Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。

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*こんなサンプルEPがあった♪

「リアス式の恋」

なんともShoyanらしいタイトルである。
「それ何?」と思わせてしまうキャッチーな組み合わせ。地理や観光に興味がなければ、そんなに身近な言葉ではなかったかもしれない。しかもその「恋」とは?

普段は穏やかな、細長い奥まった入江。でも一度波が押し寄せてくると津波になって斜面を駆け上がる。その、倍々に掛け算になるパッション。そして、岬~入り江~岬~入り江・・・と凸と凹の連続なワインディング。恋の定まらぬ熱量の象徴かなと思う。

『ORANGE』というアルバムの幕開けに本当にピッタリな、真っ直ぐでワクワクしたこの曲が大好きだ。溌剌とした青い柑橘系のスプラッシュ!もう40年近くも毎年聴くのだけれど、本当に飽きない。もちろんすべての曲が飽きないのだけど、ORANGEの収録曲は特に「今来た」感が褪せない。つい、まだ当時のままの心で聴いてしまう。

好きすぎていつも聴き流しているままだったので、改めて聴き直すとまるで玉手箱のようなアレンジで感激が深まる。モチロン、私は"佐藤準愛好会"(※笑)会員なので、準チャンのやることなすこと大好きなのですが、この歌、Shoyanのヴォーカルひとつとっても、最初の

♪走る景色に重なる~

からのフレーズはディレイ(リバーブ?)が効いていて、抑えた伴奏の表面に浮き上がったShoyanの甘い甘い声が際立ってタマラナイのだけど、更に

♪気分は週末色に~

のところで、「週末色に~」から「~待ち合わせたけど」まで、極限定的にファルセットのような別のヴォーカルが被さっているのだ。歌詞からすると中途半端な箇所なのだけど、前後のメロディ展開の導入や繋ぎに関わるタイミングが絶妙。この限定的な高い声のユニゾンが無意識に働きかけてドラマチックな仕上がりになっていたんだなぁと感銘なのだ。(素人の感銘ですお許しを^^;)

♪このまま遠くへさらってゆくつもりさ~ 

からの♪トゥルル系コーラスも本当に軽快でお洒落でスタンダードで、楽しい気分になる。せつない曲や哀しい曲は印象に残りやすいが、こういったコロコロと転がるようなサックリした恋の歌もShoyanの歌世界では多数輝いている。特にこうした超級ミュージシャンたちの参加もあって、本当に屋台骨のしっかりとした色っぽい永遠の作品群だなぁと今になって思う。

このアルバムの他の曲でもそうだけれど、佐藤準氏の裏メロ仕事がそこココに効いていて、様々なエレピやシンセの音が聴こえる。 最後のリフレインにかかってくるシンセのピコピコした音も超可愛い☆ドラムスやベースはミュージシャンの演奏なのか、準氏の打ち込みなのかは各曲のクレジットが無いのでわからないけれど、この曲、ギター系はほとんど聴こえないので準チャンと正ヤンの声だけで出来ちゃうんじゃないかな?などと思って余計に愛着なのであります。

※佐藤準愛好会とは
準氏の音楽を愛してやまない私が勝手に名乗っているだけのミニマムな団体です(笑)。

・・・

この歌、タイトルに続いて言葉がとても面白くて、「週末色」とか「紅茶も冷めないほんの15分」「高速はジグザクの夜」「マリンハウス」 なんて、Shoyanの実験魂が感じられて、以後そういう「言葉」に敏感になっていく受け手としての自分の出発点だったりもする。
(そういえば、キリンジの歌にも ♪熱い紅茶も冷める距離だね~なんてあるけど、紅茶って"冷める前提"なんですね)

♪走る景色に重なる君の横顔が好きで~

とは?
もしや、時々助手席に乗せながら、運転中にチラ見していましたね? よそ見運転ギリギリですね?(笑) 「うでの中」の君のこと2日間も考えてて、思いつめていて、15分で逃したら言えなくなるとか、切羽詰まっていますね(*´ω`)たまらんですね。『夜のFM』では言えなかった想い、ここでも同じように心の中でグルグルしてるのだけど、今度は違う。言葉以前にある大前提!

