなと想ってたけど(ストレート過ぎるかな?) 今は、ヴォーカル(言葉)のないメロディーだけの曲だったかもしれない・なんて想ってる。

・・・

人も歌も、近づいたり離れたりしながら時の流れを身につけていくんだ。

♪ふっと現われる時・・・

まさにそんな感じで在るのがイイ。
常に一緒にいて常に盛り上がっているなんて・・・そんな"サイコーの持続"なんて不自然なことかもしれない。そういう点でこの『夜のFM』は翳りを帯びながらも、とても自然にShoyanの一部になっていたのだと想う。

この歌を聴くとき、旧友に遭えて嬉しいような気がする。あの六本木の夜のことはこれからもずっと忘れ難い(涙)。出来ればまたいつか聴きたい。

※Shoyanの歌はリバーシブルになっていて、裏と表の多重構造になっている歌が多い。色んなアレンジでそれを紐解くのも楽しいと想うのだ。

2011年12月

・・・

で、その後『オールタイムベスト・Then&Now』のボーナストラックとして、近いアレンジでスタジオ録音されたのだが・・・、やはり私は佐藤準氏のピアノとShoyanご自身のエレアコで収録して欲しかったと今でも密かに想っているのだ。(岩井さんや細井さんの演奏がどうこうではなく) お二人の演奏はなんとも他に代えがたいものがあるのです。

そのあたりはせっかくなので、六本木のアニバーサリーライブの感想を再アップしてみようと思う。Shoyan&JUNちゃんの演奏に関してはそこにて・・・つづく。

最近ではエレガットで立ったまま、片膝を軽く曲げて刻むShoyanがメチャカッコよかった。84年ころにNHKFMか何かのスタジオライブでやった、バンドでバリバリの『夜のFM』もカッコよかった。あのエアチェック音源は死ぬほど聴いた。(高校生の時、本屋でバイトしながら隠し持ったラジカセで必死に録音したものだ(笑))

君焚きのラジオ番組内でラストの英語歌詞の説明があったと聞くが、私は君焚きをあまり聴きこんでいないので(個人の事情)いつかそのうちに、、とは思っているけど、「ふっと現れる時派」の自分はずっと放置のままでいくかもしれない。
(でも六本木音源をオンエアしてくれたのは嬉しかったですが)

・・・

夜更けにふと聴くFMの、ちょっとチリっとした音に大人の時間を感じていた懐かしさ。私は想い出す方だろうか、それとも想い出される方だろうか・・・

新音源のラストのラストのほんの消え際に、うっすら聴こえる唯一のガットギターの幽かなフレーズは、遠い昔の面影からの問いのようだ。
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飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
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伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

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