Nanashiのものろーぐ

こっそり言いたい放題ブログです。伊勢正三的LoveSongの世界に浸るココロミ&more&迷走必至(´∀`) ※無断転載・引用はおことわりいたします。

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さて、10月も半ば過ぎ・・・
先日のドライブで、久方ぶりの海を見たあとではこの歌を想わずにはいられない。

『海は遠いのかい』は聴いた最初から本当に好きで、特に長年ヘヴィロテで聴き続けているが好きすぎてよく考えていないまま時が過ぎた(汗)。
当時、アルバム発売前にステージで歌ってくれたような記憶があるのだが・・・、その分Shoyanご自身の思い入れも深かった一曲なのでは?と思っている。

"二人が二人"になってしまいそうな不穏。
別離や諦めなんてムードも漂う、なのになんで好きなんだろか・・・この、ページをめくるだけのような漠然とした場面展開が心地良く、センチメンタルと虚しさの絶妙なバランスを傍観しているのが大好きなんだ。

・・・

秋のとある休日の、どこにでもあるルートマップの景色の中で、ごく普通の恋人たちの人生の剥がれの始まりが埋もれている。こういう機微、ただの買い物でショッピングモールの駐車場に停めただけでも心によぎる。一緒にいるのに、二人の共通項はもうないのか・と気付いてしまう瞬間が・・・そんな落とし穴に彼が先に気付いたのだろうか。

この歌の中には能動的なことがほとんどない。
「車に戻ろうか」と問うてもそれは誘いではなく、二人の今に期待を持てない諦めの言葉に思える。過去と未来のはざまにある凪の退屈さが切ないのだ。

「長い恋」ということは結婚したわけではなさそうだ、でもまるで倦怠期の夫婦みたいだ。だが、夫婦ともなると互いの役割ってある程度ありそうで、そういう実績や積み重ねがカスガイになって破綻を免れていることもあるやもしれぬ・・・けどでも、この"恋人関係"って責任の所在があやふやでなんともやるせない。
確実のない「一寸先は赤の他人」!

この歌の今だって、なんのために二人車に乗っているの?作者であるShoyanは説明してくれない。説明する必要がないほど目的がないのではないか?
別れ話をしようと連れ出したのか?
でも、、その別れの雰囲気にさえノッてこない彼女の取りつく島のなさ・・・
このノロノロ運転はサンデードライバーの波や彼女の無関心にもがき溺れている現状12kmなんだね、絶妙に辛い距離感だ。

しかしふと我に還って
♪半袖じゃ寒いだろう・・・とあるから、
もしかしたら本当に海を見に来たかもしれない。
だがリアルの海は今目の前にあったのに、ナゼあらためて風に聴いてみるの?「遠いのかい?」って。

景色としての海はここに在るけれど、恋の最中にあった頃の二人が知っていた海は今はここにない。自分しか見ていない海。同じ海なのに、、、あの頃の恋心が満ちていた海はもう遠いのかい?って、それを海の旧知である風に訊いてみるのだ。

"二人若かったあの頃"のドライブは毎度楽しくて新鮮で、渋滞も気にならなかっただろう、けれど今、同じ場所を訪ねてもむしろ心の剥がれを実感してしまうことになって辛い。それは年月のせい?互いの変化のせい?始まりは果て過ぎてもう見えないよって・・・
街の中の風と、海辺の風と、両方の風に訊いてみても風は教えてくれただろうか。

彼の自問自答はとうとう"答え"になって実行されてしまうのかな。聴き終わった後の聴き手の干渉的な感傷だけが取り残されて、ただそこに風が吹くだけ・・・なのだ。
「秋にはさびれてしまうマリンハウスのそんなせつなさが好きなふたり」と真逆な今の二人のテンションの低さに思わずため息、です。

・・・

秋になって外が静かだから、このイントロがよく聴こえる。
どこかイーグルスの『I Can't Tell You Why』(邦題:言い出せなくて)のオマージュにも思えるような、Shoyanの非常に好きそうな、この淡々としたサウンドが大好きだ。

全編ほとんどをファルセット(裏声)で紡ぐアプローチも、この頃のShoyanの自信・手応えの表れだと思ってシビれる。とっても実験的でアピールが濃いから心くすぐられてしまう。こそばゆいヴォーカルがタマラナイ。焼いたメレンゲのようなハモリもサクッと甘くて、後半にはそのハモリにファルセットを残したまま、地声の現実感で我に還る。ふと、Shoyanの腕で後ろから袖を引かれたような、聴き手もこの二人の行く末を第三者的に眺めることが出来るんだ。

そしてその声を挟むアコギのイントロも、乾いてシンプルなのに表情豊かだし、間奏のエレキギターはこの停滞から抜け出したい感が如実で、どこまでも空に伸びてゆきそうで、気持に残るフレーズが多い。もっとライブで聴きたかったと今でも想う一曲だ。

・・・

彼女の「疲れた」という言葉、寝顔、それは甘えでもなく安心でもない。同じ方向に向けない彼女の"放置心"だ。「でも寂しい」と微笑む某彼女より、ストレートなありのままの彼女の態度が徒長しすぎた恋の現実を物語っている。

この歌の中では最後まで「君をずっとずっと見ていた」とあるので別れは切り出されていない。彼は虚しいのかな、それともまだやりなおしたいのかな、オトコってヤサシイな・・・ともどかしいが、そこで曲が終るのがShoyanの巧みな放置。たまらんのです。

・・・でも彼女だって"言い出せなくて"ただ目を閉じて長い時間今日に至るまで何かを待っていたのだとしたら、、、
早く話しかけてあげて!と思う。
きっと聞き忘れていたことや、ちゃんと返事をしなかったことがあったはずよ、って・・・。
彼女の疲れの原因が"気持ちのすれ違い"なのだとしたら、まだやりなおせる余地はあるのかもしれない。

・・・

遠くなったらまた違うルートを探して何度でも岬を回ってみる。遠ざかったのは海ではなく自分の方なのだから。でも、必ずしもやりなおさなければいけない・ということはない。
その先を知っているのは風だけなんだ・・・
懐かしい海にいつか辿り着けたとき、そのとき自分が独りでも二人でもきっと海は優しいと思う。

海を諦めないで・・・と、四半世紀たった今は海から遠い場所で想っている自分がいます。


※イントロのアコギ、間奏のエレキのフレーズ、好きすぎて当時結構練習した。でもひとりじゃ何もカタチにならず・・・今は遠い遠い果てなのです(汗)。

※※この歌何故か、東名高速の川崎の料金所(東京料金所)あたりのメチャクチャ多いゲートの並びが思い浮かぶ。本当はレインボーブリッジあたりを想いたいのだけれど、なんとなくその先の用賀~3号線あたりの自分の馴染みの景色でこの歌を想いたいのだ(懐)。



また長文になりました(汗、ご容赦。
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飲食店勤務のち遺跡発掘作業員のち学生寮管理人(いまここ)
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伊勢正三ファン歴は浅いです。ソロの正やんしか知りません。行けるコンサートも少なく、ラジオ番組などは聴いたり聴かなかったりなので、既出なことも知らずに勝手なことを妄想して書いたりしています。「ものろーぐ」カテゴリの文章は最近の曲をのぞいて、以前書き溜めておいたものを手直しして載せています。

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