「好きになってしまえば 同じ気持ちがかよって」

という、この恋の鍵がこの歌ではガチャっと回されるわけで、待ち合わせてドキドキしながらテーブル挟んで君の顔色を伺っていたら、君がかすかにうなずくのだ。その、ほんのほんの極ちっちゃいリアクションによって劇的にシーンがガラッと変わるのが快感なのだ。「それでどうするの?それでどうするのー?」と、こっちが身を乗り出して聴いてしまう悦びがここにある。

最終のフライトにまだ間に合う・って、飛行機まで使ってどこまで行くんだ!?っていうぐらい壮大な恋愛の幕開け。急に二人の密着した物語が始まって、「思いつめてる」が二人分になって、一気に熱量があがって色々なものが膨らんでしまう。身体が熱くなるような最高潮のクライマックス!

だが・・・それと見せかけて、話はそこでスパッと肉体を通り越して、心の機微にストンと嵌まるエンデイングのリフレイン。

♪秋には さびれてしまう
 マリンハウスの
 そんなせつなさが
 好きな ふたり

これ本当に凄いんだ。

この二人、これからナニすんの?どこ行くの?恋はじまった!!うわーっ(*'▽')!てトキメイた瞬間に、侘び寂びの機微で余韻だなんて・・・寸止めの極みのようで胸の中はずっと巡ったままになる。永久機関のように・・・

この最後のフレーズが私は大好きなのだ。「そんなせつなさ」を知っている者同士はきっと、相手のことを自分のことのように想えるのではないか・と。そして、いつか「恋」が終わっても、その次に在るものを見つけられるんじゃないかなって。

余計なことを何も入れないで、このフレーズですべてを包み上げたShoyanからの珠玉の贈り物だと思う。だからずっとずっと大切にしてこられたと、この可愛い歌が今凄く愛おしいのです。

・・・

☆追

アルバム『ORANGE』は、自分が車の免許さえ持っていなかった頃に聴き始めたアルバムだから、シチュエーションにとても憧れていた曲が多い。国道10号線を北へ走るのは実際にやったケド(笑)、高速でジグザクの車線変更とか、岬を回るドライブや、豪雨の中のドライブなど、今でも憧れる気持ちが強い。その情熱を今でも時々懐かしく思うし、なんとなく自分の中にまだ埋もれてあるような気がする。 この頃ってシートベルトをしなくて良かった頃かな?今より少し自由だった。ハメも外した。情熱に憬れすぎてカラぶったことも多々あるが、『リアス式の恋』は私の青春に添ってくれた大切な一曲であります。

※今ちょっと調べたら、高速道路のシートベルト着用義務化は1985年からだった。本当にこのころはシートベルトもしなくて良かったんだ。バイクのヘルメットもね。 そう考えると結構時間が経っているね笑。


好きになってしまうと同じ気持ちが通うのは、このアルバムでは一つの大事なフレーズ。 フライトも高速道路の逃避行も、夏も旅もいろいろリンクし合っている曲が多い。印象がよくまとまった素晴らしいアルバムだ。当時のギター誌のインタビューで、『ORANGE』とは故郷のみかん畑のオレンジと、夕暮れのオレンジ色、トンネルや高速道のライトのオレンジ色がリンクしている、と語られていたように思う。故郷=ルーツのことはとても大事なことだから、そこを意識して聴いてみてね♪というShoyanからの導きに気付いたアルバムだった。また他の曲のことも考えてみたい。自分にとっては80年代の曲たちこそ"故郷"なのだと最近改めて意識しなおしている。
☆そのインタビュー記事で、自ら運転する車中のShoyanご自身の横顔写真が載っていた。真っ黒サングラスなのだけど、左ハンドルにかけた細長い腕が素敵で・・・下敷きに入れて授業中ずっと眺めていましたわ(*´ω`)=3。ドライビングShoyanは永遠の憬れです☆
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No Name 七氏
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飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
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林道歩き・鉱物鑑賞
自己紹介:
伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

☆提供曲などに関してべいどん氏のご協力をいただきました。心から深謝いたします。ありがとう!

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