Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。

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お盆も最終日になると、入りの日よりも急に日が暮れるのが早くなって虫の声も増え、この数日の前後ではホントにガラリと季節感が変わる。そして決まって必ずこの歌を聴く。

『汐風』は特別の特別過ぎて、語るのを躊躇するほど好きなのだけど、やはりナカナカ上手く書けない。言葉ではなく胸で感じる歌だから・・・♪

以下、散漫お許しを。

・・・

サンズイに「夕」の『汐風』。

「潮」よりもっと風通しのいい「汐」、大好きな文字だ。『汐風』がはらむ温もりは夕陽の色。元気いっぱいの新しい朝ではなく、日が沈む前の穏やかさなんだ。

 宵闇で君の顔が見えなくなる前に
 もう一度 その笑顔見せておくれ

って・・・。
日が暮れる前にその腕に抱かれてしまえば、夜はもう怖くないのです。

とはいえ、言い出せない恋心・眠れないくらいの恋心・思わず抱き寄せてしまう恋心。ここに駆け引きや躊躇はないのだ。そんな真っ直ぐな、水平線に沈んでしまう太陽を手で掬い上げるような彼の純情がホントに清潔で暖かい。


恋は二段階で始まる。

見かけた君が気になりだして、「好き」という気持ちが発生した独りステージの開幕。そして会う約束をして逢えた時の二人のステージの開幕・・・。独りステージの稽古で覚えたセリフが実際逢ったら全部役に立たなくて、彼女を傍にしてやはり理屈ではなくなって、思わず抱き寄せてしまうこの大いなるナチュラルがたまらなくキュンとするのであります。

彼がこの鄙びた海辺の町でどんな"最後の休み"を得たのかわからないけど、夏のアルバイトの一番かき入れ時の忙しいお盆休みが過ぎた8月最後の週の平日休みなのかな?・・・とか、まだ学生で9月になっても数日ある夏休みのことかな?・・とか、初めて逢っていきなり抱き寄せないだろう・ということは、普段からシフトが一緒なのかな、それとも大学とか予備校でゼミが一緒なのかな、とか。若い人の恋愛を全く知らないワタシには妄想の宝庫なのだ。それだけでも色々想像して楽しい。

君を見かけたのはずっと前なのに、"夏の恋"はこのままで終わるかも・・・と、何やら純情には共通点があるようで、こういう"男心の双葉"のような、恋愛前段階の青みかんのような時間の香りがあるよね。

♪思わず抱き寄せた 壊れそうなほど
♪壊れるくらい離さない
♪壊れそうな気持ちだったの?

『秋の葉の栞』の時に、「抱きしめちゃだめだ壊れちゃうから!」なんて思ったけれど、相手を粉々に砕いて、そのすべてを自分の中に取り込んで一体化してしまいたいほどの衝動、そして実力行使。その恋の一体化願望、当時それに私自身も実生活で悶絶していたので、本当にこの『汐風』の青々とした甘酸っぱい煩悶が我がことのように今でも愛おしい。

日焼けと海水で汗ばんだ腕についた砂が、陽が落ちる頃には乾いてはらはらと落ちるような、"何かの変わり目"が優しい。

・・・

過去何度もこういう場に書いてきたが、80年代当時のコンサートではこの『汐風』を歌う際にShoyanは、

「この歌をこの世の中のすべての恋人たちに。次もまた二人で来られる様に、今好きな人がいない人は次は好きな人と一緒に来られるように、みんなの顔を覚えていますから♪・・・汐風」

と、この決まり文句を言って、はにかみながら優しく歌ってくれた。

この言葉は当時の私を励ましてもくれたし、慰めてもくれた。寂しい自分だった。どうしていいかわからない心の謎の中にいた私をこの歌は手を引いて導いてくれた。

「切なくてもどかしいことも、悪いことじゃないんだヨ」

って、

「もっと自分の心の中と話をしてごらん」

と教えてくれた。

自分でエレクトーンで演奏するのも好きだったし、海辺(鎌倉湘南)に沢山の思い出があった。10代の当時、とても近くにいてくれた歌だった。

オレンジ色に染まるエレピのイントロ&エンディング。SlowRockな波に揺られるリズム。白い波頭の飛沫のようなShoyanの声。頬を撫でるフルートの風。転調する頃にはきっと陽も沈んで甘い夏の残照に身を任す・・・卓上ピアノのような可愛い音がおさなごころを残していつまでも色褪せない暖かさを残している。そんな蜂蜜色の景色が大好きだった。

アルバム『HalfShoot』は全体的にシンセや打ち込み系の音色だけど、曲の世界はすごくアコースティックだ。とても純粋で切ない。

『汐風』は伊勢正三のLOVESONGというと、真っ先に浮かんでくる曲の一つなのだ。私の原点であるこの歌にこの夏もまた慰められている。

・・・

今年は軽井沢で夏を送れず、『ほんの短い夏』も『月が射す夜』もこの『汐風』も聴くことが出来ないけれど、そんな時は自分で歌いましょう。その歌を自分で歌えば、今年の夏も、いつだってどこにいてもShoyanと共に居られると想っています。

命のある歌をアリガトウ正やん。
何十年もかけて確かめてきた"歌のぬくもり"よ今こそ、と、遠くで強く抱きしめております☆


猛暑だって愛おしい季節の瞬間です。
山の中から海を想って、秋の"音連れ"を待つことにします。


今年も アイヲコメテ☆



・・・

追:

♪ダイヤル回したよ・・・なんて、今の若い人たちはピンと来ないだろう。この収録アルバムの『HalfShoot』には「アンサーフォン」という単語が出てくる曲もある(『グレー通りの灯り』)色んな過渡期。恋を取り巻くアイテムの多様化が始まった時代だったのだな。

でも、モノや手段が無い時の方が、身一つ心一つで想う時間が永くてよいですネ(*´ー`)。
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No Name 七氏
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飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
趣味:
林道歩き・鉱物鑑賞
自己紹介:
伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

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